内容紹介
古来からの農業技術の積み重ねとして現代農業がある。いま、人類に求められていることは、増大する地球人口を養いつつ地球環境への負荷を小さくするために、科学的な反省と改良を続けながら、新しい農業を作り上げていくことである。 そこで本書では、遺伝子組換え作物と有機農業とは対比されているが、それぞれのメリット・問題点およびその理由を理解したうえで何が望ましいかを考える。 特に有機農業と遺伝子組換えだけで農業に求められるあらゆる変化に対応できると言うわけではないが、遺伝子組換えと有機農業をうまく融合することこそが、増大する人口が求める食糧を生態学的にバランスの取れた方法で供給する重要な戦略の一つになることと、特定の品種や農業技術の有用性を評価を用いつつ、生態学に配慮した農業が描く幅広い目標やその理想に集中することが重要で、新品種の開発に利用した手段にこだわるのは意味がないことを主張している。
目次
序
第1章 稲を育てる:中国Niheとカリフォルニア州デイビス
農場
第2章 なぜ有機農業か?
第3章 有機農業の道具立て
研究室
第4章 遺伝子工学の道具立て
消費者
第5章 ランチと法律
第6章 誰を信用できるか?
第7章 GM食品を食べると危ない
環境
第8章 自然を保護する
第9章 雑草・遺伝子拡散・環境
所有権
第10章 種子は誰のもの?
第11章 遺伝子は誰のもの?
ディナー
第12章 変わる夕食:遺伝子組換え作物を有機農業で育てる