マーミン 量子コンピュータ科学の基礎
原書名 | Quantum Computer Science An Introduction |
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著者名 | 木村 元 訳 |
発行元 | 丸善出版 |
発行年月日 | 2009年07月 |
判型 | A5 210×148 |
ページ数 | 280ページ |
ISBN | 978-4-621-08146-4 |
Cコード | 3042 |
NDCコード | 007 |
ジャンル | 物理学 > 量子力学 電気・電子・情報工学 > 情報・コンピュータ |
内容紹介
量子力学の大家マーミンが書いた量子コンピュータの入門的教科書の翻訳。現在のノイマン型のコンピュータとは考え方の違う新しい型の計算機として研究が進む量子コンピュータについて、量子論的な基礎から解説している。量子力学的素養のない計算機の専門家でもわかるよう、古典論と量子論の違いから説き起こし、量子コンピュータの原理や重要なアルゴリズム、実用化に向けての課題などをコンパクトにまとめている。情報系の人にも、物理系の人にも、興味深く読み進められる内容となっている。量子論の基礎から古典的計算機との対比でわかりやすく解説し、必要最小限の内容をコンパクトに構成。最短距離で量子計算が学べる。
目次
1 CビットとQビット
1.1 量子コンピュータとは何か?
1.2 Cビットとその状態
1.3 Cビット上の可逆演算
1.4 Cビット演算を操作する
1.5 Qビットとその状態
1.6 Qビット上の可逆演算
1.7 回路図
1.8 測定ゲートとボルンの規則
1.9 一般化されたボルンの規則
1.10 測定ゲートと状態準備
1.11 任意の1―Qビットと2―Qビット状態の構成
1.12 要約:QビットとCビットの比較
2 一般的な性質と簡単な例
2.1 一般的な計算過程
2.2 ドイッチュの問題
2.3 なぜ付加的なQビットがあってもよいのか
2.4 ベルンシュタイン(Bernstein)とヴァジラニ(Vazirani)の問題
2.5 サイモンの問題
2.6 トフォリゲートの構成
3 RSA暗号を破る
3.1 周期発見,因数分解,そして暗号
3.2 数論の予備知識
3.3 RSA暗号
3.4 量子周期発見:序文
3.5 量子フーリエ変換
3.6 2―Qビットゲートを取り除く
3.7 周期発見
3.8 周期関数を計算する
3.9 小さな位相エラーは重要ではない
3.10 周期発見と因数分解
4 量子コンピュータによる探索
4.1 探索の性質
4.2 グローバーの反復法
4.3 Wの構成法
4.4 特定の数が複数ある場合への一般化
4.5 4項目から一つを探索する問題
5 量子誤り訂正
5.1 量子誤り訂正のミラクル
5.2 単純化された例
5.3 エラーを引き起こす物理
5.4 エラー・シンドロームの診断
5.5 5―Qビット誤り訂正符号
5.6 7―Qビット誤り訂正符号
5.7 7―Qビット符号語上の演算
5.8 7―Qビット符号化回路
5.9 7―Qビット符号化回路
6 ごくわずかなQビットを用いるプロトコル
6.1 ベル状態
6.2 量子暗号
6.3 ビットコミットメント
6.4 量子高密度符号化
6.5 テレポーテーション
6.6 GHZパズル
付録
A ベクトル空間:基本的な性質とディラックの表記法
B 1―Qビットユニタリー変換の構造
C 1―Qビット状態の構造
D 気味の悪い遠隔作用
E 一般化されたボルンの規則の整合性
F ドイッチュの問題のもう一つの見方
G サイモンの問題の成功確率
H cNOTゲートの構成法の一例
I 初等的な群論を少し
J いくつかの簡単な数論
K 周期発見と連分数
L 周期発見における成功率の改良
M 因数分解と周期発見
N ショアの9―Qビット誤り訂正符号
O 7―Qビット符号の回路図による取り扱い
P ビットコミットメントについて