現代住宅研究の変遷と展望

現代住宅研究の変遷と展望

著者名 住宅総合研究財団
高田 光雄 編集代表
発行元 丸善出版
発行年月日 2009年09月
判型 B5 257×182
ページ数 390ページ
ISBN 978-4-621-08176-1
Cコード 3052
NDCコード 365
ジャンル 土木・建築 >  建築

内容紹介

住宅は、社会の変化や時代の要請を受けて大きく変化してきた。住宅研究の先人たちは、近代家族、ライフスタイル、コミュニティ形成、高齢社会、マス・ハウジング、工業化、ストック型社会等をキーワードに様々な角度から調査・分析を行い、時代に対応あるいは先取りする提案さらには実践をしてきた。本書はわが国の住宅あるいは住宅建設・整備に大きな影響を与えた主要な文献を、テーマごとに、そして大きくは戦後復興期、高度成長期、バブル期、安定成長期といった時代区分ごとに追跡。それぞれの研究テーマは正に時代を反映したものであり、そこには次代のテーマの萌芽が見え隠れしている。今日の住宅の課題を知り、今後取り組むべき研究テーマを展望するために、住宅研究を志す方々はもとより住宅問題に関心を持つ多くの方々に是非お薦めの一冊。

目次

第I部 住宅研究の変遷
 概説:住宅研究の意義と展開
 第1章:家族と住生活
  1―1 近代家族の成立と住生活研究の萌芽
  1―2 標準から多様化へ・住生活研究の転換(1970年代後半〜バブル期)
  1―3 個性化する家族とライフスタイル・住生活研究の発展(バブル崩壊1994年から現在)
 第2章:住宅供給
  2―1 住宅の大量供給時代にける研究の展開(〜1970年頃)
  2―2 大量住宅供給の見直しと多様化への対応(1970年代〜バブル期)
  2―3 住宅供給論からハウジング論への発展(バブル崩壊から今日まで)
 第3章:集住計画
  3―1 明治期における集住形式の追求
  3―2 昭和戦前期までの集住形式の追求
  3―3 戦中マス・ハウジングのための基準づくり(1941〜1945年)
  3―4 戦後マス・ハウジング基準とコミュニティ形成への模索
  3―5 日本住宅公団を中心とした団地設計の研究と展開
  3―6 豊かな社会の様々な集住形態の追求
 第4章:高齢者居住
  4―1 ケア付き住宅の成立と発展
  4―2 一般住宅のバリアフリー化と住宅改造
  4―3 高齢者住居施設にける研究―施設から住宅へ 
 第5章:住宅政策・住宅市場と住教育
  5―1 住居基準と住宅建設計画研究(1950年代・1960年代)
  5―2 「質の向上」政策と公共住宅論
  5―3 住宅市場と公共政策(1990年代以降)
  5―4 住教育―学校教育から居住施策へ
 第6章:住宅管理・居住地管理
  6-1 集合住宅管理研究の萌芽(1970年代まで)
  6-2 マンション管理研究の登場と発展期
  6-3 集合住宅の再生と街づくりへの展開
 第7章:住宅構法と住宅生産
  7―1 住宅生産の工業化の研究
  7―2 在来木造住宅の生産と構法の研究
  7―3 ストック型社会の構法・生産研究
 第8章:建築史における住宅
  8―1 古代から近世の住宅
  8―2 近・現代の住宅
  8―3 都市と住宅
 第9章:都市計画における住宅
  9―1 研究対象となった地域・場と研究対象の動向
  9―2 住環境整備制度と住宅地のルールづくり
  9―3 都市と住宅をめぐる新しい研究動向
 第10章:農村計画における住宅
  10―1 農村住宅研究の萌芽(戦前〜1950年代まで)
  10―2 過疎化―混住化のなかの農村と住宅研究(1960年代〜70年代)
  10―3 景観・環境資産としての農村と住宅研究
  10―4 激甚災害と農山漁村・農村住宅
 第11章:環境工学における住宅
  11―1 屋内環境と快適性
  11―2 屋内環境と健康問題
  11―3 地球環境問題への対応
 第12章:住宅系学位論文の動向
  12―1 社会背景との関係からみた住宅系学位論文
  12―2 近年の住宅系学位論文の動向
 資料:日本建築学会大会における住宅関連研究
  1.大会における住宅関連研究集会の年表
  2.学術講演梗概にみる住宅関連研究題数の推移
  3.セッション名との関係にみる住宅関連研究題数の推移
第II部 これからの住宅研究
 概説:住宅研究の課題と展望
 第1章:少子高齢化と家族・コミュニティの再編
  1―1 住宅研究のゆくえ―成熟社会における縮小型の計画理論
  1―2 少子社会における家族・住生活研究のこれから
  1―3 都市郊外の高齢化と住宅研究の課題
  1―4 超高齢社会における住宅研究  
 第2章:住宅ストックの増大と環境問題への対応
  2―1 転換期ゆえに拡がる研究領域と強化すべき統合型研究
  2―2 住宅計画研究と時間概念
  2―3 新たなる住宅史研究の蓄積を
  2―4 住宅ストックの増大と環境問題への対応
 第3章:住宅政策の転換とまちづくり・むらづくり
  3―1 住生活をめぐる社会変動と政策研究の課題
  3―2 まちづくりの観点からみた住宅研究の課題と展望
  3―3 集住の知恵の再発見
  3―4 住宅・居住地管理研究の課題と展望
座談会:編集を終えて

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