温暖化と資源問題の現実的解法
持続可能社会へ向けた

温暖化と資源問題の現実的解法

著者名 御園生 誠
発行元 丸善出版
発行年月日 2008年08月
判型 四六 188×128
ページ数 214ページ
ISBN 978-4-621-08014-6
Cコード 1036
ジャンル 科学一般
天文・地学

内容紹介

地球温暖化について、明日にも地球が壊れるといったやたらに危機煽る極論や、また一方、温暖化など起こっていないとする両方の極論を排して、冷静沈着・合理的に考え、その上で持続可能な社会を模索する良識の書。地球温暖化についての思い込みや固定観念を解きほぐし、集団心理に流されて誤解が生じている多くの事例をデータをあげて反証する一方、資源・エネルギーの供給限界と環境破壊の許容限界が見えていることも、しっかりと押さえて現実的な対策を提言。2050年に温室効果ガスの排出を50%削減するなどの実現困難な野心的な目標を立て拙速で対策を講じ、取り返しのつかない誤りを犯そうとしている現状を真摯に憂慮して、現実に立脚した準・低炭素社会へ軟着陸する道筋を述べた良心の一冊。

目次

第1章 持続性について正しい考え方をするための12か条
 1 持続と循環―持続可能性とは
 2 すべてはグレーで程度の問題―定量的比較が不可欠 
 3 エネルギーと物質の収支が肝心
 4 部分と全体
  4・1 全体に占める割合をつねに考えよう
  4・2 全体を考えて判断しよう(ライフサイクルアセスメント))
 5 時間軸と空間軸の認識が必要
 6 データは必ずばらつきがある―時間的と空間的
 7 経済性も考えよう―コストパフォーマンスが重要
 8 新聞の読み方、テレビの見方―鵜呑みにしない
 9 トレードオフとケースバイケース
 10 化学物質のリスク―安全と安心
 11 効率向上か、総消費量削減か
 12 誤解しやすい環境問題に注意しよう
第2章 われわれを取り巻く状況
 現代の環境問題の特徴
  人間活動の飛躍的拡大
  時間・空間領域の拡大
  因果関係の複雑性・不確実性
  対策の立案と合意形成の困難さ
 自然環境に関する基本知識 
  地球システム
  太陽エネルギー
  大気・水・土壌
 資源・エネルギーの現状
  エネルギー
  資源と物質のフロー
  水資源
  食糧
  人口
第3章 問題解決のためのツール
 持続可能な社会
  概念の変遷
  持続可能性の指標
  環境クズネッツ曲線
 リスク評価―安全確保のためのツール
  リスクとその定義
  リスクの評価・管理とその手順
  リスク論の課題
  メーカー、行政、消費者の役割
 ライフサイクルアセスメント(LCA)―有用性と問題点
  LCAの手順
  LCAの実施例
  積み上げ法LCAの有効性と限界
 対策技術の健全性の判断基準
  地球システムの熱力学
  持続性と循環
  リスクと技術開発の時間軸
  総合的・多面的評価の必要性(部分と全体)
  エネルギー・資源技術の判断基準
  安全と環境への配慮
第4章 主要な課題を見直す
 エネルギー
  エネルギーの需給予測と新エネルギー
  エネルギー需要の見通し
  バイオマスの利用可能性
 地球温暖化の真実
  地球温暖化のメカニズム
  京都議定書とIPCC
  地球温暖化の正しい認識
  二酸化炭素排出を消費サイドから見る
  温暖化対策の考え方
  温暖化の具体的対策―エネルギー対策
  温暖化の具体的対策―非エネルギー的対策
 資源
  希少元素資源戦略
  リサイクルを見直す
 食糧の安全保障と環境負荷 
 グリーンケミストリーと化学物質のリスク管理
  グリーンケミストリー
  化学物質のリスク管理
第5章 健全な対策を考える
 基本的なスタンス
 未来シナリオの概略
 技術の役割
 エネルギーの将来
 地球温暖化対策
 日本の農業のあり方
 地域環境
 生活スタイル、価値観の転換
コラム
 エセ化学(疑似科学)
 一次エネルギーと二次エネルギー
 単位の換算
 石油の価格とコスト
 リスクのものさし
 広く薄く分布した資源やエネルギーの問題
 化石資源の種類と二酸化炭素発生量
 バイオエタノール製造の物質収支
 水蒸気の温室効果
 森林の二酸化炭素固定化能力
 GC以前のGC―紙・パルプ、イオン交換膜
 「毒と薬」「犬と猫」とリスクコミュニケーション

定価:1,980円
(本体1,800円+税10%)
在庫:品切れ・重版未定