有機合成の落とし穴

有機合成の落とし穴

失敗例から学ぶ成功への近道
原書名 Side Reactions in Organic Synthesis
著者名 齊藤 隆夫
斎藤 慎一
発行元 丸善出版
発行年月日 2009年01月
判型 A5 210×148
ページ数 430ページ
ISBN 978-4-621-08066-5
Cコード 3043
NDCコード 434
ジャンル 化学・化学工学 >  有機化学 >  有機化学反応・有機合成

内容紹介

有機化学に関する書籍や論文の多くは、“成功例”に関する記述が大部分だが、実際の研究の場では“失敗”がほとんどである。本書は、成功例と比較して学ぶ機会の少ない失敗例について論じ、その対応策も記述している。失敗に終わった反応を成功へと導くために、また、よりよい合成方法を計画立案するために、有機化学に携わる学部学生、大学院生、研究者にとって有用な書。

目次

1章 有機合成:所見
 1.1 はじめに
 1.2 合成計画
 1.3 硬い酸と塩基,柔らかい酸と塩基
 1.4 Curtin-Hammettの原理 
2章 立体電子効果と反応性
 2.1 σ結合との超共役
 2.2 非共有電子対が関与する超共役
 2.3 超共役と反応性
 2.4 おわりに
3章 有機化合物の安定性
 3.1 はじめに
 3.2 ひずんだ結合
 3.3 共存できない官能基
 3.4 官能基間での共役と超共役による不安定化
 3.5 酸素に対する安定性
 3.6 爆発
4章 脂肪族求核置換反応における諸問題
 4.1 求核置換反応の機構
 4.2 脱離基の構造
 4.3 求電子剤の構造
5章 カルボアニオンのアルキル化
 5.1 はじめに
 5.2 脱プロトン化反応の速度論
 5.3 脱プロトン化とアルキル化の位置(領域)選択制
 5.4 カルボアニオンの安定性
6章 ヘテロ原子のアルキル化反応
 6.1 フッ化物イオンのアルキル化反応
 6.2 脂肪族アミンのアルキル化反応
 6.3 アニリンのアルキル化反応
 6.4 アルコールのアルキル化反応
 6.5 フェノールのアルキル化反応
 6.6 アミドのアルキル化反応
 6.7 カルバミン酸エステルと尿素のアルキル化反応
 6.8 アミジンとグアニジンのアルキル化反応
 6.9 カルボキシラートのアルキル化反応
7章 ヘテロ原子に対するアシル化反応
 7.1 うまく反応しないカルボン酸
 7.2 うまく反応しないアミン
 7.3 うまく反応しないアルコール 
8章 パラジウム触媒を利用したC―C結合形成反応
 8.1 はじめに
 8.2 有機パラジウム化合物の化学的性質
 8.3 パラジウム触媒によるC―C結合形成反応の反応機構
 8.4 有機ハロゲン化物のホモカップリングと還元
 8.5 炭素求核材のホモカップリングと還元 
 8.6 ホスフィン配位子からのアリール基の転位
 8.7 ビニルボラン誘導体とビニルスズ誘導体のipso置換とcine置換
 8.8 Heck反応の副反応:アリル位のアリール化と水素化
 8.9 炭素求核剤のプロト脱メタル化
 8.10 かさ高い基質
 8.11 シクロメタル化
 8.12 キレート形成 
9章 環化反応
 9.1 はじめに
 9.2 環化におけるBaldwin則
 9.3 側鎖の構造特性
 9.4 環の大きさ
 9.5 複素環化合物
10章 対称な二つの官能其を有する化合物の非対称化反応
 10.1 はじめに
 10.2 ジカルボン酸の一置換反応
 10.3 ジオールの一置換反応
 10.4 ジアミンの一置換反応
 10.5 酸性C―H化合物のモノアルキル化
 10.6 ジハロゲン化物の一置換反応

定価:4,950円
(本体4,500円+税10%)
在庫:絶版