内容紹介
ナノスケールの構造体を人間が組み立てる時代のテキストで、世界的名著Quantum Transport by Supriyo Dattaの日本語版。 ナノレベル以下の半導体素子で重要となる量子輸送について工学系の読者に向けて記述。 日本語版では読みやすさに配慮し基礎編、応用編の2分冊とした。 応用編である本書では、基礎編で解説した内容をもとにして量子力学と最新の非平衡統計力学の理論のうちから電気伝導を記述するために必要な部分を凝縮し、非平衡グリーン関数を用いた定式化がなされる。 コヒーレントな輸送理論とインコヒーレントな輸送理論が非平衡グリーン関数により統一的に記述され、線形応答領域だけに限らずに電気伝導現象が解説。
目次
6 サブバンド
6.1 量子井戸,量子細線,量子ドット、ナノチューブ
6.2 状態密度
6.3 細線の最小抵抗
6.4 (サブ)ハンド電子の測度
7 容量
7.1 モデルハミルトニアン
7.2 電子密度と密度行列
7.3 量子的容量と静電容量
7.4 補足:多バンドの有効容量ハミルトニアン
8 線幅
8.1 開いた系
8.2 局所状態密度
8.3 状態の寿命
8.4 電極についての考察
9 コヒーレント輸送
9.1 概略
9.2 密度行列
9.3 流入と流出
9.4 透過関数
9.5 いくつかの例
10 非コヒーレント電子波伝導
10.1 原子が光を日宇出する理由
10.2 いくつかの例
10.3 流入と流出
10.4 捕捉:フォノン
11 原子からトランジスタへ
11.1 量子輸送方程式
11.2 オームの法則の物理
11.3 熱の発生場所
11.4 電位の落ちる場所
12 エピローグ
付録 高度な数式化
A.1 相関関数
A.2 非平衡密度行列
A.3 粒子の流入と流出
A.4 非弾性的な流れ
A.5 クーロン閉塞,近藤効果