内容紹介
わかりにくい量子力学の概念を、数学を使わずに図や写真(人物、実験等)を多用して「目で楽しめるように」簡単に説明するのが本書の主眼である。旧版以来のこの特徴を生かしたまま、その後の発展を盛り込んで大幅に改訂。量子力学に興味をもつすべての読者に新しい視点を提供し、概念的に深い理解を促すに違いない。 基礎的な話題に加え改訂版では、量子トンネル効果の応用、原子冷却、量子ホール効果や、最近注目のナノテクノロジーや量子暗号、量子計算、量子通信にも触れ、最後に量子力学と空想科学についても説明。
目次
1 波動と粒子の対比
科学と実験
光と量子力学
二重スリット実験
2 ハイゼンベルクと不確定性
電子を見る
ハイゼンベルクの不確定性原理
不確定性と写真
ファインマンの量子経路
フラクタル:数学的好奇心
3 シュレーディンガーと物質波
ド・ブローイの物質波
シュレーディンガー方程式
電子と中性子の光学
4 原子と原子核
ラザフォードの有核原子
量子化されたエネルギー準位
水素原子
波動関数と量子数
アトム・トラップと光
5 量子トンネル効果
壁をすりぬける
波動のトンネル効果
量子トンネル効果の応用
核物理学とアルファ崩壊
核反応とアインシュタインの質量―エネルギー関係式
放射能,核分裂と原子爆弾
6 パウリと元素
電子スピンとパウリの排他原理
元素
金属・絶縁体・半導体
トランジスターとマイクロエレクトロニクス
7 量子協力現象と超流動
レーザー光
ボース凝縮と超流動ヘリウム
冷却原子
超伝導
量子ホール効果
8 量子飛躍
マックス・ボルンと量子確率
光子と偏極光
ジョン・ベルとEPRパラドックス
シュレーディンガーの猫
量子力学の多世界解釈
デコヒーレンス
9 量子力学
リチャード・ファインマンとナノテクノロジー
ムーアの法則と量子ドット
量子情報
量子コンピューター
量子テレポーテーションなど
10 星の死
太陽になれなかった星
水素燃焼
赤色巨星と白色矮星
中性子星とブラックホール
11 ファインマン・ルール
ディラックと反粒子
ファインマン図と仮想粒子
零点運動と真空のゆらぎ
ホーキング放射とブラックホール
12 弱光子と強いのり
再び二重スリット実験
素粒子物理学の誕生
弱光子とヒグス真空
クォークとグルーオン
超伝導体・磁気単極子・クォークの閉じ込め
標準模型を超えて
13 あとがき――量子力学と空想科学小説
序:原子と原子核
核エネルギーと空想科学小説の“黄金時代”
ジョンバールポイント,多世界とシュレーディンガーの猫
ナノテクノロジーと量子コンピューター
最後の言葉
エピローグ
付録1 物の大きさ
付録2 シュレーディンガー方程式を解く
用語解説
引用文献
もっと詳しく知りたい読者のために
写真版権
訳者あとがき
索引
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