身近な放射線の知識

身近な放射線の知識

著者名 放射線医学総合研究所
佐々木 康人
発行元 丸善出版
発行年月日 2006年03月
判型 四六 188×128
ページ数 172ページ
ISBN 978-4-621-07709-2
Cコード 0040
NDCコード 539
ジャンル 科学一般

内容紹介

私たちは放射線や放射能とともに生きている。胸部X線撮影や胃のバリウム検査、がんの放射線治療や重粒子線治療等、医療での放射線利用はよく知られている。宇宙や大地、さらに身体の中にある放射性同位元素による放射線からは逃れられない。一方、多量の放射線は身体に害を及ぼす。より快適で健康な生活のために、正しい知識を身につけ、リスクと便益のバランスを判断できるよう、本書では、放射線の受け方、受ける量等による影響を、身のまわりの具体的な話題の中からまとめた。 読者対象は患者とその家族など検査を受ける人や、一般的に健康・医学への関心の高い人であり、専門的知識のない人にもわかりやすく解説。

目次

第1章 放射線の経歴書
 1 放射能の起源
 2 放射線を測る道具
 3 姿を変える放射性物質
 4 ラドン――近年健康への影響が注目
 5 宇宙からの放射線
 6 年代を教えてくれる炭素
 7 人工的に作られる放射線
 8 放射線医学総合研究所の重粒子線治療装置
 9 放射線をあびると物質は放射能をもつのだるか?――誘導放射能と残留放射能
第2章 低いレベルの放射線の世界
 10 身のまわりの放射線
 11 放射線量の単位
 12 地域によって異なる自然放射線
 13 食物の中の放射線
 14 人体の放射線を測る
 15 微量の放射性物質を日常に使う――放射性日用品
 16 航空機搭乗時の被ばく
 17 食品包装ラップの厚さを測る
 18 超微量な放射能を測る
 19 NORMの規制の考え方
第3章 放射線と生命
 20 ジャガイモの発芽防止と放射線
 21 生きた殺虫剤――ウリミバエ
 22 放射線滅菌
 23 放射線による品種改良
 24 放射線によるリスク――広島・長崎の調査から
 25 放射線の環境・生態系への影響、化学物質との比較
 26 劣化ウラン弾の健康影響
 27 放射線と生命の進化
 28 放射線を受けると何が起こるか――放射線障害の種類
 29 放射線の整体への影響を分子レベルで見る
 30 放射線によるDNAの損傷と修復
第4章 低いレベルの放射線の人体への影響
 31 人間は放射線の影響をどのように考えてきただろうか
 32 放射線が人体に与える影響
 33 早期影響と晩発影響
 34 白内障になる、がんになる――被ばく線量からみる影響(確定的影響、確率的影響について)
 35 放射線はわずかな量でも影響があるのか――国際的な大論争
 36 直接過程か“しきい値”があるのか――最近の論争
 37 直接的な証拠はあるか
第5章 放射線と医療
 38 医療ではどんなときに放射線を使うか
 39 画像診断の中心選手――単純X線撮影
 40 人体をスライドして見る!?――X線CT
 41 X線検査を受けるとがんになりやすい?
 42 磁石の力でからだの中を見る――MRI
 43 がん診断に人気のPET
 44 多様な放射性薬剤で存在感のあるSPECT
 45 乳がん発見のスペシャリスト――マンモグラフィー
 46 最も広く普及している放射線治療器――リニアック
 47 二〇一本のビームで治療――ガンマナイフ
 48 ロボットが狙い撃つ――サイバーナイフ
 49 小粒でもぴりりと辛い――小線源治療
 50 がんのみを狙う高度先進治療――粒子線治療
 51 医療で利用される放射線の実際
 52 ランセットのレポートをどう考えるか
 53 診断における医療被ばくを減らすために
 54 放射線治療における放射線量――どのくらいの量か、制限はあるか 

定価:1,430円
(本体1,300円+税10%)
在庫:品切れ・重版未定