内容紹介
統計物理学の枠組みをできるだけ少ない基本概念をもとに、現代的な観点から、統一的に理解できるよう配慮し、学部初年級で学ぶ基本的な量子力学と統計力学についての入門的知識があれば、それ以上の予備知識は必要とせず、学部3年の学生が読み進められるように企図。 物質の根源から要素を組み立て、日常の世界を再構築するための物理学的方法論を学ぶために、ミクロな要素と法則からマクロな世界を再構成する「総合」の手法を解説。 統計物理学の総合的枠組みの理解のもとに物性物理学などの特化した専門書やレビューを読みこなし、原論文を読みながら最先端の研究がはじめられる知識を修得できることをめざした。
目次
1 統計物理学は何をめざすのか?
2 ゆらぎと確率過程
2.1 統計力学の成立
2.2 ブラウン運動
2.3 確率過程
2.4 フォッカー・プランク方程式
2.5 経路積分
3 相転移と非平衡ダイナミックス
3.1 ギンツブルグ・ランダウ自由エネルギー
3.2 空間依存性と平均場近似の臨界指数
3.3 空間的なゆらぎと秩序の破壊、空間構造の発生
3.4 時間構造と非平衡現象の基礎
4 量子統計力学の原理
4.1 経路積分による量子化
4.2 第一量子化による多体系の経路積分の基礎
4.3 第二量子化による多体系の経路積分の基礎
5 線形応答理論 ゆらぎ、応答、緩和
5.1 応答関数、緩和関数、複素感受率
5.2 久保公式
5.3 遥動散逸定理
5.4 分散式
5.5 2時間グリーン関数と温度グリーン関数の関係
5.6 グリーン関数と複素感受率の関係
6 強相関量子系の理論の基礎
6.1 相互作用の経路積分表示
6.2 摂動展開
6.3 平均場近似とゆらぎ
6.4 自己エネルギーと摂動展開
6.5 動的平均場近似
6.6 量子ゆらぎと量子相転移
6.7 経路積分と数値計算法
7 くりこみ群の理論の基礎
7.1 ギンツブルク・ランダウ理論と平均場近似の破綻
7.2 スケーリング則
7.3 カダノフのスケーリング
7.4 くりこみ群
8 おわりに
付録A ウィーナー過程
付録B コヒーレント状態を使った経路積分
付録C ブロッホ・ドミニシスの定理(ウィックの定理)
付録D 電気伝導度と誘電関数
付録E 核磁気共鳴(NMRまたはMRI)
付録F 中性子散乱
付録G マクロな系の散逸と量子力学
出版社からのメッセージ
------------------------------------------
本書は、少部数印刷にて重版が可能です。
在庫僅少の場合でもご注文いただけますので、お問い合わせください。
------------------------------------------
本書は、書籍からスキャナによる読み取りを行い、印刷・製本を行っています。
一部、装丁が異なったり、印刷が不明瞭な場合がございますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。
------------------------------------------