内容紹介
ノーベル経済学賞受賞者アマルティア・セン氏を含む世界的に著名な編者３名による「Handbook of Social Choice and Welware Vol.1」の翻訳書。社会的選択の理論と厚生経済学における過去および現在進行中の研究に関する論文を収録。本分野に関わる専門家必読の書。
目次
序章
１．歴史的背景
２．社会的選択と個人的価値
３．《社会主義経済計画》論争
４．主題の意義と研究の主な系譜
５．主張と否認
ＰａｒｔI アローの不可能性定理
１章 アロー型不可能性定理
１．はじめに
２．定義と枠組み
３．基本的補題とアローの定理
４．パレート基準の緩和
５．推移性の緩和
６．定義域条件の緩和
７．無関連選択肢からの独立性の緩和
８．アローの枠組みの一般化
９．結語的覚書
２章 アロー型投票スキームの諸類型
１．はじめに
２．投票：一般的記述
３．個人的評価と社会的決定の合理性
４．社会的決定ルール
５．関数的投票ルール
６．社会的選択対応
３章 社会選択ルールの定義域の限定
１．はじめに
２．記号の表記と定義
３．離散的な選択肢の有限集合上の集団的選択ルール：除外条件の下での存在
４．アローの社会厚生関数の存在と単純多数決ルールの定義域
５．単純多数決ルールの下で個人の選好の集合上の分布に関する限定条件
６．連続空間における社会的選択
７．結び
ＰａｒｔII 投票スキームとメカニズム
４章 投票手続き
１．はじめに
２．投票者の選好と社会的選択関数
３．二候補者についての投票手続き
４．三人以上の候補者についての投票手続きのイントロダクション
５．ランク付けのない投票と支配される戦略
６．ランク付けのない投票における戦略分析
７．ランク付けのない複数段階投票：逐次消去法
８．コンドルセ選択とランク付けのある投票
９．ランク得点法とボルダ選択
10．得点分配法
11．比例代表制
12．結び
５章 遂行理論
１．はじめに
２．定義
３．ナッシュ遂行
４．完備情報下での遂行：さらなるトピック
５．ベイジアン遂行（Bayesian implementation）
６．結び
６章 費用と余剰の公理的分析
１．はじめに
２．割当て
３．変動収益の分割
４．異質財の算出，または投入
ＰａｒｔIII 社会選択ルールの構造
７章 集団的意思決定の順位付けルール
１．はじめに
２．基本的表記法と定義
３．順位付けを用いる社会的ランキング・ルールと社会的決定ルールの概念
４．アローの条件，単純多数決原理，および順位付けを用いるＳＤＲ
５．ボルダ・ルールの構造
６．得点に基づくルール，支配に基づく得点ルール，および決選手続き
７．結語的覚書
８章 委員会投票についてのゲーム論的分析
１．はじめに
２．相対多数決投票，ボルダ集計法，実現可能消去手続き：いくつかの例
３．基本的な概念
４．委員会の表現
５．歪みがなく整合的な社会選択関数
６．委員会の強い表現
７．後続の議論と一般化
８．結語的覚書
９章 社会的選択としての代議制民主主義
１．導入：立憲的選択
２．「委員会」としての投票者
３．政治家の「委員会」
４．信念を集約する手段としての選挙
５．選挙のリスク受容と経済あるいは政治的困惑
６．結語的覚書
ＰａｒｔIV 厚生、正義および貧困
10章 社会厚生汎関数と個人比較可能性
１．はじめに
２．社会厚生汎関数と関連する諸概念
３．公理とその使用
４．独立性と不変性ベースの特徴付け
５．中立性または不変性の放棄
６．結び
11章 功利主義と正義の理論
１．はじめに
２．社会的評価汎関数
３．厚生主義
４．一般化された功利主義
５．功利主義
６．可変的人工への拡張
７．不確実性
８．結び
12章 不平等，貧困，厚生
１．はじめに
２．序説
３．不平等の測定
４．貧困の測定
５．結び
