内容紹介
90年代のグローバル化は、各国とも民営化・規制撤廃、徹底した行政改革により「小さな政府」の方向を目指す努力が行われた。一方日本は80年代の負の遺産を抱え、構造改革を進められなかったこと、その後90年代にとられた公共投資を中心とする財政による景気刺激策など、行政のリストラをせず借金に依存した歳出増大策を続けてきたこと、根本的には人口減少や生産性の低下など日本経済のポテンシャルが急速に失われている事実を直視していないところに、今日の「衰退」の原因がありすべての問題の出発点があるとする。今後の日本経済は構造改革の進展に依存するというのが著者の基本的主張であるが、財政破綻をきたした国・地方の誤った政策コストを増税という形で国民が負担することになるなど、構造改革には大きな痛みを伴う。ここしばらくは、日本にとってマドリングスルー(泥道をもがき苦しみながら、前進する状態)の時代が続くだろう。
目次
第1章:何処へ行く日本経済
第2章:無策の証明「インフレターゲット論」
第3章:低下する日本の潜在成長率
第4章:成長経済の終焉を象徴する国・地方の財政赤字
第5章:マドリングスルーの時代
第6章:グローバル化と政府の役割の変化
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