内容紹介
最近、注目を集めているナノ力学的原子・分子技術の、はじめての総合的な入門・解説書。最新の研究成果を、図を多用し、平明でわかり易く掲載。専門分野が異なる研究者や、学生の教科書としても使用可能な最先端分野報告書。
目次
1 序論―21世紀の科学と技術
1.1 21世紀初頭はナノテクノロジーナノサイエンスの時代
1.2 21世紀初頭に来る半導体デバイスのミクロ化の壁
1.3 21世紀前半は微細加工微細組立への転換期
1.4 ナノ力学的原子・分子用工具としての原子間力顕微鏡期待
2 力学的ナノ測定の原理
2.1 STM,AFM,SPMの基礎
2.2 非接触AFM・動的な変位検出
2.3 ダンピングの測定方法
2.4 非接触動作とタッピング動作の比較
2.5 正電気力顕微鏡
2.6 磁気力顕微鏡・鋼管相互作用力顕微鏡
2.7 NC-AFM/STM同時測定
2.8 フォースカーブ測定
2.9 非接触原子間力顕微鏡の理論的な基礎
2.10 ナノ力学の分子動力学シミュレーション
3 半導体へのナノ力学的応用
3.1 はじめに
3.2 Si(111)√3×√3-Ag表面の非接触AFM測定(室温)
3.3 水素終端されたSi(100)2×1:H表面の非接触AFM測定
3.4 Si-Sb混在Si(111)5√3×5√3-Sb表面の非接触AFM観察
3.5 Si-Ge混在Si(111)7×7-Ge表面の原子識別
3.6 LT―NC―AFMを用いた力学的な原子の操作
4 半導体のナノ力学的複合測定
4.1 まえがき
4.2 ピエゾ抵抗カンチレバーを利用したNC―AFM装置
4.3 印加電圧によるNC―AFM像の変化
4.4 原子像コントラスト反転の考察
4.5 トンネル電流の同時観察
4.6 ダンピングの同時測定
4.7 まとめ
5 磁性体へのナノ力学応用
5.1 強磁性体深針を用いた反強磁性NiO(001)表面のNC―AFM観察
5.2 重ね焼き法を用いたNC―AFM像の解析
5.3 まとめ
6 分子系へのナノ力学的応用
6.1 はじめに
6.2 有機分子材料の高分解能AFM観察
6.3 静電相互作用とエネルギー散逸
6.4 ダイナミックモードAFMの液体環境への応用
6.5 今後の展開
7 走査型プローブ顕微鏡による有機分子の複合計測
7.1 はじめに
7.2 KPFMによる有機分子薄膜の表面電位測定
7.3 まとめ
8 生体高分子ナノ力学
8.1 生体高分子の力学特性
8.2 AFMによる力学特性測定法
8.3 力学特性測定結果とその意義
8.4 将来への展望
9 自励発振法を用いた液中観察用原子間力顕微鏡
9.1 まえがき
9.2 自励発振法を用いたAFM
9.3 カンチレバーの共振特性
9.4 自励発振特性
9.5 液中観察像
9.6 自励発振の必要条件
9.7 むすび
10 半導体を中心としたナノ力学的理論
10.1 はじめに
10.2 非接触AFM像の第一原理シミュレーション法
10.3 Si(111)√3×√3-Ag表面
10.4 Si(100)2×1表面
10.5 Si(100)2×1:H表面
10.6 探針に吸着した原子の位置ゆらぎ
10.7 おわりに
11 バイオ高分子のナノ力学理論
11.1 計算
11.2 フォースカーブ
11.3 ポリアラニンの構造変化