内容紹介
「天災は忘れた頃にやってくる」という名言を残した著者。専問とする地震学の知識をもとに、日本人の地震への関わりを考えた風土論である。文章は朗読するに限る。声に出して読む。そのため、すべての漢字にふり仮名(総ルビ)をふった。文章をひたすら繰り返し読む。1話1冊の体裁を採った。内容は「旅とふるさと」。日本人の地震との関わりは長い。地震には、厳父としてのきびしさと、慈母としてのやさしさの二つの様相をもつ。その繰り返しの年月の中に独得の心性を育てた。最たるものが「天然の無常」である。日本人の心情の根幹に迫る文。