数学の創造者

数学の創造者

ユークリッド原論の数学
原書名 Euclid-The Creation of Mathematics
著者名 大矢 建正
発行元 丸善出版
発行年月日 2012年08月
判型 A5 210×148
ページ数 328ページ
ISBN 978-4-621-06450-4
Cコード 3041
ジャンル 数学・統計学

内容紹介

2000年以上前にユークリッドが著書『原論』によって確立した数学の方法やスタイルは今日に至るまで数学の標準でありつづけてきた。本書はユークリッドの『原論』を、現代的な用語を使ってわかりやすく解説。数学が誕生した頃に著された最も重要な古典の記述に従い、初等的な幾何や算術を通じて数学的な考え方やその特質に触れることができる。また『原論』の時代の前後のギリシア・ヨーロッパにおける数学の発展の歴史の記述も興味深い。本書は数学を愛する人々、そしてこれから数学を好きになりたいすべての人々のための書。

目次

第1章 ギリシア史概観
第2章 『原論』の内容
 2.1 第I巻:平面幾何の基礎
 2.2 第II巻:長方形の幾何学
 2.3 第III時間:円の幾何学
 2.4 第IV巻:円に内設する正多角形
 2.5 第V巻:比例量の理論
 2.6 第VI巻:相似な平面図形
 2.7 第VII巻:基本的算術
 2.8 第VIII巻:連比例の数列
 2.9 第IX巻:連比例の数列,偶数と奇数の理論,完全数
 2.10 第X巻:通約不能な線分
 2.11 第XI巻:空間幾何の基礎
 2.12 第XII巻:面積と体積,エウドクソスの取り尽くし法
 2.13 第XIII巻:プラトンの招待 
第3章 数学の起源1 エウデモスの論評
第4章 ユークリッド第I巻 幾何学の基礎
 4.1 第I巻の構成
 4.2 定義と公理
 4.3 第I巻,パートA:基礎
 4.4 第I巻,パートB:平行線の理論
 4.5 第I巻,パートC:平行四辺形とその面積
 4.6 第I巻,パートD:ピタゴラスの定理
第5章 数学の起源2 平行線と公理 
第6章 数学の起源3 サモスのピタゴラス
第7章 ユークリッド第II巻 長方形の幾何学
第8章 数学の起源4 円積問題
第9章 ユークリッド第III巻 円について
 9.1 第III巻の構成
 9.2 第III巻の定義
 9.3 第III巻,パートA:円の弦,互いに交わる円,互いに接する円
 9.4 第III巻,パートB:接線
 9.5 第III巻,パートC1:弓形内の角
 9.6 第III巻,パートC2:弦,弧,角
 9.7 第III巻,パートC3:弓形内の角のつづき
 9.8 第III巻,パートD:交わっている弦,割線,接線
第10章 数学の起源5 問題と理論
第11章 ユークリッド第IV巻 正多角形
 11.1 第IV巻の内容
 11.2 正五角形
 11.3 五角形についての考察
第12章 数学の起源6 厳密性の誕生
第13章 数学の起源7 ユークリッド以後の多角形
 13.1 第IV巻で見落としたこと
 13.2 ユークリッドが知っていたこと
 13.3 アルキメデスがしたこと
 13.4 ガウスが示したこと
 13.5 ガウスが示した方法
 13.6 説話の教訓
 13.7 プロティノスに言わせると
第14章 ユークリッドV巻 比例論
 14.1 数学以外での比例
 14.2 第V巻全般の注釈
 14.3 比例の現代的表現
 14.4 第V巻の定義
 14.5 第V巻の命題
第15章 ユークリッドVI巻 相似幾何学
 15.1 第VI巻の構成
 15.2 相似幾何学の基礎
 15.3 相似幾何学の基本定理
 15.4 第VI巻,パートC :比例と面積(積)
 15.5 第VI巻,パートD:相似な直線図形
 15.6 第VI巻,パートE:面積の割り当て
第16章 数学の起源8 賢明に、一般化
 16.1 結論の拡張
 16.2 前提条件の緩和
 16.3 抽象化
 16.4 ピタゴラスの定理の場合
 16.5 プトレマイオスの一般化
 16.6 抽象化についてのマルセル・プルースト
第17章 ユークリッド第VII巻 算術
 17.1 歴史的背景
 17.2 第VII巻の構成
 17.3 定義
 17.4 第VII巻,パートA:ユークリッドのアルゴリズム
 17.5 第VII巻,パートBとC:数の比例
 17.6 第VII巻,パートD:比と積
 17.7 第VII巻,パートE:最大公約数と素因数
 17.8 第VII巻,パートF:最小公倍数
第18章 数学の起源9 ニコマコスとディオファントス
 18.1 ニコマコス:『算術入門』
 18.2 ディオファントス:『算術』
第19章 ユークリッド第VIII巻 連比例の数列、数の幾何
 19.1 第VIII〜IX巻の構成
 19.2 第VIII巻,パートA:連比例の数列
 19.3 第VIII巻,パートB:数の幾何
第20章 数学の起源10 道具と定理
第21章 ユークリッド第IX巻 算術の他の話題
 21.1 第IX巻,パートB,C,D,E:連比例の数列について続き
 21.2 第IX巻,パートF:素数の個数
 21.3 第IX巻,パートG:奇数と偶数,完全数
第22章 数学の起源11 数学は美しい
第23章 ユークリッド第X巻 通約不能な量
 23.1 通約可能性と他の概念との関係
第24章 数学の起源12 通約不能性と無理性
 24.1 算術的証明:正方形
 24.2 算術的証明:正五角形
 24.3 幾何学的証明:正方形
 24.4 幾何学的証明:正五角形
 24.5 キレネの数学者テオドロス
 24.6 アテナイのテアイテトス
 24.7 要約
第25章 ユークリッド第XI巻 立体幾何学
 25.1 第XI巻の構成
 25.2 第XI巻の定義
 25.3 立体幾何学の基礎
 25.4 第I巻と第XI巻の類似性
 25.5 立方体の倍積問題
第26章 数学の起源13 定義の役割
第27章 ユークリッド第XII巻 極限による求積
 27.1 第XII巻の構成
 27.2 円
 27.3 角錐
 27.4 円柱,円錐,球
第28章 数学の起源14 無限馴らし
第29章 ユークリッド第XIII巻 正多面体
 29.1 第XIII巻の構成
 29.2 外中比分割と五角形
 29.3 十角形
 29.4 正多面体
 29.5 正多面体の分類
第30章 数学の起源15 永遠の均整美
 30.1 自然界
 30.2 美術
 30.3 哲学
 30.4 数学
第31章 数学の起源16 『原論』の起源

出版社からのメッセージ

本書は、2002年11月にシュプリンガー・ジャパン株式会社より出版された同名書籍を再出版したものです。
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本書は、書籍からスキャナによる読み取りを行い、印刷・製本を行っています。
一部、装丁が異なったり、印刷が不明瞭な場合がございますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。
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定価:3,520円
(本体3,200円+税10%)
在庫:絶版