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『Earth for All 万人のための地球』への推薦のことば

 


『Earth for All 万人のための地球
『成長の限界』から50年 ローマクラブ新レポート』

原書名:Earth for All : A Survival Guide for Humanity : A Report to the Club of Rome (2022),
Fifty Years After The Limits to growth (1972)


原著者
Sandrine Dixson-Declève
Owen Gaffney
Jayati Ghosh
Jørgen Randers
Johan Rockström
Per Espen Stoknes

武内 和彦 監訳  ローマクラブ日本 監修
森 秀行・高橋 康夫ほか 訳

A5判・240頁 定価2,640円 丸善出版 発行 2022年11月下旬発売

 

 

 

  

 

 

推薦のことば 

日本語翻訳版出版にあたって(順不同)

 


 

本書の特徴は、従来のGDPを基準とした成長指標から脱却し、ウェルビーイングと社会的緊張という二つの指標を基準としたシナリオ分析をもとに、貧困・不平等といった人類の抱える根本的な問題を克服し、同時に気候変動と環境破壊から地球を救う、5 つの「劇的な方向転換(extraordinary turnarounds)」の具体的な方法を提案している点にある。人類全体が直面する様々な危機を乗り越えるために、我々市民を含む、幅広いステークホルダーによる協働と支援が必要となっている現在だからこそ、多くの人に手に取っていただきたい良書である。

 

石井 菜穂子

東京大学理事、未来ビジョン研究センター教授、
グローバル・コモンズ・センター ダイレクター

 


 

人類と地球の危機はもはや待ったなしの段階を迎えている。新型コロナウイルスとロシアのウクライナへの軍事侵攻によってさらに緊急度は増した。本書は世界の最先端を走る科学者と経済学者による『変革のための経済学委員会』の助言に基づき、ウェルビーイングと社会的緊張という2つの指標を使って小さすぎて手遅れになるシナリオと大きな飛躍をするシナリオを示す。その上で、地球の限界内で大きな飛躍につながる劇的な方向転換をするための5つの有効な対策を緊急提言する。複雑に絡み合うSDGsと環境問題は同時に解決へ導く必要がある。政策だけでなく、あらゆる人にとって暮らしを見直す処方箋が提示されている。

 

山極 壽一

総合地球環境学研究所所長

 


 

『成長の限界(ローマクラブ著) 』が、人類の未来に警鐘を鳴らしてから半世紀が過ぎたが、いまだ問題の根本的な解決には至っていない。本書は、危機の本質を鋭くとらえ、グローバルな視点から根本的解決のための大胆かつ斬新な提言を示すことで、持続可能な未来に向けて、社会課題解決に取り組むすべての人々に多くの示唆を与えてくれる。長年、日本を含むアジア太平洋地域において、大胆な変革を促す政策研究を推進してきたIGESが、本書をわかりやすく翻訳していただいたことに感謝を申し上げるとともに、本書が、変革の推進力となるべき経済界をはじめ、各方面で広く読まれることを期待したい。

 

西澤 敬二

損害保険ジャパン株式会社 取締役会長

 


 

 

 

 


その他、原著についても、各国から多くのコメント・推薦文が寄せられました。

 

 

 

本書が明確に示しているのは、地球に住む人類の未来は、社会経済的な不平等を徹底的に是正し、富と権力をより公平に分配できるかにかかっているということだ。「万人のための地球」が実現する社会に向けた、私たちの長い旅に欠かせない一冊である。

トマ・ピケティ

『21世紀の資本』『A Brief History of Equality』著者

 


 

終わりのない成長の時代から、バランスよく繁栄する時代へとシフトする時が来た。この示唆に富む分析はそのための5つの重要な方向転換を示しており、それぞれがさらなる議論と行動を促す喫緊の課題を提起している。本書を読んで、人類の未来の可能性を探り、現代における最も重要な議論に参加してほしい。


ケイト・ラワース

『ドーナツ経済』著者


 
素晴らしい協働作業により作成されたこの息をのむような作品は、私たちの心と能力を結集すれば、万人にとってより良い世界を構築できるという証拠を、今一度世界に提供している。代替案が悲惨な地球ということであれば、繁栄する地球という選択をするしかないであろう。


マティース・ワケナゲル

グローバル・フットプリント・ネットワーク創設者
『エコロジカル・フットプリント:地球環境持続のための実践プランニング・ツール』共著者


 
もし私たちが1972年の『成長の限界』にもっと注意を向けていたら、現在とは違う状況になっていたであろう。本書のモデルが明らかにしているように、この10年間は、少なくともいくらかは正しい行動をとる最後にして最大の希望なのかもしれない。


ビル・マッキベン

『自然の終焉:環境破壊の現在と近未来』著者


 
システム科学によりここに描かれた人類の未来のシナリオは、最も注意深く行われた緊急かつ最新の研究成果であり、地球の崩壊を阻止しようとする者にとって必読の書である。しかし、本書の提言が世界中の政策決定者に受け入れられ、21世紀の残された時間で、世界規模の生態的、経済的、社会的な崩壊を回避できるかどうかは、私たち次第である。


リチャード・ハインバーグ

ポストカーボン研究所 上級研究者
『Power: Limits and Prospects for Human Survival』著者


 
特別な時代における特別な一冊。現在および将来のリーダーたちにとって、『万人のための地球』は必読の書である。本書は、限りある地球上で、どの国においてもすべての人にウェルビーイングを確保する方法について、具体的かつ画期的なビジョンを示している。今後10年間で、持続可能な開発目標(SDGs)の実現を加速させるためのロードマップである「5つの方向転換」を実施すれば、私たちは真に公平な世界をともに築くことができる。本書が、かけがえのない人類を救済しようとする心と魂の新たなムーブメントを呼び起こすことを願っている。


パン・ギムン(潘基文)

第8代国連事務総長
エルダーズ 副代表


 
『万人のための地球』で探求されたアイデアは、世界中のすべての議会において議論されるべきものである。私たちは、利益よりも人類を優先するように経済を変えていく必要がある。気候危機が世界中の貧しく脆弱なコミュニティに与えている損失と損害に対して、富裕層や汚染者は自らの責任分を支払う必要がある。すべての人にとって公平で公正な世界を築くべき時はとうに到来している。


ヴァネッサ・ナカテ

環境活動家
アフリカを拠点とする「Rise Up Movement」創設者


 
本書は、人類史上最も重大な10年に人類が直面している、まさにその時に届けられた。今、私たちが何をするかにより、守るべき未来があるかどうかが決まる。私たちが生き残るためには、直面している現在の様々な危機が互いに関連していることを理解する必要がある。『万人のための地球』はこの理解をもとに、利益や成長ではなく、人々と地球のウェルビーイングを第一に考える道を提示している。


クミ・ナイドゥ

「Africans Rising for Justice, Peace, and Dignity」グローバルアンバサダー


 
現在の経済モデルを守ろうとする人間の行動は、これまで以上に地球を破壊し、貧困、不平等、排除を生み、健康リスクに効果的に対応できず、紛争を煽っている。つまり、私たちの仕事やミュニティ、そして共通の安全を脅かしているのである。『万人のための地球』は、人々と地球を中心とした共通の未来のために、今世紀を生き抜くための行動を呼びかけるものである。これは無視できないロードマップなのである。


シャラン・バロウ

国際労働組合総連合(ITUC)書記長


 
『万人のための地球』は、現在も続く社会全体の成長への依存を乗りこえ、持続可能でかつウェルビーイングを確保する未来への道筋を描いている。私たちは今、かつてないほどそれを必要としている。


ロバート・コスタンザ

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL) グローバル繁栄研究所(IGP) 生態経済学 教授


 
「料理人」が多いと料理がまずくなると言うが、本書の場合は、「シェフ」なので話は別である。多くの執筆者によって書かれた『万人のための地球』は、非常に満足度の高い思考の糧と、行動に必要なカロリーの高い燃料の両方を提供している。「小出し手遅れ」と「大きな飛躍」という2つのシナリオは、読者が直面している現実を直視する助けとなっている。また、変化のためのレシピの提案は、未来を重視し、すべての人にとってより良い社会を追求する準備がある私たちの指針となるものである。


ジョン・エルキントン

ヴォランズ 創業者兼チーフポーリネーター
『Green Swans: The Coming Boom In Regenerative Capitalism』著者


 
1972年に発表された『成長の限界』の中で織り込まれたリスクを軽減するために、その後50年間、私たちは全体として何の行動もしてこなかった。『万人のための地球』は、その遅れを取り戻すための作戦帳である。ただし、今回は、50年という時間はない。5つの重要な方向転換に急いで取り組む時間はせいぜい10年しかない。世界が求めている、システムを変えるようなリーダーにあなたや私がなるためには、この5つをロードマップとすることから始めなければならない。これらを緊急のTo Doリストに加える必要がある。


エマニュエル・ファベール

Earth4All メンバー
21世紀変革のための経済学委員会


 
世界が直面する複数の危機を検証し、現実的な解決策を提示するというのは、非常に野心的な仕事である。本書で提示されている解決策は、機能不全なシステムの恩恵を受けている人々にとっては困難なものかもしれない。しかし、地球には限界があり、行動しなければ非常に高い対価を払うことになるのは事実である。今すぐ行動を起こすか、制御不能な混乱に直面するかのどちらかなのである。世界のリーダーは、必要なことをすべて行うのは不可能であると主張するかもしれないが、もし本書を読んで何もしないのであれば非常に残念なことである。


ニモ・バッセイ

『To Cook a Continent: Destructive Extraction and the Climate Crisis in Africa』著者


 
タイムリーかつ素晴らしい本。『万人のための地球』は、惑星としての「地球」を守りながら経済を変革し、貧困を克服するための具体的なロードマップを描いている。草の根グループや各国の指導者の両方にインスピレーションを与える一冊である。私たちにこの声は届いているだろうか? そして私たちは本当にこの変化を起こせるのだろうか?


シーラ・パテル

ムンバイ Society for Promotion of Area Resource Centres(SPARC)
創設者兼ディレクター


 
『万人のための地球』は、地球と人々が直面している課題を克服するために必要となる方向転換の方法を示している。全力を尽くして変革のムーブメントに参加したい、そのような人にとって必読の書である。


ケイト・ピケット

ヨーク大学 疫学教授


 
『成長の限界』から50年、『万人のための地球』は地球上のすべての人のために豊かな未来を築くことは可能であるとし、その方法を示している。本書は、政策立案者やリーダーにとってまさに必読の書である。この10年が、地球は本当に万人のものであるべきだということを理解する、決定的な年になることを願っている。


ジャネス・ポトクニック

元欧州委員会環境担当委員
元スロベニア欧州担当大臣
国連環境計画国際資源パネル(UNEP-IRP)共同議長


 
『万人のための地球』は、限りある地球上のすべての人にとって実現可能で豊かな未来に向けた、特別で歴史的かつ画期的なガイドである。私の一番の推薦書である。ぜひ本書を読んで、共有し、そして議論してほしい。


デビッド・コーテン

『グローバル経済という怪物:人間不在の世界から市民社会の復権へ』
『ポスト大企業の世界: 貨幣中心の市場経済から人間中心の社会へ』
『Change the Story, Change the Future: A Living Economy for a Living Earth』著者


 
私は、『成長の限界』をいつも手の届くところに置いている。これからは、『万人のための地球』も一緒に置いておこうと思う。「よき祖先でありたい」と願うすべての人にとって、欠かせないガイドブックである。


ローマン・クルツナリック

『グッド・アンセスター: わたしたちは「よき祖先」になれるか』著者


 
私たちの未来について、理想郷でも崩壊でもなく、政治的党派を超えて支持できるナラティブを、私たちは初めて手に入れた。それは、志の高い未来であり、すべての人にとって住みやすい未来についてのものである。最も重要なのは、それは達成可能だということだ。


カルロタ・ペレス

『Technological Revolutions and Financial Capital』著者


 
不公平で持続可能でない消費パターンが引き起こす多くの環境問題は、ますます人類の健康を脅かしている。『万人のための地球』が提案する経済変革は、すべての人の健康の実現を支持し、世界中の社会がプラネタリーバウンダリーの範囲内で繁栄する可能性を提供している。未来を憂慮するすべての人が読むべき一冊である。


アンディ・ヘインズ

ロンドン大学衛生熱帯医学大学院 環境変動学及び公衆衛生学 教授


 
必要とされる深い文化的・精神的な大変革や、そのために役立つ多元的な世界像については不思議と沈黙しているものの、著者が提案する大きな飛躍のシナリオの5つの柱である貧困、不平等、ジェンダー、食料、そしてエネルギーの転換は、私たち自身と地球との平和のために必要な根本的変革に不可欠なものである。


アシッシュ・コタリ

カルパブリクシュ及びグローバル・タペストリー・オブ・オルタナティブズ
『Pluriverse』共同編集者


 
将来を展望した『成長の限界』の出版から50年、ローマクラブのこの新しい報告書は、気候の大惨事を避け、すべての人にとってより良い社会を築くために、今ここで社会経済を変革する、そのための最も説得力があり、かつ実践的な青写真を提供している。


ロレンツォ・フィオラモンティ

『The World After GDP: Economics, Politics and International Relations in the Post-Growth Era』著者、イタリア議会議員


 
『万人のための地球』は、不平等と貧困との闘いが、気候変動を食い止め地球を守るための前提条件であることを明確に示している。本書は、世界中のすべての政府に対して、経済システムのアップグレードを求めるものである。必読の書である。


ジェーン・カブボ=マリアラ

アフリカ生態経済学会 会長


 
『万人のための地球』は、人類と自然が調和し、経済システムの中核にウェルビーイングが存在する未来へのビジョンを示している。また、そこに至るために必要なアクションも提示している。本書は、政策立案者にとって必読の書である。


エルンスト・フォン・ヴァイツゼッカー

ローマクラブ名誉会長


 
生態系の崩壊を回避する上で、歴史上今しかないこの決定的な瞬間は、人類と生態系がともに繁栄する目的を、人類が再び発見する重要な機会でもある。『万人のための地球』は、そのために私たちは、どこからどのように始めるべきかを教えてくれる。


ガヤ・ハリントン

シュナイダーエレクトリック社 ESGリサーチ担当バイスプレジデント


 
「何が良い投資なのか」、「何が社会にとって良いことなのか」の違いを見極めるのは難しい。『万人のための地球』は、結果を求める投資家にとって必読の書であり、新しい強力なフレームワークを提供している。


ダグ・ヘスク

Newday Impact Investing創設者


 
これは、厳密に統合された思考の結果であり、私たちの時代の課題に答えてくれる信頼できる作品である。『万人のための地球』は、繁栄する自然システムと再生型農業モデルに支えられた、包括的でクリーンな新しい経済の達成に向けた科学的に検証された道筋を描いている。すべての政策立案者が採用すべきものである。


チャールズ・アンダーソン

国連環境計画・金融イニシアティブ 元ディレクター
CO2eco 会長


 
頑固な楽観主義と固定化された悲観主義。長期的なビジョンと短期的な反応。集団的知性と個人主義。人間のウェルビーイングと衝動的な消費。未来を大切にすることと未来を割り引くこと。住みやすい地球と不安定な地球。豊かな共通の未来のために、私たちが取るべき選択肢は明確である。機能不全の社会経済モデルの不均衡を是正するために行動を起こすことが急務となっている。しかし、必要なシステムの変革をどのように明確化するか、それに伴う複雑さをどのように管理するか、すべての関係者をどのように建設的に巻き込むか、さまざまな関係者の動きをどのように関連付けるか、戦略的変革の優先順位をどうするか、結果をどう測定するか、そしてリスクをどう予測し軽減するかなど……明確にすべきことが山積している。そしてここで 『万人のための地球』が救いとなる。これは、現代の最も著名な思想家、科学者、経済学者による、ポジティブな変革に対する信頼に値する提案である。それは、公正な世界と健全な地球を実現するという、私たちの世代が直面する課題に対する見方を変える「再調整されたレンズ」である。そして、それは課題を探求し、深く掘り下げ、インスピレーションを得るための新たな「地図」である。私たちの未来を大切にする政策立案者はもちろん、企業のリーダー、責任ある投資家、そして世界中の一般市民にとって必読の書である。『万人のための地球』は共通の利益のために、社会的・政治的変化をもたらす行動と運動を呼びかけている。『万人のための地球』は、『成長の限界』のレガシーに触発されているが、それをはるかに超えるものである。本書は、私たちの多くが待ち望む未来へと飛躍するガイドである。これは、私たちの時代の物語であり、見過ごすことのできない物語なのである。


テレサ・リベラ

スペイン政府 副首相兼環境移行・人口問題大臣


 
時宜を得た重要な本である。人類の共有の未来の改善に向けた大きな貢献である。


ジョウ・ジンフェン(周晋峰)

中国生物多様性保護及び緑色発展基金会 事務局長


 
『万人のための地球』 は、グローバルかつローカルな行動に基づく、実現可能な未来へのビジョンである。私たちは、本書が誠実で率直な対話のきっかけとなり、世界中の人々が自分たちの社会を再設計する一助となることを願っている。


チャンドラン・ナイ―ル

『Dismantling Global White Privilege: Equity for a Post-Western World』著者


 

 

 

 

 

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