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画像 オワンクラゲ 【本文4ページ】

 

山形県鶴岡市立加茂水族館において展示されているオワンクラゲ(著者撮影)。傘の部分が青緑色に発光しています。下村 脩 博士は、1961年夏バンクーバー島南端に近いワシントン大学フライデーハーバー研究所へ家族総出で出かけました。下村博士一家は、フライデーハーバー研究所の目の前に広がる湾でオワンクラゲを約1万匹採集しました。その後、オワンクラゲの発光する細胞(以下、発光細胞)が存在する傘の部分だけを切り出し、そこから発光物質を抽出しました。発光物質をニュージャージー州のプリンストンへ持ち帰り、さらに精製をしました。その結果、精製物の中には、発光物質であるイクオリンと緑色蛍光タンパク質(green fluorescent protein:GFP)が含まれていたのです。

イクオリンは、カルシウムイオンに反応して「青白く」光ります。実は、オワンクラゲが興奮すると、発光細胞に海水が流入します。海水中にはカルシウムイオンが含まれています。その結果、イクオリンが青白く発光します。しかし、オワンクラゲは青白くではなく、青緑色に光ります。ここにはトリックがあるのです。実は、発光細胞の中にはイクオリンとGFPが存在しています。イクオリンが放つ青白い光のエネルギーをGFPは吸収して、緑色蛍光を放つのです。

 

 

動画1 溶液中の通常のDNAの様子 【本文103ページ】

(動画はこちらをクリック → p103-Lamda-DNA-before.gif※zipファイル・要パスワード

細菌に感染するウイルスであるバクテリオファージは、遺伝情報として2本鎖DNAを持っています。このファージが細菌に感染すると、細菌の細胞膜が破壊されるため、細菌が溶けてなくなるような溶菌が起こります。このバクテリオファージの持つDNAのことをλDNAと呼びますが、このλDNAを蛍光色素で染色し、1つの光の粒を観察できる特殊な蛍光顕微鏡で、溶液中のλDNAの様子を撮影しました。すると、小さい白い輝点が多数観察されました。このように、λDNAは、通常は、輪ゴムをくしゃくしゃにしたように小さくまとまっています。

 

 

動画2 電気泳動中のDNAの様子 【本文103ページ】

(動画はこちらをクリック → p103-lamda-DNA-after.gif※zipファイル・要パスワード

DNAには、リン酸が含まれているため、溶液中では負(マイナス)に帯電しています。そこで、溶液に電流を流すと、DNAは、正(プラス)の方向へと移動します。このような方法を電気泳動と呼びます。そこで、先ほどの顕微鏡の上で電気泳動をしてみました。すると、小さい白い輝点が、旗がなびくように長く伸びる様子が観察されました。ちょうど、くしゃくしゃに小さくまとまっていた輪ゴムが引き延ばされて長くなっているような感じです。このように電気泳動によってDNAを引き延ばすことができるのです。

 

 

動画3 ホルモン(GLP-1)分泌の様子 【本文188ページ】

(動画はこちらをクリック → GLP-1.gif※zipファイル・要パスワード

小腸のホルモンを分泌する内分泌細胞の1つであるL細胞は、消化管ホルモンの一種であるグルカゴン様ペプチド-1(glucagon like peptide-1:GLP-1)を分泌します。このGLP-1は、膵臓のβ細胞に作用して、インスリンの分泌を促して血糖を下げたり、迷走神経を介して脳に作用して、食欲を抑制します。このGLP-1が含まれている分泌顆粒をGFPで人工的に光るようにしたものが、この動画のL細胞です。1つひとつの蛍光輝点は、GLP-1が貯蔵されている顆粒です。このL細胞に栄養素(この動画の場合はアミノ酸の一種であるグルタミン)を投与した際、細胞からGLP-1がどのように分泌されるのかを、分泌反応の観察に特化した特殊な顕微鏡を用いて撮影しました。この細胞にグルタミンを投与して約3秒後に、GLP-1が貯蔵されている顆粒が突然花火のように明るくなって消える反応が多数観察されました。この反応の1つひとつが、ホルモンの分泌反応です。つまりみなさんが食事をした後、小腸の内分泌細胞では、このような感じで消化管ホルモンを分泌しているのです。

 

 

動画4 ホルモン(インスリン)分泌の様子 【本文188ページ】

(動画はこちらをクリック → Insulin.gif※zipファイル・要パスワード

膵β細胞は、血中グルコース濃度の上昇を感知してインスリンを分泌します。このインスリンは、細胞に作用して、細胞内にグルコースを取り込ませます。その結果、血中グルコース濃度が低下します。このインスリンをGFPで人工的に光るようにしたものが、この動画の膵β細胞です。1つひとつの蛍光輝点が、インスリンが貯蔵されている顆粒です。この膵β細胞にグルコースを投与した際、細胞からインスリンがどのように分泌されるのかを、分泌反応の観察に特化した特殊な顕微鏡を用いて撮影しました。この細胞にグルコースを投与して約4秒後に、インスリンが貯蔵されている顆粒が突然花火のように明るくなって消える反応が多数観察されました。この反応の1つひとつが、インスリンの分泌反応です。つまりみなさんが食事をした後、血糖値が上昇すると、膵β細胞は、動画のようにインスリンを分泌しているのです。

 

 

動画5 神経細胞の物質輸送のようす 【本文237ページ】

(動画はこちらをクリック → p237-neuron-VEC-DIC.gif※zipファイル・要パスワード

神経細胞の中では、神経終末や樹状突起などの部位で必要なさまざまな物質の輸送が行われています。この輸送がおかしくなると、神経細胞が死んでしまい、さまざまな病気を引き起こします。たとえば、認知症やパーキンソン病などはその一例です。

この動画は、ラットの大脳皮質神経細胞です。この神経細胞がどのようにして物質を輸送するのかを、神経細胞に障害を与えることなく無染色で観察できる特殊な顕微鏡を用いて撮影しました。すると、小さい顆粒が上から下、あるいは下から上へと輸送されている様子が観察されました。つまりみなさんの神経細胞では、このような物質輸送が絶えず行われているのです。

 

 

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