内容紹介
縄文時代から現代の漆器産業まで漆・漆器のすべてが分かる漆百科。現在漆器といわれるものの大半は合成樹脂であり、プラスチックや木粉を固めたものが多い。本書はこうした現状を初めて審らかにし、それらが工芸品に使われることをむしろ肯定するが、情報を公開し漆と峻別すべきであり、それなくしては漆器産業の再生はありえないと説く。
目次
I 漆の強さ・美しさ
一 漆・漆器に親しむ
二 漆とは
三 漆器とは
II 漆・漆工芸のあゆみ
一 九〇〇〇年前の縄文に始まる漆利用の歴史
二 漆器産業の成立と発展
III 漆・漆器産業と化学工業
一 明治維新と漆・漆器産業
二 近代化学工業の導入と漆・漆器産業
三 石油化学工業の発展と漆器産業の変貌
四 伝産法体制下の漆器産業
IV ヨーロッパと漆・漆器
一 塗料の歴史と漆への憧れ
二 日本の漆器を大量に輸入したヨーロッパ
V 漆・漆器産業の現状と将来
一 漆・漆器産業の現状
二 環境問題と漆・漆器産業の将来
三 改めて漆を学び・漆に学ぶ
付録 主要二三漆器産地の概要と特徴