「日本人の日本語」を考える

「日本人の日本語」を考える

プレイン・ランゲージをめぐって
著者名 庵 功雄 編著
発行元 丸善出版
発行年月日 2022年11月
判型 A5 210×148
ページ数 260ページ
ISBN 978-4-621-30764-9
Cコード 3081
NDCコード 810
ジャンル 人文科学 >  社会学
論文・語学 >  語学

内容紹介

専門家と非専門家のコミュニケーション、行政、マスコミ、ビジネス、医療、介護、国語教育等で求められる日本語、さらには英語等における「わかりやすいことば」の国際事例を取り上げ、これからの日本社会にとっての日本語の姿を考察する。

欧米では1970年代頃から、読みやすい文章(プレイン・ランゲージ)が求められ、日本社会においてもプレイン・ジャパニーズともいうべき「やさしい日本語」が求められはじめている。「誰が読んでも同じ解釈になる」ことを目的としていて、例えば医療現場では、インフォームドコンセントが重視され、的確に患者や家族に医療情報を伝える必要があるし、また、裁判員裁判開始で、専門家と非専門家が共に審議する公判手続等の現場では、専門用語を含む司法特有の表現に変化が出てきているという。

このような、日本語母語話者にとっての日本語の課題と変化を解説し、誰もが平等に理解し行動できる社会を志向する一冊である。

目次

第I部 プレイン・ランゲージ(わかりやすいことば)とは
1章 日本語母語話者にとっての「やさしい日本語」:プレイン・ジャパニーズ (庵 功雄)
2章 海外の動向ープレイン・ランゲージをめぐって (浅井 満知子)

第II部 日本語母語話者の日本語の問題
3章 現代文から見た日本語母語話者の日本語の問題 (小池 陽慈)
4章 ビジネスにおけることばの問題 (石黒 圭)
5章 企業社内文書における「わかりにくさ」の背景―企業におけるプレインジャパニーズの課題 (野副 友彦)
6章 韓国における公共言語と公共言語政策 (趙兌麟(チョ・テーリン)

第III部 専門家ー非専門家のコミュニケーション:わかりやすいことばと社会
7章 医療におけることばの問題 (天野 雅之)
8章 介護におけることばの問題 (三枝 令子)
9章 司法におけることばの問題―放送メディアと裁判用語 (清永 聡)
10章 行政におけることばの問題 (岩田 一成)
11章 定着していない外来語への対応―「『外来語』言い換え提案」で取り上げられた語の新聞での使用実態の分析 (田中 牧郎)

第IV部 ことばと教育
12章 国語教育から見たことばの問題 (森 篤嗣)
13章 「やさしい日本語」を支える「マインド」とその育成 (宇佐美 洋)

第V部 プレインさの光と影
14章 マスメディアにおけることばの問題 (井上 裕之)
15章 政治家のことば:プレインさとポピュリズム (真鍋 弘樹)
16章 メディアリテラシーから見たことばの問題 (名嶋 義直)

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