天文学者とめぐる宮沢賢治の宇宙

天文学者とめぐる宮沢賢治の宇宙

イーハトーブから見上げた夜空
著者名 谷口 義明
渡部 潤一
畑 英利
発行元 丸善出版
発行年月日 2022年08月
判型 四六 188×128
ページ数 242ページ
ISBN 978-4-621-30734-2
Cコード 1044
NDCコード 440
ジャンル 天文・地学 >  天文一般

内容紹介

宮沢賢治(1896-1933)は日本を代表する詩人・童話作家の一人で、岩手県花巻市に生まれ、わずか37年の生涯の中で膨大な短歌と詩、童話を書き残した。幼い頃から鉱物や植物の採集に興味を持ち、地質の調査に取り組み、教師や農業指導者としての一面を持っていたため、彼の作品には科学知識が随所に盛り込まれている。代表作『銀河鉄道の夜』はいまから100年前に書かれたものながら、18世紀末頃に確率された「現代天文学」で理解できる部分も多いという。

アインシュタインが一般相対性理論を発表してからおよそ10年後、岩手で教師として過ごした賢治は、天文学の専門知識をいつどこで得たのか。すべてが創造だとしたら、いったい賢治は宇宙をどのように見ていたのだろうか。天文学会きっての賢治マニアとして知られる天文学者の著者が、賢治作品の中から天文学に関連する記述を取り上げ、天体写真などとともにその謎や信憑性について考察する。

目次

第1章 理科少年から銀河鉄道へ
     幼少期:理科少年としての賢治 / 天文少年としての賢治 / 天文知識の源泉 / 星に“視線”を感じた賢治 /
     『銀河鉄道の夜』への基礎となる作品群 / 高次元の幻想世界への飛躍という構造 /
     『銀河鉄道の夜』へとつながる詩 /『銀河鉄道の夜』の元になった鉄道

第2章 銀河の発電所
     不思議な賢治 / 発電所は好きですか/ 銀河の発電所 / 賢治は天の川に何を見ていたのか/ 時空の旅人

第3章 宮沢賢治はなぜカシオペヤ座に三目星を見たのか
     ことの発端 / 星群(アステリズム)としての「カシオペヤ座」/ 賢治における「カシオペヤ座」/
     「三目星」の読み方 /「カシオペヤ座」の5個の星 / 三つの目 /「カシオペヤ座」の三つ星 /
     三目星と三つ星 /「カシオペヤ座」の新たな三つ星 /「さそり座」の可能性はあるのか/
     なぜ「五」ではなく「三」なのか / 三角への執着 / 結語

第4章 玲瓏レンズと水素のりんご
     「青森挽歌」 / 賢治のりんご / 苹果と林檎 / 玲瓏レンズと水素のりんご / 銀河系の玲瓏レンズ /
     天の川の地図 / 銀河の世界 / 謎のレンズ銀河 / 巨きな水素のりんご

第5章 ジョバンニが銀河鉄道の中から見た、がらんとした桔梗色の空の謎
     『銀河鉄道の夜』に出てくる謎の空 / 桔梗色の空 / がらんとした空 / ジョバンニの先生は偉かった /
     桔梗色の空、再び / 桔梗色の位置づけ / 空の“二藍” / 結語

第6章 宮沢賢治は宇宙塵を見ていた ―『銀河鉄道の夜』に出てくる「天気輪の柱」は対日照なのか
     謎の天気輪の柱 / 賢治と宇宙塵 /『銀河鉄道の夜』における「天気輪の柱」/
     もう一つの天気輪:文語詩「病技師〔二〕」に見る天気輪 /「天気輪の柱」の位置づけ /
     実在するのか、しないのか /「天気輪の柱」の候補 / 自然現象としての「天気輪の柱」/
     黄道光と対日照 / 結語

第7章 プレシオスの鎖の解き方
     『銀河鉄道の夜』から消えたブルカニロ博士 / プレシオスの鎖は解けるのか / プレシオスの鎖の意味 /
     星団の世界 / プレシオスの鎖は解ける / 流れる北斗 / 短気なジョバンニのために / 付記

第8章 受け継がれる「見者」の系譜―天文学者→画家→作家
     「見者」の世界 / 見者は受け継ぐ者たちである / 天文学者、ロス卿 / 画家、ファン・ゴッホ /
     作家、宮沢賢治 / ロス卿から岡山天体物理観測所へ / 追記 四十五分の謎

初出一覧

あとがき

著者紹介

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