化学実験の事故事例・事故防止ハンドブック

化学実験の事故事例・事故防止ハンドブック(電子書籍)

著者名 鈴木 仁美
発行元 丸善出版
発行年月日 2014年02月
NDCコード 432

内容紹介

近年の大学における化学の授業では、化学物質の性質を詳しく教えるような授業が姿を消し、また、実験室で取扱う試薬は多様な市販品を入手できるようになり、自分で合成する必要がなくなった。その結果、身近な化学物質の基本的性質に疎くなり、その知識不足が予想し得ない事故の遠因になりかねない状況である。本書は、実験室で使用する薬品の物性データや毒性データを詳しく取り入れながら、雑誌や論文に載った化学実験の実際に起こった事故例や著者自身が聞き取り調査した体験をまとめたものである。具体的な事故例や、化学物質を取扱う際の注意点などを知識として得ることで、事故を回避することができる。化学実験に携わる研究者・技術者、指導教員にとってたいへん頼りになる一冊である。

目次

1 化学実験と事故
2 安全な実験のための基礎知識
 2.1 加熱
 2.2 冷却
 2.3 保温
 2.4 蒸留
 2.5 乾燥
 2.6 気体の利用
 2.7 かくはん
 2.8 溶媒
 2.9 抽出
 2.10 再結晶
 2.11 酸と塩基
 2.12 材質の変化
 2.13 自然発火
 2.14 微粉体
 2.15 帯電と関電
 2.16 悪臭と有毒ガス
 2.17 試薬の保存と廃棄
3 酸化反応
 3.1 過酸化水素
 3.2 有機過酸化物
 3.3 オゾン化分解
 3.4 一重項酸素
 3.5 希硝酸
 3.6 ペルオキソ二硫酸/ペルオキソ一硫酸(カロ酸)
 3.7 フレミー塩(ニトロシルビス硫酸二カリウム)
 3.8 ハロゲン試薬
 3.9 クロム試薬
 3.10 マンガン試薬
 3.11 オスミウム試薬とルテニウム試薬
 3.12 水銀試薬
 3.13 タリウム試薬
 3.14 鉛試薬
 3.15 キノン試薬
4 還元反応
 4.1 接触還元(接触水素添加)
 4.2 単位金属
 4.3 ヒドリド試薬
 4.4 ヒドラジン
 4.5 その他の還元剤
5 炭化水素
 5.1 脂肪族炭化水素
 5.2 芳香族炭化水素
6 アルコールとフェノール
 6.1 アルコールとエーテル
 6.2 フェノール
7 カルボニル化合物とカルボン酸
 7.1 カルボニル化合物
 7.2 カルボン酸と関連化合物
 7.3 ニトリルと関連化合物
8 アルキル化とアシル化
 8.1 アルキル化
 8.2 アシル化
9 有機金属化合物
 9.1 グリニャール試薬
 9.2 有機リチウム試薬
 9.3 有機アルミニウム試薬
 9.4 金属カルボニル
 9.5 メタロセン
 9.6 その他の有機金属試薬
10 アンモニアとアミン
 10.1 アンモニアとアンモニウム塩
 10.2 アミンとアミン塩
 10.3 アルカリ金属アミド
 10.4 イソシオアニド(イソニトリル)
 10.5 ヒドロキシルアミンと関連化合物
 10.6 N-オキシド,N-オキシルおよびニトロン
11 不飽和窒素化合物
 11.1 ジアゾ化合物
 11.2 ジアゾニウム化合物
 11.3 アジド化合物
12 ニトロソ化合物とニトロソ化
 12.1 ニトロソ化合物
 12.2 オキシム
 12.3 N-ニトロソ化合物
 12.4 ニトロン化
13 ニトロ化合物とニトロ化
 13.1 脂肪族ニトロ化合物
 13.2 芳香族ニトロ化合物
 13.3 ニトロ化
14 硝酸化合物と亜硝酸化合物
 14.1 硝酸とその化合物
 14.2 亜硝酸とその化合物
15 ハロゲン化合物とハロゲン化
 15.1 フッ素化と試薬
 15.2 塩素化と試薬
 15.3 臭素化と試薬
 15.4 ヨウ素化と試薬
 15.5 高原子価ハロゲン化合物
16 硫黄とその化合物
 16.1 無機硫黄化合物
 16.2 有機硫黄化合物
17 セレンおよびテルルとその化合物
 17.1 セレンとその化合物
 17.2 テルルとその化合物
18 リン化合物
 18.1 無機リン化合物
 18.2 有機リン化合物
19 ケイ素化合物
 19.1 ケイ素とシラン
 19.2 ハロゲノシラン
 19.3 アルコキシシランとアルキルシラザン
 19.4 ケイ酸とその化合物
20 ホウ素化合物
 20.1 ホウ素とボラン
 20.2 アルキルボラン
 20.3 ハロゲノボラン
 20.4 ホウ酸と誘導体
 20.5 金属ホウ化物
21 ヘテロ環化合物
 21.1 三員および四員ヘテロ環化合物
 21.2 五員ヘテロ環化合物
 21.3 六員ヘテロ環化合物
 21.4 その他のヘテロ環化合物
22 有害元素
 22.1 有害元素とは
 22.2 アンチモン
 22.3 ベリリウム
 22.4 カドミウム
 22.5 水銀
 22.6 タリウム
 22.7 鉛
 22.8 ヒ素
 22.9 その他の有害元素
23 アレルゲンと発がん物質
 23.1 アレルゲン
 23.2 光毒性
 23.3 発がん物質
 23.4 環境ホルモン(内分泌かく乱物質)
24 光化学反応とマイクロ波の利用
 24.1 光化学反応
 24.2 マイクロ波の利用
 24.3 電磁波による障害
25 錯形成の利用
 25.1 クラウンエーテルとクリプタンド
 25.2 第四級アンモニウム塩
 25.3 錯形成を利用した検出や定量

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