内容紹介
「地震災害の報道は、痛ましい被災の現実を容赦なく茶の間に持ち込むが、報道も、私たちも、その騒ぎが嘘だったかのように、やがて日常を取り戻していく。しかし、地盤には粘土細工のように過去の災禍が記録される。今の災禍も目の前にある。時には未来の災害の予兆まで見せてくれる」
百人一首や室町時代の旅日記「梅花無尽蔵」など、様々な史料に描かれた情景やできごと、そして最新鋭のリモートセンシング技術で初めて見えてくる画像を科学的に読み解くと、「痕跡」が物語る警告のみならず、地盤や地形がもたらしてきた恩恵にも思い当たるのです。
防災に携われている研究者、技術者、関係者はもとより、身の回りの防災に対して関心をお持ちの多くの方々にも是非お薦めしたい必読の一冊です。
目次
第一章 地震災害痕跡は多くを物語る
第二章 二〇一八年北海道胆振東部地震 ー火山砕屑物に覆われた大地に残る地震痕跡ー
第三章 二〇一六年熊本地震 ー火山砕屑物に覆われた大地と断層ー
第四章 二〇一一年東日本大震災(その一) -東京湾岸の液状化痕跡ー
第五章 二〇一一年東日本大震災(その二) -津波で根こそぎ引き抜かれたビルー
第六章 二〇〇七年中越沖地震 ー丘陵の縁辺部で生じた地盤変形ー
第七章 二〇〇四年中越地震 ー活褶曲地形と地震ー
第八章 二〇〇〇年鳥取県西部地震 -身近な災害痕跡を読み解く知恵ー
第九章 一九四八年福井地震 ー九頭竜と河川堤防ー
第十章 一八四七年善光寺地震、一九二三年関東大震災 ー土石流の脅威ー
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