社会経済史学事典

社会経済史学事典(電子書籍)

著者名 社会経済史学会
馬場 哲
発行元 丸善出版
発行年月日 2021年08月
NDCコード 332

内容紹介

《社会経済史学会 創立90周年記念》

社会経済史学は、社会経済の歴史を研究する学問分野である。対象でいえば、空間的にはアジア、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカなど全世界に及び、時間的には中世またはそれ以前から現代に至る期間をカバーしている。方法的にも経済学と歴史学を基盤に、人文社会科学や自然科学も必要に応じて利用する学際性の強い学問である。

『社会経済史学事典』はこのような特徴をもつ社会経済史学の全体像を、最新状況を踏まえて体系的に示すことを目的としている。1章で斯学の歴史と方法、2〜6章で経済活動の諸分野、7〜9章で経済活動を営む人々の生活と生存、10〜11章で人々の交流と移動、12章で人々を取り巻く自然環境、13〜14章で社会経済活動の政治的・領域的枠組み、15〜16章で国家間の諸問題を取り上げている。

●全308項目/執筆者総勢245名

目次

《1章 社会経済史学の歴史と方法》
社会経済史学の歴史と方法/ドイツ歴史学派と経済史/マルクス経済学と経済史/社会学と経済史/経営学と経済史/共同体論と経済史/社会史(日本)/社会史(英仏独)/歴史人口学/比較制度分析/経済人類学と経済史/計量経済学と経済史/開発経済学と経済史/グローバル・ヒストリー/長期GDP統計/日本における経済史研究/[コラム]戦後歴史学の展開①大塚久雄/[コラム」戦後歴史学の展開②上原専禄と増田四郎/[コラム]戦後歴史学の展開③中村隆英/[コラム]アダム・スミスと経済史

《2章 交易と商業》
商人集団・ギルド/家と商い/問屋と小売/市場の階層性/市場圏/港市/特許会社/禁輸体制と互市/商品取引所/商社/流通革命/地中海東部・西アジア交易/インド洋交易/ヨーロッパ域内交易/大西洋・アフリカ交易/ロシア・内陸アジア交易/アジア間交易/太平洋貿易

《3章 生産と技術》
農業技術の発展(ヨーロッパ)/農業技術の発展(日本)/農業技術の発展(アジア)/農業技術の発展(アメリカ)/農業と科学/さまざまな工業化論/イギリス産業革命論の系譜/日本の工業化/手工業(中国)/手工業(日本)/手工業(ヨーロッパ)/繊維産業の展開/窯業の展開(日本)/「世界の工場」としての中国/「世界の工場」としての南アジア/木材生産と林業技術/ビルディングとマニュファクチャリング/第2次産業革命(R&Dのはじまり)/生産システム/発酵/採掘/冶金/精製/土木/エネルギーシフト/技術移転/技術教育/[コラム]ソ連型農業/[コラム]海外視察と技術

《4章 消費》
消費の歴史をめぐる理論的系譜/日本における消費史研究の系譜/ヨーロッパにおける「消費革命」/近代アジアにおける「西洋化」と消費/奢侈品/百貨店/マーケティングと消費/巡礼と門前町/観光産業の展開(日本)/芸術・エンターテイメント/コンテンツ消費/文明開化と消費生活/倹約の思想と生活改善/消費者運動の展開/家族と消費/消費とジェンダー/大衆消費社会の国際比較/新興国の成長と消費

《5章 金融》
金融業の起源(貸借の歴史)/貨幣の起源/商業金融と銀行/証券市場と投資銀行/中央銀行/金融と経済成長/金融と財政/金融と物価/金融規制・銀行監督/庶民金融/金融のグローバル化/中近世日本の金融/近代日本の金融(戦前)/近代日本の金融(戦後)/中国の金融/インドの金融/イスラーム金融

《6章 雇用と労働》
雇用と請負/職人の世界/徒弟制度/賃金/労働時間/工場法/労働組合と使用者団体/家内労働/鉱山労働/植民地と労働/労働基本権/国際労働運動/人事労務管理/中間管理職/学校教育と労働市場/日本的雇用システム/奴隷労働/人的資本/[コラム]退職制度/[コラム]長期休暇/[コラム]専門職

《7章 福祉と社会保障》
生存戦略/福祉の複合体/救貧法/フィランスロピー/友愛組合/戦争と福祉/ベヴァリッジ・プラン/社会保険/疾病保険/失業保険/家族政策/育児・介護・社会サービス/児童福祉/障碍者福祉/パターナリズム/企業福祉/ウェルフェア・キャピタリズム(福祉資本主義)

《8章 医療と衛生》
医療・疾病の社会史・経済史/交易とパンデミック/公衆衛生の形成/慈善と医療・病院/医薬市場の多元性と規制(欧米)/医薬市場の多元性と規制(日本)/近代衛生・医療と社会経済(西欧)/近代衛生・医療と社会経済(日本)/近代衛生・医療と社会経済(中国)/貿易と検疫/開発原病・帝国医療/開業医と病院/看護と保健/経済格差・疾病・公的医療(西欧)/経済格差・貧困・疾病(日本)/医療の社会化(日本)/経済発展と健康転換/製薬産業/医療機器産業/健康産業

《9章 家族・人口・ジェンダー》
家族と相続(ヨーロッパ)/家族と相続(日本)/家族と相続(アジア)/家族と相続(イスラーム圏)/ファミリービジネス/結婚と家族/人口理論と世界人口史/体位の変動と人口・経済/産児制限と人口動態/都市化と人口/飢饉・疾病と人口/性別分業/工業化と女性労働/工業化と児童労働/家族賃金の形成/ケア労働と国際労働移動/ケアと家族/女性の労働供給(M字型カーブの比較史)

《10章 交通と情報》
国際海運/日本の水運/船舶/道路/自動車/鉄道/日本の鉄道/機関車/航空/航空機/印刷/新聞・雑誌/ラジオ・テレビ/書信・信号/郵便/電信・電話/デジタル化

《11章 人の移動》
人の移動と経済史/ディアスポラ/迫害・戦争と難民/ヴァイキング/大航海時代/アフリカ人奴隷貿易と中南米/北米へのヨーロッパ移民/南アフリカへの移民/オーストラリアへの移民/イギリスの移民政策/移民国家/ムスリム商人/インド洋世界の奴隷交易/印僑/華僑/日本人移民(アジア)/日本人移民(南北アメリカ)

《12章 資源・環境・エネルギー》
資源へのまなざし/コモンズ/水資源/森林資源/食料資源/資源メジャー/石炭/石油/原子力/電気事業/家庭用エネルギー/再生可能エネルギー/産業革命と公害/アジアの工業化と公害/廃棄物とリサイクル/自然保護/地球環境問題/古気候学/人新世

《13章 都市》
日本近世都市/日本近現代都市/ヨーロッパ中世都市/ヨーロッパ近世都市/ヨーロッパ近現代都市/アメリカの都市/アジアの植民都市(植民地都市)/中国の都市/イスラーム都市/地中海都市/都市計画/都市行政/都市政策/住宅問題と住宅建設/ヨーロッパ都市の自発的結社/ヨーロッパの郊外化/日本の都市社会集団/日本の都市「下層社会」/都市と戦争・災害

《14章 国家》
古代国家/ローマ帝国/等族国家(身分制国家)/中世国家・帝権(皇帝権)/「中国」の構造/領主制の構造/国家と市場/国家と市場(イスラーム圏)/穀物備蓄政策(中国)/重商主義/国民国家の形成/国家と貨幣/殖産興業政策/国家と財政/国家と統計/福祉国家/政府間関係(中央と地方)/通商政策/産業政策

《15章 戦争と経済》
軍需産業(軍産複合体)/帝国主義(植民地戦争)/戦債と賠償/戦争と女性/ブラック・マーケット(闇市場)/(東西)冷戦/アヘン戦争/第1次世界大戦/第2次世界大戦/ファシズム/日清戦争・日露戦争/武器移転/工業動員/戦時食糧統制/軍事援助/戦時金融(戦時財政)/宗教と戦争/アメリカ南北戦争/軍縮(交渉・協定)/陸軍工廠(日本)/海軍工廠/[コラム]死の商人

《16章 国際秩序と開発》
本位通貨制度と国際貿易/国際金融機関と現代の経済/米州の国際秩序/コモンウェルスと自由貿易体制/ポンド圏の生成と衰退/欧州経済統合の起源と展開/植民地帝国と植民地経営/日本の開発援助政策/東アジアの開発体制/東南アジア経済開発体制/南アジアの開発体制/アフリカの開発体制/中南米の開発体制/国連と開発/OECDと成長・開発体制/ILOと国際的な労働秩序/GATTと国際的な貿易体制