中欧・東欧文化事典

中欧・東欧文化事典

著者名 中欧・東欧文化事典編集委員会
羽場 久美子 編集代表
発行元 丸善出版
発行年月日 2021年08月
判型 A5 210×148
ページ数 866ページ
ISBN 978-4-621-30616-1
Cコード 0522
NDCコード 234
ジャンル 人文科学 >  人文科学_総記・事典
人文科学 >  歴史学
人文科学 >  社会学

内容紹介

中欧、東欧、中東欧…。ドイツとロシアのはざまには、その地域に住む人々が自分たち自身の名称としても、「この地域」を一言で到底言い表せないほど多様で複雑な世界が広がっている。「中欧」という呼び名を持つ、多様で多彩な文化、古代から中世・近世にかけてヨーロッパの諸帝国と結びついた、深い思想や宗教的特徴を持つ、華やかな地域。あるいは「東欧」としての、近代から現代にかけて周辺諸大国の被支配地域・被支配民族として存在し、だからこそ、自由と解放、変革と自立、独自の道を求めて、繰り返し、果敢に立ち上がり、歴史に残る諸事件を刻んできた、独立心旺盛で、勇猛果敢な地域・民族・人々。本書では23章・340項目をかけて、この多彩で豊かな地域の全貌を紹介する。テーマごとの中項目でどこからでも読みやすい事典。

目次

[編集委員一覧]
(編集代表)
羽場久美子 青山学院大学 名誉教授、神奈川大学教授、世界国際関係学会(ISA)アジアパシフィック会長、グローバル国際関係研究所所長
(編集委員:五十音順)
井口壽乃 埼玉大学大学院人文社会科学研究科 教授
大津留 厚 神戸大学 名誉教授
桑名映子 聖心女子大学現代教養学部 准教授
田口雅弘 岡山大学学術研究院社会文化科学領域 教授
中澤達哉 早稲田大学文学学術院 教授
長與 進 早稲田大学 名誉教授
三谷惠子 東京大学大学院人文社会系研究科 教授
山崎信一 東京大学教養学部 非常勤講師
(2021年7月現在)

第1章 中欧・東欧:境界地域の多様性
中欧・東欧の意味するもの/中東欧の地域と自然/東欧とハプスブルク/ドナウ川地域におけるヨーロッパ戦略――地域河川の共同
/ローマ帝国と中東欧/ビザンツと東欧/古代ギリシャと東欧/東欧とオスマン帝国/古代トラキア人と東欧/ロシアと東欧/ポーランド分割/バルト3国/チェコ/民族と宗教の相関関係/トランシルヴァニア,ヴォイヴォディナ/セルビア, コソヴォ, モンテネグロ/クロアチアとスロヴェニア/マケドニア/沿ドニエストル――フロンティアから非承認国家へ/アルバニア/ボーダーランドとしての東欧

第2章 民族:多民族の共存
多民族共存地域としての中欧・東欧――コンタクト・ゾーン/民族はいかにして「選択」されるのか/バルカンの民族の多様性/中央ユーラシアと中欧・東欧文化/東欧のロマ/東欧のユダヤ人/国を持たぬ人々「ヴラーフ」/民族運動の英雄たち――コシュート・ラヨシュ/民族運動の英雄たち――コシチューシュコ/民族運動の英雄たち――ペテーフィ

第3章 シンボル:国旗・国歌・記念日
ポーランドの国旗・国章・国歌/チェコとスロヴァキアの国旗と国章/ハンガリーの国章・国旗・国歌/バルカンの国旗・国章・国歌/クロアチアのシンボル――国旗と国歌/ブルガリアの国旗と紋章、国歌、ナショナルデー/バルト3国の国旗と国歌/ハンガリーの民族衣装/ハンガリーの祭りと祝日/セルビアの祭りと記念日/ブルガリアの民族衣装

第4章 音楽:クラシック
ショパン/リスト/スメタナ/ドヴォルジャーク/ヨハン・シュトラウス/オペレッタ/バルトーク/コダーイ/ヤナーチェク/バルカン芸術音楽/セルビア音楽/東欧ユダヤ音楽/東欧のロマ音楽

第5章 民族舞踊・民族音楽と大衆性
宝塚歌劇の中のハプスブルク/ポーランドの民族舞踊/バルトの歌――合唱/ハンガリーの民族舞踊/スロヴァキアの民族舞踊/バルカンの民俗舞踊/ブルガリアの民族舞踊/ブルガリアの合唱(ブルガリアン・ヴォイス)

第6章 宗教の十字路
ヨハネ・パウロ2世とポーランドのカトリック/ポーランドのユダヤ人/ブレスト教会合同/東欧のユダヤ教/ハンガリーの教会――カトリック,プロテスタント/セルビアの正教会/バルカンの宗教とナショナリズム(イスラーム)/ボスニア・ヘルツェゴヴィナのムスリム/正教と東欧/コンスタンチノープル世界総主教座とウクライナ

第7章 美術・芸術
世紀末ウィーン/クリムトと世紀末ウィーン絵画/ミュシャ/チェコの近代美術/ポーランドの美術/ポーランドの前衛/ポーランドのグラフィック・アート/ハンガリーのアヴァンギャルド美術/ハンガリーの工芸/ポーランドの近代工芸/クロアチアの美術/東欧のビザンティン美術/セルビアのイコン/ユーゴスラヴィアの芸術とプロパガンダ/中欧出身の写真家/チェコガラス/チェコのジャポニスム/ポーランドのジャポニスム/ハンガリーのジャポニスム/バルト3国の編み物

第8章 中欧・東欧の建築
ウィーンの建築――歴史の中の創造性/ワルシャワの建築/クラクフ,その他のポーランド各地の建築/ポーランドのザコパネ建築
/プラハの建築/ハンガリー,ドイツ,オーストリアのセセッション建築/ハンガリーの近代建築/ブルガリア,ルーマニアのビザンティン様式/ブルガリアのイスラーム建築/オスマン期バルカンの都市と建築/バルトのユーゲントシュティル建築/中欧・東欧の都市/ハンガリーの教会/ハンガリーの城と宮殿/ハンガリーの博物館と記念碑/チェコの教会/チェコの城と宮殿/チェコの博物館・美術館/スロヴァキアの博物館・美術館/スロヴァキアの教会/スロヴァキアの城と宮殿/ポーランドの教会/ポーランドの博物館・美術館/ポーランドのシナゴーグ/ポーランドの城と宮殿/ボスニアの博物館と記念碑/ルーマニアの博物館と記念碑

第9章 中欧・東欧のジェンダー
ポーランドのジェンダー/ハンガリーのジェンダー/チェコのジェンダー/東ドイツにおける女性と労働/バルト3国のジェンダー
/バルカンのジェンダー/クロアチア,セルビアのジェンダー

第10章 世界遺産
アウシュヴィッツ強制収容所/ワルシャワ歴史地区,クラクフ歴史地区/プラハとクトナー・ホラ/バンスカー・シチアヴニツァをはじめとする世界遺産/ブタペシュトとドナウ/タリン,リーガ,ヴィルニュス旧市街/ドゥブロヴニク旧市街/リラ修道院/バルカンの世界遺産/ルーマニアの要塞教会/ドラキュラ伝説からストリゴイ伝承へ/ヴィエリチカ岩塩坑/スロヴェニアの世界遺産/(コラム)クルシェヴァツと近郊の歴史と文化遺産

第11章 観光
バルト3国の観光/ポーランドの観光/チェコの観光/スロヴァキアの観光/ハンガリーの観光/ハンガリーの温泉/旧ユーゴスラヴィアの観光/ルーマニアの観光/ブルガリアの観光

第12章 代表的知識人、指導者
キュリー夫人/コペルニクス/ローザ・ルクセンブルク/リヒャルト・クーデンホーフ=カレルギー/ヤーシ・オスカール/クーデンホーフ光子と夫ハインリヒ・クーデンホーフ/ルカーチ/マンハイム/ポランニー/ハンガリー出身の科学者・実業家/マサリク/ハヴェル/コメニウス/パラツキー/シトゥール/ジジェク/チトー

第13章 多彩な文学
東欧の文学/ミツキェーヴィチ/ブルーノ・シュルツ/オルガ・トカルチュク/ポーランド文学/バルト三国の多彩な文学/シンボルスカ/カフカとクンデラ/チェコ文学/スロヴァキア文学/ハンガリー文学/バラージュとモーリツ/東欧の民話/ユーゴスラヴィア文学/ルーマニア文学――エリアーデとディアスポラ/スラヴ口承文芸・文学/ウクライナ文学/アルバニア文学/イディッシュ文学/アディ・エンドレ/ブルガリア文学

第14章 交錯する言語
東欧の言語と国家/越境する言語/東欧のマイノリティ言語/ポーランド語/バルト諸語/西スラヴ諸語の特徴――あるいは「ジャガイモ」はなんと呼ばれるか/中東欧の人々の名字/ハンガリー語の特徴/ルーマニア語/バルカンの言語・南スラヴ諸語/混じり合う言葉――バルカンの言語接触

第15章 境界線地域の人の移動
欧州、EUの移民難民政策/ポーランドの人の移動/バルト――人の移動がつくる地域/チェコの人の移動/スロヴァキアの人の移動/ハンガリーの人の移動/バルカンの人の移動/ルーマニア・モルドヴァからの移民/スロヴェニアの人の移動/中東欧からアメリカ合衆国への移民

第16章 傑出した映画、新進のアニメ
東欧映画全般/ハリウッド映画と中・東欧/サボー・イシュトヴァーン/アンジェイ・ヴァイダ/ロマン・ポランスキ/エミール・クストゥリツァ/《シンドラーのリスト》/チェコ映画/バルカン映画/リトアニアのジョナス・メカス/チェコの人形劇・アニメーション/ハンガリーのアニメーション――ふたりの先駆者/東ドイツのアニメーション/クロアチアのアニメーション

第17章 世界に誇る食文化
ウィーンのカフェ文化/ポーランドの食文化/チェコ料理/チェコのビール/スロヴァキアの家庭料理/豚の解体と食肉文化/ハンガリーワインについて/パプリカ,グヤーシュ,フォアグラ/ハンガリーのスイーツ/セルビア、クロアチア、ボスニアの食文化/ルーマニアの食文化/バルトの薬用酒とビール/モルドヴァ共和国のワイナリー/ブルガリアのヨーグルトと食文化

第18章 スポーツ:民族融和の象徴
オリンピックとソコル体操運動/ユーゴスラヴィアのサッカーーーなぜ強いのか?底力と融和/コマネチ/チェコスロヴァキアのスポーツ/ハンガリーのスポーツ/バルカン諸国のスポーツ

第19章 大国のはざまで躍動する歴史
シュラフタとその政治文化/1791年5月3日憲法/イシュトヴァーン1世/マーチャーシュ1世/中世のチェコ/聖ヴァーツラフ王冠
/複合君主政と礫岩国家/中近世のバルカン/ロシアとは別のルーシ/ハンガリー中世・近世の法文化/1848年革命/ドナウ連邦(連合)構想/ハプスブルク帝国の再編と外交政策/バルトの歴史/近代ドイツとポーランド人/シュレジエン,グダンスク――ドイツ領ポーランド/ポーランドとドイツの共存と対立/ロシア領ポーランド/スラヴ会議/ボヘミア・モラヴィアとチェコスロヴァキア独立/スロヴァキアの歴史と独立スロヴァキア国/バルカン諸国の歴史/ハプスブルク帝国下の南スラヴ人/第一次世界大戦とバルカン/ロシア革命と中東欧の文化人たち/ルーマニアの歴史/クロアチアの戦間期/戦間期のチェコスロヴァキア/ポーランドの戦間期/ワルシャワ蜂起/第二次世界大戦中のナチ・ドイツとバルカン

第20章 政治・経済
1956年ポーランド/1956年ハンガリー事件とその評価/1956年事件と中国/1968年プラハの春/東ドイツの政治――スターリン・ノート/1989年「東欧革命」と「中欧」回帰,冷戦の終焉/中東欧へのEUの拡大/中東欧へのNATO拡大/東欧経済―社会主義から資本主義へ/年金制度改革、福祉政策の成功と失敗/東欧革命後の中欧・東欧経済/ポーランド経済/「連帯」運動/ベルリンの壁崩壊/バルトの政治――独立回復革命/バルト3国のロシア語話者/チェコスロヴァキアの「ビロード離婚」/ユーゴスラヴィア解体/チャウシェスク体制の崩壊

第21章 共生する社会、慣習、生活
冠婚葬祭/クロアチアのザドルガ/バルカンの民族共生文化/中近世の多民族共生社会/ハンガリー大平原の羊/ヴァーフ川の筏流し/ブルガリアのバラ栽培とバラ祭り/ギリシャ商人/カルパチアの羊飼い

第22章 日本との関係
オーストリア=ハンガリーと日本の国交樹立/ポーランド独立100年と日本/ハプスブルク帝国崩壊100年/黎明期の日本・チェコスロヴァキア関係を担った3人/「鎮魂」アウシュヴィッツ・フクシマの能/杉原千畝/捕虜収容所の中の東欧/日本・ポーランド関係史/ポーランドと大日本帝国陸軍/ピウスツキ,ドモフスキと日本/ポーランド人宣教師と日本/チェコと日本/チェコスロヴァキア軍団と日本/昭和天皇の白馬/ハンガリーと日本/ルーマニアと日本/日本に収容されたルーマニア人捕虜/日本-ブルガリア関係/セルビア、モンテネグロと日本/スロヴェニアと日本/東欧と相撲/1956年のハンガリー事件――日本に与えた意味/東欧の環境問題に対する日本の貢献/フランツ・フェルディナントと日本/オーストリア海軍と日本

第23章 歴史認識と歴史教科書問題
バルト3国の歴史認識と表象/バルカンの歴史認識・歴史教科書/クロアチアの歴史政策と歴史認識問題/ルーマニアの歴史認識・歴史教科書問題/モルドヴァの歴史教科書/セルビアの歴史教科書/ハンガリーの歴史認識・歴史教科書/ポーランドの歴史認識問題/スロヴァキアの歴史認識・歴史教科書/チェコの歴史教科書

コラム
ルーマニアの民族衣装/マラムレシュ/ルーマニアの牧羊

巻末付録
地図・年表
事項・人名・地名索引

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