フェミニストが見直す ユング
著者名 | スーザン・ローランド 著 中村 このゆ 訳 |
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発行元 | 追手門学院大学出版会 |
発行年月日 | 2021年02月 |
判型 | A5 210×148 |
ページ数 | 246ページ |
ISBN | 978-4-907574-24-6 |
Cコード | 3011 |
ジャンル | 人文科学 > 心理学 |
内容紹介
―ユング心理学にフェミニストが鋭く切り込む―
ユングは西洋近代が、感情、身体、自然、関係性などの特質を女性と他者性とみなすことで脱価値化してきたことを喝破していた。それにも拘わらず男性性/女性性といった二元論によって長らくフェミニストから批判を受けてきた。英文学者である著者は「個人的神話」と「グランドセオリー」という二つのキーワードを中心に、ユング心理学の中のフェミニズムの要素を丹念掘り起こす。まず、初学者にも分かりやすくユング心理学理論を概観し、ユングの女性後継者による女神フェミニズムを紹介する。さらにフロイト派と比較しながら、啓蒙主義・構造主義・モダン主義・脱構築・ゴシックといった哲学的・文化的思潮を援用しながら、ユング心理学に潤沢に含まれる女性の成長への糧を明らかにする。
目次
日本語版への序文
序文
本書の使い方
第1章ユングの生涯
なぜ伝記から始めるのか?
フロイディアンになる
ユンギアンになる
人生と理論における女性たち
自伝とフェミニズム:霊媒からアニマまで
1章のまとめ
第2章 ユング心理学理論の紹介
ユングは理論を書いたか?
ユング心理学の基本的概念
フロイト派の精神分析との様々な違い
女性とジェンダーにおけるユング
2章のまとめ
第3章 女神と女性原理
グランドセオリーとユンギアンフェミニズニズムの紹介
拡大と改訂:アニムスとアニマ
拡充法:エロスと女性原理
拡充法:女神を求めて
拡充法:偉大な女神の神話
女神と女性原理:簡単なまとめ
3章のまとめ
第4章 ユンギアンフェミニズムとは?
ユンギアンフェミニズムの諸理論の紹介
ユング派研究内からの挑戦
他の学派の観点を用いて
歴史、フェミニズムそしてユング
4章のまとめ
第5章 脱構築とポスト・フロイディアンフェミニズムからみるユンギアンフェミニズム
序論
ユングと構造主義、ポスト構造主義、脱構築
ユングとポスト・フロイディアンフェミニズム
5章のまとめ
第6章 ポストモダンのユンギアンフェミニズム
序論
錬金術におけるユング
ユングと身体
啓蒙主義、ポストモダン主義とフェミニズム
フェミニズム、ポストモダン主義とユング
ユングの女性性とゴシック
6章のまとめ
原注
訳注
索引
訳者あとがき