鋼橋の環境振動・騒音に関する予測，評価および対策技術

-振動・騒音のミニマム化を目指して-

土木学会鋼構造委員会　鋼橋の騒音・振動低減に向けた設計検討小委員会では、主として「振動・騒音」の評価法および対策について調査研究を行った。具体的には1）一連の評価法を整理した「手引き」の作成、2）数値解析による予測技術の現状整理、3）各種対策工の整理を行った。

本小委員会では、単に、「振動・騒音」ではなく、「環境」への影響というイメージを強く表現するため、「環境振動・騒音」を定義して提案した。土木分野ではこれまで「環境振動」が用いられることは稀であったが、本書を機に、「環境振動」「環境騒音」「環境振動・騒音」が浸透していくことを願っている。

鋼橋の「振動・騒音」というと、技術者にとっては一般にネガティブなイメージを持たれていると思う。本書が、今後「振動・騒音」への配慮が、将来にわたり鋼橋が周辺環境に適合し続けるために必要不可欠なものとして、もっと前向きにとらえられるきっかけになれば幸甚である。