新・環境倫理学のすすめ【増補新版】

新・環境倫理学のすすめ【増補新版】

著者名 加藤 尚武
発行元 丸善出版
発行年月日 2020年12月
判型 四六 188×128
ページ数 222ページ
ISBN 978-4-621-30587-4
Cコード 1012
NDCコード 151
ジャンル 環境科学・生活科学 >  環境科学 >  環境一般
人文科学 >  倫理学 >  応用倫理

内容紹介

環境倫理学の本邦初の入門書として好評を博した『環境倫理学のすすめ』の続編。温暖化、持続可能性、石油資源、貧困、生態系など、環境分野で重要なトピックスを網羅的に取り上げながら、環境倫理学を具体的にわかりやすく解説。環境問題を総合的な視点で考察する上で必要不可欠な環境倫理学の考え方を興味深く理解することができる。「増補新版」では、各章末に新たに「補遺」を加え、二一世紀の今、現代人が深く考えるための示唆に富むヒントも提示。

目次

増補新版のためのプロローグ――ウイルスに学べ
第1章 京都議定書の意義と限界
    温暖化問題の社会的認識/冷戦後の世界秩序/温暖化問題の複雑さ/ポスト京都の条件/全世界的炭素税の提案(クライン論文)
    【第1章補遺:京都議定書】
第2章 持続可能性とは何か
    ブルントランド委員会報告書から/ロックの但し書き/ヴッパータールから/デイリーの持続可能な発展のための三つの条件/枯渇型資    源の使い回し/平和的未来戦略
    【第2章補遺:持続可能性】
第3章 石油が枯渇する日
    女性と石油/人口と資源消費量(スループット)/石油資源の予測構造/石油利用技術の向上/石油の枯渇
    【第3章補遺:石油】
第4章 保全保存論争
    持続可能性と保全保存論争/ピンショーの功利主義/保全と保存は本当に対立するのか
    【第4章補遺:保存と保全】
第5章 自然保護と生物多様性
    反省概念としての多様/研究者の視点と生活者の視点とのずれ/単一の集合体としての多様/バイオフィリア/熊沢蕃山とパラケルス    ス
    【第5章補遺:多様性】
第6章 生物学と環境倫理学
    自然主義再考/社会ダーウィニズム/人間以外の生物の利他的行為/自然の権利/自然主義は倫理となり得るか/最適者の生き残り    /ハーディンの「共有地の悲劇」(一九六八年)/ハーディン「救命艇の倫理」(一九七四年)/「乳飲み子」の倫理
    【第6章補遺:カント】
第7章 ペンタゴン・レポート
    「温暖化=ゆっくりした変化」ではない/二一世紀のキイワードは「環境難民」/ヨーロッパに北からの難民と南からの難民/アジアの危機    /アメリカは自国中心主義の強化/予防原則への疑問
    【第7章補遺:海流の熱搬送】
第8章 自由市場と平等
    市場経済のサンクション機能/カール・マルクスの困惑/世界は燃えている/センのロールズ批判/ロールズの言い訳
    【第8章補遺:見えざる手】
第9章 国際化
    ピーター・シンガーの四方式/排出権の均等割りは功利的であるか/一日一ドル以下しか消費できない人々と国家/過去の排出に対す    る責任/過去と現在をつなぐもの/グローバリズム/アンソニー・ギデンズ『第三の道』
    【第9章補遺:都市と農村】
第10章 リスクの科学と決定の倫理
    決定の根拠/安全情報は別格/予防原則は技術論ではない
    【第10章補遺:リスク】
第11章 先進国の未来像
    マテリアル・フローとサプライ・チェーン/サプライ・チェーン・マネジメント/拡大された生産者責任
    【第11章補遺:計算機論争】
第12章 戦争による環境破壊
    生態系の直接的で派生的な破壊/劣化ウラン弾/生態系の直接的で意図的な破壊/廃棄物としての兵器/地雷/「環境難民」の発生    による間接的な自然破壊/市民的な原則を軍備に適用する
    【第12章補遺:戦争】

出版社からのメッセージ

本書は『新・環境倫理学』(2005年8月刊)の増補新版です。

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定価:2,200円
(本体2,000円+税10%)
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