内容紹介
大胆なモデルチェンジ、パワーアップした河合節.これができるのは【極論】だけ!
神経内科といえば,変性疾患ばかり扱うみたいなイメージがありませんか?
ですが本来、神経内科の守備範囲は広く、「認知症」「脳血管障害」「頭痛」「脊髄疾患」「末梢神経障害」などのコモンな疾患の知識も必要とされます。また,古典的な神経内科疾患にも新知見や治療法がどんどん加わています.さらに「めまい」や「睡眠」といったコモンな症候もカバーします。
そんな新しい神経内科の軸を踏まえた「極論」らしい大改訂となりました。
目次
第1部 領域が広がったコモンな神経内科疾患をどう考えるのか?
1章 脳血管障害[CVD]
極論1 脳血管障害は血管の病気だと重々承知すべし
極論2 「脳卒中」は便利な言葉だが,使うのは画像検査まで
極論3 「(意識)レベル低下です」は,まず信じない
極論4 初発の頭痛でCT が正常なら,ごちゃごちゃ考えないで○○をやる!
コラム1 頭部単純CT をスキップしない / コラム2 噂をパラメーターとして使う
2章 頭 痛[headache]
極論1 第一ステップは「やばい」か「やばくない」か
極論2 頭の何が痛いのかを考えろ!
極論3 片頭痛か? それ以外か?
極論4 「コモン」の本当の意味を理解しないとハマる
コラム1 頭痛が起きる工場
3章 認 知 症[dementia]
極論1 「認知症」は病名ではない!
極論2 救急外来や入院中に認知症の診断をつけるな!
極論3 病歴聴取で見当がつかないときは,診断にはたどりつかない!
極論4 認知症=ドネペジル処方すればいい!と思うな
コラム1 高齢者に礼を失するな! / コラム2 老年医学の難しさ
4章 てんかん[seizure/epilepsy]
極論 1 「 てんかん」を「てんかん」と呼ぶな ! [seizure]と[epilepsy]を区別する
極論2 「抗てんかん薬」は「抗てんかん発作薬」ではない
極論3 てんかん発作を見ないで,正しい治療ができていると思うなかれ
極論4 脳波と薬物濃度を治療するな
極論5 新規抗てんかん薬を使わない理由を探せ!
コラム1 米国の状況
5章 脊髄疾患[spinal cord disease]
極論1 MRI のために戦え!
極論2 撮影部位でよい格好をしない
極論3 足底をこすらないなんて…,やり直し
極論4 肛門括約筋反射を診ないなんて…,やり直し
コラム1 「戦い方」伝授します.Fighting Styleは地方によって違いあり
6章 末梢神経障害[peripheral neuropathy]
極論1 length dependent neuropathyという言葉をもっと使うべし
極論2 どこまでが末梢神経で中枢神経か?
極論3 脱髄ではない,脱髄鞘だ!
極論4 感覚神経の評価が「触覚」だけ=道具を用意していません
コラム1 高齢者の振動覚低下とアキレス腱反射低下で興奮しない
第2部 新しい知見が満載の古典的神経内科疾患をどう考えるのか?
7章 パーキンソン病[PD]
極論1 原料がないわけではない.下請け工場がつぶれた状態
極論2 なぜ下請け工場がつぶれるのか? 原因なのか,結果なのか.それが問題だ!
極論3 「社会歴をとる?」,とらないと治療できない
極論4 覚悟を決めてドパミンをいじる
極論5 国全体で治療を考える.外科的治療を忘れない
コラム1 映画『Awakenings(邦題:レナードの朝)』について
8章 筋萎縮性側索硬化症[ALS]
極論1 「難病=できることがない」ということは絶対にない
極論2 NIV とPEG の適応は慎重に? 冗談じゃない
極論3 運動以外の症状を評価をせずに治療はできない.対症療法の何がいけない?
極論4 終末期の議論を避けない.事実を告げることは希望を奪うことではない
コラム1 人工呼吸器と離脱
9章 ギラン・バレー症候群[GBS]
極論1 治療する? するに決まっている.だって治療法があるのだから
極論2 病初期の診断は進行速度が決め手となるが,よい打腱器も必要
極論3 果たしてGBS は難病なのか? その見極めが難しい
極論4 自分の病院の限界を知っておく
コラム1 仲良くしておくべき科とは? 就職時の心得を伝授! / コラム2 打腱器もしくはハンマーへのこだわり
10章 重症筋無力症[MG]
極論1 重症筋無力症? さあ緊張しろ!
極論2 歩いて覚醒している患者さんでも,クリーゼの気管内挿管はエースに頼め!
極論3 すべての薬剤が,MG を増悪させる可能性がある
極論4 コリンをいじるということを理解する
極論5 治療しながら増悪に備える.経験者のアドバイスに耳を傾ける
コラム1 神経内科の診断速度 / コラム2 あなたよりMG のことを知っている医師が必ずいる
11章 多発性硬化症[MS]
極論1 診察道具を活用し時間と空間の多発性を証明すべし
極論2 MRI より自分の診察を信じられるか?
極論3 フォローすれば名医となれる疾患
極論4 自己免疫かつ中枢神経疾患であることが治療を難しくする
コラム1 神経内科のレジデントとしての資質とは?
第3部 コモンな症候を神経内科的にどう考えるのか?
12章 めまい[vertigo/dizziness]
極論1 まずは「めまい」の言葉を料理する
極論2 センサーか? センターか? 「めまい」なんて錯覚さ!
極論3 めまいの王様を理解するべし
極論4 末梢性か? 中枢性か? 何を信じる?
コラム1 MRIオーダーの今と昔
13章 睡 眠[sleep]
極論1 睡眠を評価しないのは,脳の3 分の1 を評価していないことである
極論2 すべての症状はOSAS に通ず
極論3 終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)でしか「脳と睡眠」は語れない
極論4 「不眠の治療=睡眠薬」ではない
コラム1 どうやって睡眠医学を教えるか? / コラム2 睡眠検査= AHIを出すものという誤解(睡眠検査レポートはなぜ長い?)
14章 「器質的疾患でない」疾患について[non-organic disease]
極論1 「心因性」疾患を知らずして,「器質的でない」というなかれ
極論2 「器質的疾患でない」というならば,ほかの医師に理路整然と説明できるか?
極論3 「器質的疾患でない」患者さんの説明には,むしろ時間をとる!
極論4 身体表現性障害の正しい対処を知らずに,一人前などと片腹痛い
コラム1 精神科医が「器質的疾患が疑われる」といってきたときは襟をただせ
出版社からのメッセージ
本書は『極論で語る神経内科』(2014年9月刊)の改訂版です。
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