内容紹介
化学物質による事故や災害を防止するためには、既存あるいは新規化学物質、反応系の潜在危険性を評価し、適切な安全対策をとることが重要である。
本書はフィジカルハザードとよばれる爆発危険性について網羅的に情報を提供することを目的に、1章では科学的に見た爆発現象について、2章では爆発に関する情報を調べる手段について解説。3章では爆発に関するコンピュータケミストリーを取り上げ、4章では化学物質の管理という視点で国内外の規制に利用される試験法や法規制などについて解説。5章では研究開発現場で使われる熱分析試験および装置について、6章は化学プロセスのハザードの特定と安全対策について種々の評価試験を組合せるフローチャートを示した。7章は編者らが行ってきた爆発調査の具体的事例を取り上げ、どんなことに着目し調査を行うか、あるいは上手くいかなかったかといった、評価を行う際のヒントを提供する。
目次
序章 化学物質の爆発・危険性
はじめに
化学物質の爆発例
本書の構成
1章 爆発の科学
1.1 化学物質の爆発
1.2 混合および化学反応による爆発
1.3 爆発現象:爆燃と爆ごう
1.4 爆発による被害:爆発影響
2章 爆発危険性の調査
2.1 安全データシート:SDS
2.2 情報検索
2.3 データベース
3章 コンピュータケミストリー
3.1 CHETAH
3.2 反応危険性ワークシート:CRW
3.3 化学平衡計算:CEA2
3.4 化学平衡計算:HSC Chemistry for Windows
3.5 反応危険性評価 :TSS-ARKS
3.6 サーマル・セーフティ・ソフトウェア
3.7 分子軌道法による爆発性物質の安定性予測
3.8 ニューラルネットワークによる爆発危険性の予測
4章 化学物質のフィジカルハザード分類と試験法
4.1 危険物の輸送に関する国連勧告:TDG
4.2 世界調和システム:GHS
4.3 「消防法」における危険物分類と確認試験
4.4 「火薬類取締法」で規定される火薬類
5章 研究開発現場で使われる熱分析試験装置
5.1 示差走査熱量測定:DSC
5.2 断熱熱量計:ARCとDARC
5.3 カルベ式熱量計:C80
5.4 高感度熱量計:TAM
5.5 反応熱量計: RC1
5.6 小型反応熱量計:SuperCRC
5.7 断熱熱量計:SIKAREXとRADEX
6章 化学プロセスのハザードの特定および安全対策
6.1 プロセスハザード解析[AIChE/CCPS]
6.2 暴走反応のランク付け指標
6.3 総合評価のためのフローチャート
6.4 その他のフローチャート例
7章 爆発調査の具体的な事例
7.1 アルキルアルミニウム製造中の爆発事故
7.2 三塩化窒素が発生する混合危険
7.3 爆発性の金・銀化合物
7.4 NaK および NaK 過酸化物の危険性評価
7.5 イオン交換樹脂と過塩素酸との混合危険
7.6 煙火組成物の自然発火危険性評価法の検討
7.7 過酸化水素の反応暴走危険
略号・略称一覧
索 引
関連商品
(本体10,000円+税10%)
在庫:在庫あり
▼ 補足資料
▼ 関連記事
- 【2020年11月】新刊案内・一覧注文書2020.10.30
- 【書店用注文書】2020年11月刊行予定『化学物質の爆発・危険性ハンドブック』2020.10.14