いまを生きるための社会学

いまを生きるための社会学

著者名 友枝 敏雄
樋口 耕一
平野 孝典
発行元 丸善出版
発行年月日 2021年01月
判型 四六 188×128
ページ数 344ページ
ISBN 978-4-621-30555-3
Cコード 1036
NDCコード 361
ジャンル 社会科学
人文科学
人文科学 >  社会学

シリーズ紹介

現代人が直面しうる様々な社会問題(トピックス)の捉え方・乗り越え方について、1テーマ見開き2p/4p完結で、平易に解説する。

内容紹介

21世紀という時代を,我々はどう生きればいいのか?格差や犯罪など従来からの社会問題に加えて,科学技術の進歩,例えばAIや生殖医療なども,新たな社会問題を我々に突きつけている.こうした疑問に答えるには,結局,望ましい社会のあり方を考えざるをえない.その道しるべとして社会学の基礎的な考え方から,家族・災害・グローバル化などの各論までを,専門家が平易に解説する,1テーマ2頁または4頁見開き完結の教養読本.

目次

第I部 社会学とは

1 社会とは何か 
2 西欧近代と社会学
3 社会科学のなかの社会学
4 社会学の特色

第II部 社会変動――その趨勢とメカニズム

1 社会変動をどうとらえるか
2 社会変動の趨勢
3 短期的趨勢と長期的趨勢
4 地球レベルでの長期的趨勢
5 社会変動の要因
6 社会変動のメカニズム

第III部 現代社会が抱える問題群――現在から未来へ

1章 家族のゆくえ

1 今、家族って何だろう?
2 少子高齢化社会をどうとらえるか?
3 現代の子どもが大人になることの大変さは何か?
4 ワーク・ライフ・バランスの実現は可能か?
5 家族はどこに向かうのか?

2章  医療と福祉のゆくえ

1 お金のある人ほど健康なのか?
2 生まれる前に赤ちゃんの病気や障がいが分かったら、それはよいことか?
3 精神障がいのある人と聞くと、何となく身構えてしまうのはなぜか?
4 企業にとって障がい者を雇用する意味とは?
5 介護の仕事で外国人労働者が増えているのはなぜか?

3章  犯罪と司法のゆくえ

1 犯罪・非行は本当に減っているのか?
2 どのようにして人は犯罪者になるのか?
3 移民の流入によって治安は悪化するのか?
4 刑罰を科すことだけが司法の役割か?
5 なぜいじめが起きるのか?
6 なぜ自殺死亡率には地域差があるのか?

4章 マス・メディアのゆくえ

1 新聞は社会にどのような役割をはたしてきたのか?
2 「現実」はマス・メディアによってつくられるのか?
3 なぜマス・メディアは広告を作り出すのか?
4 テレビ放送は視聴者にどのような影響を与えているのか?
5 紙媒体としてのメディアは生き残れるのか?
6 メディア・リテラシーの「教育」はどこまで有効か?

5章 情報化のゆくえ

1 情報化をいち早く取り入れるのは誰か?
2 情報化が社会を変えるのか?
3 人々の情報源はテレビ・新聞からネットに変わりつつあるのか?
4 ネットでは開かれた民主的な議論が盛り上がるのか?
5 長時間ネットを使う人は極端な意見を持ちやすいのか?

6章 AIとロボットのゆくえ

1 AI/ロボットは社会を変えるのか?
2 現代のAI/ロボットはこれまでとどう違うのか?
3 シンギュラリティは来るのか?
4 AI/ロボットと人間は共生できるのか?
5 Community5.0 をどのように創るか?

7章 宗教のゆくえ

1 神道と仏教は日本人の心のふるさとか?
2 合理的と言われる欧米人は信仰から離れてしまうのか?
3 近代化が進むと宗教は衰退するのか?
4 新宗教とはどのような存在か? 
5 宗教間対立が絶えないのはどうしてか?
6 日本人は宗教性に乏しいのか?

8章 ジェンダー・セクシュアリティのゆくえ

1 ジェンダー・セクシュアリティとは何か?
2 なぜ「女性の人権は人権」という宣言が20世紀末になって必要とされたのか?
3 第一波・第二波フェミニズム運動は近現代社会の何を批判してきたのか?
4 現代社会にはどんなジェンダー格差があるか?
5 性の多様性とは何か?
6 日本ではジェンダー・セクシュアリティは今後どう変わっていくのだろうか?

9章 労働と貧困のゆくえ

1 非正規雇用はなぜ増え、どこが問題なのか?
2 なぜ日本の長時間労働はなくならないのか?
3 なぜ1990年代に日本では貧困が拡大したのか?
4 子どもの貧困はなぜ起こるのか?
5 貧困と社会的排除はどのような関係にあるのか?

10章 格差・不平等のゆくえ

1 格差・不平等がなぜ政治の問題になるのか?
2 産業社会論は不平等のメカニズムをどうとらえるのか?
3 平等社会神話はいかにして形成され崩壊したのか?
4 社会階層は固定化しているのか?
5 新自由主義は格差の時代にどう加担したのか?
6 世代間格差は社会を揺るがす事件となるか?

11章 環境と災害のゆくえ

1 社会学はどうして「自然」を見てこなかったのか?
2 災害の研究で「社会」がなぜ、どのように注目されたのか?
3 自然災害は環境問題なのか?
4 災害は国や地域によってどう異なるのか?
5 社会学は「防災」をどう考えればよいのか?

12章 地域社会のゆくえ

1 情報化やグローバル化の時代にも地域社会は生き残れるのか?
2 限界集落はほんとうになくなるのか?
3 都市にもライフサイクルがあるのか?  
4 都市で居場所を見つけることができるのか?
5 都市を支配しているのは誰か?
6 都市は国家を超えられるか?

13章 社会運動と民主主義のゆくえ

1 社会運動とは何か、なぜ起きるのか?
2 社会運動の敵は誰か?
3 社会運動は、なぜ多様なのか?
4 社会運動は民主主義国家に必要か?
5 社会運動は何のためにあるのか?
6 未来の社会運動はどんな姿になるのか? 

14章 国家のゆくえ

1 国家と社会は同じか?
2 近代国家が現在の形になるまでのいきさつは?
3 福祉国家はいかなる危機に直面したのか?
4 国家は衰退するのか?
5 戦争はなくなるのか?
6 コスモポリタニズムはどこまで実現可能か?

15章 グローバリゼーションのゆくえ

1 グローバル化する市場経済がすべての問題を解決するのか?
2 インターネットがグローバル化を生んできたのか?
3 移民はなぜ世界的な問題になっているのか?
4 日本にとってグローバル化は初めてのことか?
5 文化の多元性と社会統合はいかにして両立できるのか?
6 人間の安全保障は実現できるのか?

第IV部 社会的なるもの・公共性・正義の可能性――将来社会のデザイン

1 社会・社会的なるものと公共性
2 社会の4つの領域と下からの公共性
3 正義についてどのように考えたらよいのか
4 正義の二原理をどう考えるか
5 正義のもう1つの考え方
6 正義、公共性、21世紀の社会

参照文献

事項索引・人名索引

執筆者紹介

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