デンマーク文化読本

デンマーク文化読本

日本との文化交流史から読み解く
著者名 長島 要一
発行元 丸善出版
発行年月日 2020年10月
判型 四六 188×128
ページ数 252ページ
ISBN 978-4-621-30559-1
Cコード 0022
NDCコード 230
ジャンル 人文科学
人文科学 >  歴史学

内容紹介

北欧の国デンマークの文化には、日本でも馴染みの深いものが多く存在する。文学においては、アンデルセンの童話はさることながら、『即興詩人』は森鷗外の翻訳により多くの日本人に親しまれた。また芸術では、デンマークを代表する陶器ロイヤルコペンハーゲンは、日本の有田焼に影響を受けたものであると言われている。現代においてもデンマークの文化は、デザインや食文化、ライフスタイルといった観点からもその魅力が世界に発信され続けている。日本は鎖国時代から徐々にデンマークと交流を持ち、幕末以降は教育、学術などの分野で重要な交流を重ねた。本書は、デンマーク文化について、デンマークと日本という小国を舞台にした文化交流の貴重な記録と詳細な検証をもとに、読者にも身近な話題も交え、現地在住の著者が解説する。

目次

I部 デンマークの歴史から文化・社会まで

第1章 デンマークの歴史・地理と日本との接点
  東インド会社の台頭と日本
  デンマークの貿易発展と日本
  鎖国日本に届いた異国のたより
  輪郭を帯びるデンマーク

第2章 デンマーク人の進取の気性と日本との接点
  スパンベア
  日本側資料にみるスパンベア来航
  デンマークを訪れた初めての日本人
  日本の港を初めて訪れたデンマーク船
  ビレ提督
  大北電信会社
  バルタサー・ミュンター
  デンマーク飛行士の日本到来
 
第3章 デンマークの美術・デザインと日本との接点
  デンマーク文化の黄金時代
  『日本の絵画芸術』にみるジャポニズムへの憧憬
  日本伝統芸術とロイヤルコペンハーゲン
  デンマークの代表的な画家
   ハンマースホイ/クロイヤー/ヨアン(ヨルン)/キアケビュー(キルケビー)/エリアソン
  二つの「人魚姫」像
  デンマークデザイン
  代表的な建築家
 
第4章 デンマークの学術・科学と日本との接点
  ティコ・ブラーエによる天体観測
  オーレ・レーマーの光速測定
  エルステッドの電流磁気作用の発見
  ニールス・ボーアと量子力学の発展
  コペンハーゲン精神と日本の研究者へのインパクト
  マッセンの細菌研究と野口英世
  キルケゴールと日本の哲学
  風を味方につけた再生可能エネルギー開発

第5章 デンマークの文学・音楽と日本との接点
  アンデルセン
  『即興詩人』と森鷗外
  児童文学
  二〇世紀文学:自然主義から女性作家の活躍まで
  デンマークの代表的な音楽家
  デンマーク映画

第6章 デンマークの教育・福祉と日本との接点
  岩倉使節団が描いた日本の近代化と教育
  フォルケホイスコーレ
  デンマークの宗教教育と当時の日本
  現在のホイスコーレ
  北欧と社会福祉
  デンマークの社会福祉の変遷
  デンマークの社会福祉制度の現状と課題
  「ヒュッゲ」と「幸福度」
  自転車大国デンマーク

第7章 デンマークの食文化と日本との接点
  デンマーク式酪農に学んだ日本の酪農
  バイキングとスマーブロ
  ノーマ:新しいフードカルチャー
  伝統的家庭料理
  高木ベーカーリー
  食のハイブリッド
 

II部 日本・デンマーク文化交流史から
第8章 幕末維新期まで
  日本・デンマーク修好通商航海条約
  駐箱館デンマーク領事
  カーステンセンの江戸訪問
  榎本武揚と赤松則良のデンマーク訪問
  スエンソンの日本訪問
  ノーマンの旅行記『横浜から江戸へ』
  岩倉使節団のデンマーク訪問

第9章 明治期以降、敗戦まで
  長崎電信局のデンマーク人たち
  ホウゴーの日本旅行記
  コーノウ
  ヨハンネ・ミュンターと石井筆子
  コペンハーゲン動物園での旅芸人と花子
  王室―皇室交流
  ニールス・ブックとデンマーク体操の紹介
  前畑秀子と競った不屈なオリンピック選手インゲ

第10章 戦後から現代まで
  明仁皇太子のデンマーク訪問
  勇敢なデンマーク人機関長クヌッセン
  東日本大震災後の被災地をいち早く訪れたデンマーク王太子

参考文献・索引

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