「やさしい日本語」表現事典

「やさしい日本語」表現事典

著者名 庵 功雄 編著
志賀 玲子
志村 ゆかり
宮部 真由美
岡 典栄
発行元 丸善出版
発行年月日 2020年07月
判型 四六 188×128
ページ数 320ページ
ISBN 978-4-621-30512-6
Cコード 0581
NDCコード 031
ジャンル 人文科学 >  人文科学_総記・事典
人文科学 >  社会学
論文・語学 >  語学

内容紹介

「やさしい日本語」は、シンプルな文法とやさしい単語を選択するなどの工夫をした日本語です。日本に暮らす外国人に向け、災害時に的確な情報を届けることを目的に生まれました。いま、日本には多くの外国人が生活し、外国人労働者の増加などで今後もさまざまな国・言語・文化の方が日本で暮らしていくことが予想されます。「やさしい日本語」は災害時のみならず、普段のくらし(平時)におけるコミュニケーションでも力を発揮すると期待され、すでに行政やメディアで実践・注目されています。本書は、「やさしい日本語」の歴史や日本語教育の現状、多文化共生などについて分かりやすく解説し、学校・PTA・保育園・行政・くらしで起こる実際の場面を想定しながら、「やさしい日本語」に言い換え・書き換えるテクニックを例文をもとに解説しています。社会で暮らすさまざまな立場の人とことばの問題を、読んで、考え、実践することを目指した事典です。

目次

I部 「やさしい日本語の」の基礎
1章 「やさしい日本語」の歴史
1. 日本語に制限をかける試み 
1.1 簡約日本語 
1.2 災害時の情報提供と「やさしい日本語」 
1.3 減災のための「やさしい日本語」 
1.4 平時における「やさしい日本語」 

2章 外国人に対する情報提供と<やさしい日本語> 
1. 災害時の場合 
2. 平時の場合 
2.1 旅行者、短期滞在者に対する情報提供 
2.2 定住や長期滞在を目的とする外国人(定住外国人)に対する情報提供 
2.3 公的文書の書き換え 
2.4 News Web Easy 

3章 居場所作りのための<やさしい日本語> 
1. 30年後の日本と外国人の受け入れ 
2. <やさしい日本語>の2つの機能 
3. 居場所作りのための<やさしい日本語>とその3つの側面 
4. 初期日本語教育の公的保障の対象としての<やさしい日本語> 
5. 地域社会の共通言語としての<やさしい日本語> 
6. 地域型初級としての<やさしい日本語> 
6.1 学校型日本語教育と地域型日本語教育 
6.2 地域型初級と「ミニマムの文法」 
7.  居場所作りのための<やさしい日本語>の3つの側面の相互関係 

4章 バイパスとしての<やさしい日本語> 
1. 関係する概念 
 1.1 外国にルーツを持つ子ども 
 1.2 母語 
 1.3 継承語 
2. なぜ子どもが重要なのか 
3. 学習の障壁となるもの 
3.1 BICSとCALP 
 3.2 国語と日本語 
 3.3 漢字の問題 
4. 外国にルーツを持つ子どもに対する支援をめぐって 
 4.1 特別の教育課程における指導 
 4.2 国語教育における位置づけ 
5. バイパスとしての<やさしい日本語> 
 5.1 文法におけるバイパスの実相 
 5.2 新しい漢字シラバス 
6. 多様性を持った人材として 

5章 障害を持つ人のための<やさしい日本語> 
1. 普通のものには名前がない―「点字」ではない文字は?― 
 1.1 無標と有標 
 1.2 「障害者」と「健常者」 
2. ろう児(者)と日本語 
 2.1 ろう児(者)とは 
 2.2 自然言語としての日本手話 
 2.3 第二言語としての書記日本語習得 
 2.4 ろう児に対する日本語教育 

6章 日本語母語話者にとっての<やさしい日本語> 
1. 日本語母語話者に求められる日本語能力 
2. 日本語表現の鏡としての<やさしい日本語> 
 2.1 有標な存在が本質(真理)をあぶり出す 
 2.2有標な存在としての「外国人の日本語」 
3. 日本語表現と<やさしい日本語> 
 3.1 「公平な耳」の必要性 
 3.2 「節英」と<やさしい日本語> 
4. 日本語表現を見直す必要性 
 4.1 中間言語としての<やさしい日本語> 
 4.2 企業にとってのインセンティブ 
 4.3 具体的にできること 

7章 多文化共生社会と<やさしい日本語> 
1. 「技術」より重要なこと 
2. マインドとしての<やさしい日本語>―「お互いさま」の気持ち― 
 2.1 「お互いさま」の気持ち 
 2.2 だれでも参加できるジャンケン 
3. 「バリアフリー」はだれのため? 
 3.1 バリアフリーとは何か 
 3.2 同情を越え、競争できる社会を 
4. 多文化共生社会と<やさしい日本語> 
 4.1 多文化共生社会とは何か 
 4.2 多文化共生にかかるコスト 
 4.3 多文化共生を実現するためのインセンティブ 
5. <やさしい日本語>とは何か 

II部 「やさしい日本語」の実践
II部まえがき―読み方とポイント―
会話編
学校① 学校メールの登録について説明する
学校② 色覚検査について説明する
学校③ 電話で出席確認をする
学校④ 行事への参加を誘う
学校⑤ 保健室から保護者へ緊急連絡をする
学校⑥ 行事について説明する
学校⑦ 夏休みの生活についてアドバイスする
学校⑧ 夏休みの学習についてアドバイスする
PTA① 本総会のお知らせについて説明する
PTA② 校外だよりについて説明する
PTA③ ベルマークの収集について説明する
保育園① お泊り保育の注意点を説明する
保育園② 園外保育について説明する
行政① 妊娠・子育て支援について説明する
行政② カウンセラー派遣制度について説明する
行政③ 人権に関するオンブズパーソン制度について説明する
行政④ 転出の届け出について説明する
行政⑤ 住宅入居等支援事業について説明する
行政⑥ ごみの出し方を説明する
行政⑦ 粗大ごみの出し方を説明する
行政⑧ 図書館利用のルールとマナーについて声をかける
行政⑨ 図書館の利用登録について説明する
くらし① 病院の受診をアドバイスする
くらし② コンビニエンスストアの会計で応対する
くらし③ ファミリーレストランで応対する
くらし④ ポイントカードの会員に勧誘する
くらし⑤ 調剤薬局で処方箋医薬品を受け渡す
くらし⑥ 自動引き落としについて説明する
くらし⑦ マンション⑴消防用設備等点検について説明する
くらし⑧ マンション⑵排水管清掃作業について説明する
くらし⑨ ガス使用の解約について説明する
くらし⑩ 神社での作法を教える
くらし⑪ 道に迷っている人に声をかける
くらし⑫ 駅で迷っている人に声をかける
くらし⑬ 具合が悪そうな人に声をかける
くらし⑭ 防災への備えをアドバイスする
くらし⑮ 災害に備え近所の外国人に声をかける
くらし⑯ 町内会・自治会⑴町内清掃への参加を促す
くらし⑰ 町内会・自治会⑵町内会費を集金する
くらし⑱ 町内会・自治会⑶子ども会への入会を誘う
くらし⑲ 町内会・自治会⑷おもちつき行事に誘う
文章編
学校① お金の支払いを依頼する
学校② 家庭調査票の提出を依頼する
学校③ 保健調査票の提出を依頼する
学校④ 学校メールの登録を依頼する
学校⑤ 色覚検査を案内する
学校⑥ 非常持ち出し袋の点検を依頼する
学校⑦ 行事の準備を依頼する
学校⑧ 行事・イベントを案内する
学校⑨ 保護者会を案内する
学校⑩ 長期休暇について注意を促す
学校⑪ 給食でのアレルギー対応を説明する
PTA ① 本総会を案内する
PTA ② 校外だより
PTA ③ ベルマークの収集を依頼する
PTA ④ バザーの献品を依頼する
PTA ⑤ 親子工作イベントを案内する
保育園① おゆうぎ会を案内する
保育園② おゆうぎ会の注意事項を伝える
保育園③ 園だより
保育園④ お泊り保育の注意事項を伝える
保育園⑤ 園外保育を案内する
行政① 行政における給食のアレルギー対応を説明する
行政② カウンセラー派遣制度を案内する
行政③ 保育園継続入所の手続きを依頼する
行政④ 人権に関するオンブズパーソン制度を案内する
行政⑤ 転出の届け出について説明する
行政⑥ 住宅入居等支援事業を案内する
行政⑦ ごみの出し方の注意事項を伝える
行政⑧ 粗大ごみの出し方を説明する
行政⑨ 図書館利用のルールとマナーを伝える
行政⑩ 図書館の利用登録について説明する
行政⑪ 公民館の部屋の貸し出しを案内する
くらし① アンケート用紙の回答を依頼する
くらし② ポイントカードのサービスを案内する
くらし③ ガス使用の解約について説明する
くらし④ 病院の問診票の記入を依頼する
くらし⑤ マンション⑴ エレベーター点検を知らせる
くらし⑥ マンション⑵ 消防用設備等点検を知らせる
くらし⑦ マンション⑶ 排水管清掃作業を知らせる
くらし⑧ 町内会・自治会⑴ 町内清掃への参加を呼びかける
くらし⑨ 町内会・自治会⑵ 新成人対象者調査の回答を依頼する

III部 文化の差異
・PTA
・部活動
・町内会、自治会、子ども会
・子どもだけの登下校
・運動会
・上履き
・印鑑、ハンコ
・元号
・(病院などでの)検査
・投薬
・七五三、成人式
・入れ墨、タトゥー

コラム 日本人という概念/観光と「やさしい日本語」/敬語の分類①/敬語の分類②/ピクトグラム/「難しさ」への信仰
付録 日本語教育分野を志す人のために
参考文献
索引

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▼ 補足資料