内容紹介
循環器内科は日進月歩であり、革新的な介入試験の結果が発表されたり、新薬や新デバイスが使用可能になった等、新しいニュースが毎週のように流れてくる。ゆえに『極論』もバージョンアップが必要となった。第2版は、初版(2011年刊行)の殻を脱ぎすて、全章見直し、新規章「心カテ」「PCI」「失神」が加わるなど、編著者の香坂氏いわく “別の本に様変わる”ほどのダイナミックな改訂を遂げた。医学生、研修医、さらに循環器内科領域のスキルアップをすることができる一冊。
目次
第1編 Bread-and-Butter
第1部 不整脈
1章 心房細動 [AF] と上室性頻拍
極論1 脈がデタラメならば心房細動,整っていたがSVT
極論2 クジラはみんな心房細胞
極論3 脈がバラバラ なら 症状もバラバラ
極論4 心房細動は「脳」を治療する
コラム1 心房細動は心房細動を呼ぶ
コラム2 心房細動の起源の話
コラム3 抗凝固薬の副作用
2章 致死性心室性不整脈 [VF/VT] (心室細動・心室頻拍)
極論1 心室細動や心室頻拍(脈なし)が視界に入ったら,何も考えずにまず止める
極論2 原因疾患はとりあえず冠動脈疾患を考える
極論3 抗不整脈薬だけが治療ではない
極論4 ICDは万能ではない
コラム1 ACLS:初期研修医に義務化する意義
コラム2 アミオダロン独特の副作用にはどんなものがあるか?
コラム3 electrical storm(電気の嵐)
3章 心臓にまつわる「器械(デバイス)」[device]
極論1 ペースメーカーの適応は伝導障害;遅すぎる心臓
極論2 モードよりもレート;心拍数の設定に注目
極論3 ペースメーカーは徐脈を,ICDは頻脈を
極論4 これからは左室ペーシングの時代か?
コラム1 皮下植え込み型除細動器
第2部 虚血性心疾患
4章 急性冠動脈症候群 [ACS]
極論1 ACSが頭をよぎったら心電図.そこでST上昇を見たら緊急カテーテル検査
極論2 非ST上昇のACSなら落ち着いてリスク評価を!
極論3 ニトロよりもアスピリンを外さない
極論4 身体所見が合併症を救う(日が来ます)
コラム1 覚えてますか? さまざまな負荷方法
コラム2 バイオマーカーの進歩
5章 心カテ[cardiac cath]
極論1 動脈へのアクセスは出口(止血)を考えて
極論2 まずワイヤーを探せ:電車よりもレールを先に
極論3 尖端部まで届く血管はLADだけ
極論4 病棟では何をおいても出血を見逃さない
コラム1 CTの16列とか64列って何ですか?
コラム2 アレンテストとは?
6章 冠動脈インターベンション[PCI]
極論1 循環器内科医の「眼」よりも信用できるもの
極論2 ステント「だけ」がバルーンを越えた
極論3 バルーンやステントのサイズはどう決めるのか?
極論4 血小板をどう扱うか? ヘパリンとDAPTの扱いについて
コラム1 FFR計測前の準備:MAXに血管を開くには
コラム2 最も新しいデバイス
コラム3 危険な病変シリーズ
コラム4 リアルなDAPTや中止要請シナリオ
7章 動脈硬化[arteriosclerosis]
極論1 動脈は燃えている
極論2 予防に勝る治療なし─ 一次予防と二次予防
極論3 動脈硬化の治療 まずはABC
極論4 動脈硬化の治療 続いてDS
コラム1 敵を知り,己を知る;正しい動脈硬化の検査法とは?
コラム2 アスピリンのジレンマ?
コラム3 糖尿病についてひと言だけ
第3部 心不全と弁膜症
8章 急性心不全 [AHF]
極論1 肺炎か? 心不全か? それが問題だ
極論2 BNPはトロポニンに非ず
極論3 心不全管理は虚血の除外から
極論4 心臓を頑張らせるより休ませろ
コラム1 心不全の原因として覚えておくとよい語呂合わせ─ FAILURE
コラム2 日本での考え方:心不全はすべてを捕まえる
コラム3 HFpEF:多彩な心不全像,そのさらに裏側から
コラム4 カテコラミンはあくまでも必要悪
9章 弁膜症[valvular heart]
極論1 それは解剖から始まった
極論2 弁膜症の弁以外の構造物
極論3 弁膜症の顔色はこまめに窺う
極論4 弁膜症は芸術(アート)である
コラム1 僧帽弁逸脱症(mitral valve prolapse)の歴史
コラム2 三尖弁の謎
第2編 Zebra
第4部 その他の疾患
10章 失神[syncope]
極論1 syncope for everyone? 誰でも失神する可能性がある
極論2 問診で勝負がつかなければ,(たぶん)迷宮入り
極論3 神経調節性か? 心原性か? そこが問題だ
極論4 治療は常に原疾患へ 失神そのものへの治療は存在し得ない
コラム1 そもそも失神とは何か
コラム2 神経性失神
コラム3 先天性QT延長症候群と失神
11章 感染症心内膜炎 [IE]
極論1 「稀」な疾患ではなく,「よく」見逃す疾患
極論2 心内膜炎を疑うには,発熱と心雑音で事足りる
極論3 抗菌薬を「投資」する場合,その運用はガイドラインに沿って
極論4 抗菌薬の予防投与は必要,ただし症例を選択して
コラム1 感染症心内膜炎(IE)と歯科治療
コラム2 血液培養の正しい手順
コラム3 IEによる塞栓症
コラム4 血液培養陽性例での各種起因菌に対する治療指針(標的治療)
コラム5 血液培養陰性例での治療方針(エンピリック治療)
コラム6 心内膜炎治療に関する各種ガイドライン
12章 急性肺血栓塞栓症 [PE]
極論1 すべての胸痛はPEに通ず
極論2 油断せず疑ったらスコア化を
極論3 Dダイマーと造影CTは診療のセンスが試される
極論4 治療は本当の意味で血液をサラサラに
コラム1 奇異性塞栓症
コラム2 急性大動脈解離
コラム3 血栓溶解療法
13章 心膜/心筋疾患[pericardial/myocardial disease]
極論1 心膜疾患の診断は頸動脈で
極論2 収縮性心膜炎と拘束型心筋症の鑑別は専門医への登竜門
極論3 心嚢液貯留≠心タンポナーデ
極論4 原因不明の心不全や心電図変化は急性心筋炎を疑え!
コラム1 頚静脈診察でX谷,Y谷の急激な下降を見つけるコツは?
コラム2 収縮性心膜炎の原因
コラム3 収縮性心膜炎の治療はミカンの皮を剥くように?
コラム4 痛かった症例
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