攻撃と暴力

攻撃と暴力(電子書籍)

なぜ人は傷つけるのか
著者名 大渕 憲一
発行元 丸善出版
発行年月日 2018年10月

内容紹介

人間の歴史は、対立と抗争との歴史である。歴史を振り返ると、大化の改新、関ヶ原の戦い、明治維新、…など、歴史を大きく動かしてきた出来事のほとんどが「争乱や殺戮」である。有史以来、人類の歴史時間の95%において地球上に戦争があったとされている。つまり、戦争はほとんど絶えることなく、人類とともにあったのである。ローレンツという学者は、人間と動物の行動を比較し、これほどまでに高頻度で他者との間で殺し合いをする動物は、人間以外にはいないと結論づけた。人間にとって「攻撃」とは何なのであろうか? また、それはどれくらい深く、人間の本性に根ざしたものなのであろうか。本書では、「人間の攻撃性」について、心理学における主要な考え方を紹介しながら、攻撃性の核心に迫っていく。

目次

まえがき
第1章 人間と攻撃
1 攻撃とは何か?
2 攻撃性をどう理解するか?
第2章 攻撃性は本能か
1 死の本能 フロイト
2 『悪の自然史』 ローレンツ
3 人間の攻撃性
4 攻撃本能論をどう評価するか?
第3章 攻撃の戦略性
1 葛藤と攻撃方略の選択
2 攻撃の社会的機能
第4章 攻撃の衝動性
1 衝動的攻撃の特徴
2 認知的新連合理論
3 身体的ストレスと衝動的攻撃
4 社会的ストレスと衝動的攻撃
5 衝動的攻撃の心理過程
6 戦略性と衝動性の統合 攻撃の一過程モデル
第5章 攻撃性と性格
1 攻撃性 行動の特徴か、内的な性質か?
2 衝動的攻撃と性格特性
3 戦略的攻撃と性格特性
4 攻撃性の変化と持続性
5 攻撃の生得的、生理的要因
6 攻撃の発達的要因
7 攻撃性と疾患
第6章 マスメディアと暴力
1 暴力映像と攻撃
2 暴力典映像の影響 心理的メカニズム
3 TVゲームと攻撃性
第7章 社会的状况の罠
1 道徳的自己規制とその弛緩
2 道徳的コミュニティと道徳的排除
参考文献

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