内容紹介
加藤尚武氏の『環境倫理学のすすめ』で掲げられている環境倫理学の三つの主張、すなわち(1)自然の生存権の問題、(2)世代間倫理の問題、(3)地球全体主義は、「環境倫理学」研究の重要な柱であり、わずかに表現と順番を変えながらも三つの合意事項として論じられている。本書の特徴は、「環境先進国」には「環境先進国」たるべき哲学が存在するところから、「環境倫理学」の基本問題を哲学からアプローチし、これまでほとんど論じられることがなかったドイツ古典哲学や現代ドイツの「実践的自然哲学」を通して、地球環境問題を議論しようとするものである。
目次
はじめに
第1章 環境倫理を考える前に
第2章 地球環境問題とは
第3章 地球環境問題は存在しないのか
第4章 ディープ・エコロジー
第5章 ディープ・エコロジー再考
第6章 合意形成について
第7章 ドイツ観念論の政治哲学
第8章 新たな合意形成に向けての政治哲学的基礎
第9章 具体的な合意事項
第10章 レオ・シュトラウスの政治哲学における近代
第11章 ジープのコスモス倫理学
終章 環境倫理学はどこへ向かうか
引用・参考文献