内容紹介
カフェは17世紀よりパリでめざましい発展を遂げ、19世紀に入ると今日のような開かれたテラス式の、独特な様式が登場するに至った。そして今世紀まで、時には文芸や政治活動の有力な拠点ともなり、その名を歴史の表舞台に残すようになったのである。本書では、カフェの歴史を追いながら、読者をその時代ごとのカフェに居合わせたかのような臨場感をもってご案内し、そのユニークな文化発祥の現場にふれていただきたい。
目次
第一章 ニューモード、カフェの出現
I 新しい飲料、コーヒーとコーヒー店の登場
II ヨーロッパへの普及----十七世紀のカフェ事情
第二章 十八世紀カフェの本格的開花
I ヨーロッパの趨勢
II カフェのメッカ、パリ
1 文学・政治カフェのモデル、プロコープ
2 大革命を前にして
第三章 十九世紀----カフェの発展と変遷
I ブルジョワの世紀の開幕----グラン・ブルヴァールの活況
1 パレ=ロワイヤルからグラン・ブルヴァールへ
II 世紀末へ----ボヘミアンとアブサンとモンマルトル
1 ブルヴァールから丘へ
2 丘周辺のカフェたち
第四章 二十世紀----カフェの新展開.
I ベル・エポックから大戦へ----右岸から左岸へ
II 狂騒の時代----モンパルナスの二〇年代
III 三〇年代----戦争へ
IV 第二次大戦から新しい世紀末へ
1 実在主義とサン=ジェルマン=デ=プレ周辺
2 六〇年代----大転形期
3 七〇年代から世紀末へ
主要参考文献
【付録】パリのカフェ・ガイド