内容紹介
講師
塚本 勝巳(日本大学教授)
2009年塚本教授は日本の南、西マリアナ海嶺南端部でニホンウナギの産卵場を世界で初めて発見した。そのきっかけは孵化2日後の仔魚(レプトセファルス)をプランクトンネットで捕まえたことだった。塚本教授は「海山仮説(海山の近くで孵化する)」「新月仮説(新月の夜に孵化する)」「塩分フロント仮説(海水の塩分濃度の変化がきっかけで産卵する)」という3つの仮説を立てて調査を行い、実際に産卵場を発見して仮説の正しさを証明した。現在塚本教授は西マリアナ海嶺でニホンウナギの産卵シーンを撮影するために研究に取り組んでいる。40年に及ぶ日本のウナギ研究を振り返り、明らかになったウナギの進化の過程、数千キロに及ぶ大回遊のルート、資源変動のメカニズムを紹介し、ウナギ養殖の研究、資源の保全についても講義する。