グラフト重合による吸着材開発の物語

グラフト重合による吸着材開発の物語

著者名 斎藤 恭一
藤原 邦夫
須郷 高信
発行元 丸善出版
発行年月日 2019年03月
判型 A5 210×148
ページ数 230ページ
ISBN 978-4-621-30372-6
Cコード 3043
NDCコード 578
付属品 なし
ジャンル 化学・化学工学 >  高分子化学
化学・化学工学 >  材料化学
化学・化学工学 >  工業化学

内容紹介

吸着材を用いて液体混合物から「不要」な物質を除去したり、逆に「のぞみ」の物質を濃縮したり採取したりすることができる。吸着の原理を解明し吸着材を作製することから研究開発はスタートするが、実用化に至るには実に長い道のりが必要で、開発から実用化に至るまでの苦闘のプロセスを赤裸々に記した研究者・技術者マインドに満ち溢れるユニークな書。

吸着材に限らず機能を持った材料の原理、合成、性能、応用を解説した専門書は多数あるが、本書のように実用化に至るまでの苦心談を詳細に記した専門書は珍しい。吸着材をつくって、要求性能をクリアして、コストの試算で許容範囲に入り、実用を想定した耐久試験をパスするには、時間とお金がかかる。実用化が叶っても、市場が変化したり縮小したりすると、製品にはなっても商品にならずに終わってしまうことがある。しかし、何よりも大切なのは実用化への執念であることが本書から伝わってくる。

目次

基礎編
第1章 吸着の仕組み
第2章 吸着材の作製法と性能評価法
第3章 吸着材開発の戦略

応用編
第4章 除去の巻
4.1 茶葉抽出液からのカテキンやカフェインの除去
4.2 猫尿からのコーキシンの除去
4.3 汚染水からのセシウムの除去
4.4 汚染水からのストロンチウムの除去
4.5 汚染水からのルテニウムの除去
4.6 超純水からの尿素の除去
4.7 河川水からのホウ素の除去
4.8 血液からの病因タンパク質の除去
第5章 採取の巻
5.1 海水からのウランの採取
5.2 富士山湧き水からのバナジウムの採取
第6章 回収の巻
6.1 卵白からのリゾチームの回収
6.2 酸化ゲルマニウムの回収
6.3 工場排水からの貴金属の回収
第7章 濃縮の巻
7.1 海水からの塩の濃縮
7.2 河川水からの17βエストラジオールの濃縮
7.3 海水からのレアアースの濃縮
7.4 血液からの薬物の濃縮
第8章 精製の巻
8.1 魚油からのDHAの精製
8.2 培養液からの抗体の精製
8.3 磁石切削粉液からのネオジムとジスプロシウムの精製
8.4 血液からのゲルゾリンの精製
8.5 混合液からのL体の精製
8.6 放射性廃棄物からのウランとプルトニウムの精製

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