内容紹介
近年とくに今までの常識では考えられなかった未成年者による殺人事件が多発している。事件の背景には、非行を招きやすい社会環境、人間関係が希薄になりがちな現状、さまざまなメディアを通じた有害情報の氾濫などが挙げられているが、少年犯罪の根本的原因は、実はそんなところにはない。では、どこにあるのか。――それは「乳幼児期の子育て」に深く関係しているのである。本書では、実際に起きた少年犯罪事件を例に挙げながらそのことを明らかにするとともに、倫理学的視点から、解決への明快な指針を提示する。
目次
序章 青少年問題の根の深さ
第1章 少年Aの背景――自己危害防止の倫理学
第2章 幼児体験と凶悪性――感情的ふれあいの倫理学
第3章 女子高生コンクリート詰め殺人事件――エロティシズムの倫理学
第4章 「母親」を奪われたヒトの子ども――非行防止の倫理学
第5章 布製の母親――応答性の倫理学
第6章 金属バット殺人事件――対決の倫理学
第7章 遺伝と環境と刷り込み――後天的先天性の倫理学
第8章 自立を目標とした子育て――「ダメ」と言わない倫理学
第9章 こころの教育は可能か――家庭で育てる倫理学
第10章 体罰の方法――父性の倫理学
第11章 少年法は役に立つか――更生の倫理学
第12章 いじめから抜け出す方法――権利の倫理学
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