はかってなんぼ 職場編

はかってなんぼ 職場編

著者名 日本分析化学会 近畿支部
発行元 丸善出版
発行年月日 2003年03月
判型 A5 210×148
ページ数 202ページ
ISBN 978-4-621-07109-0
Cコード 3043
ジャンル 化学・化学工学 >  化学一般・基礎化学 >  化学読み物

内容紹介

(株)島津製作所の田中耕一さんが2002年度ノーベル化学賞を受賞されたことは、“分析化学”に新風をもたらし、いま大きな注目を集めている。分析装置の発明ではなく、応用の分野での発明(分析法の発明)が世界に認められたことは、日頃、縁の下の力持ちの”分析化学”が、今後の科学の発展に大変重要であることを示している。

本書は、田中さんの研究チームによる開発経緯の解説をはじめ、田中さんのような分析化学者たちが、我々の暮らしをよりよいものにするために、常日頃、試行錯誤を繰り返している研究の実情を失敗や苦労談、ぴかりと光るアイデアや工夫などを分析原理をまじえながら赤裸々に熱く語ったもの。分析化学を担う研究者はもとより、分析化学を初めて紐解く人にとっても、たいへん興味深い現場からのメッセージ。

目次

第1章 このうなぎの蒲焼は日本種? ―不正取引は許しません―
 1.1 はじめに
 1.2 ウナギ種の遺伝子(DNA)鑑定法
 1.3 日本のうなぎをはかってみれば
第2章 温州ミカンの味の測定も光の時代 ―近赤外分光法(NIR Spectroscopy)―
 2.1 はじめに
 2.2 なぜ近赤外光で化学成分が測定できるか?
 2.3 果物への応用の歴史
 2.4 温州ミカンへの応用研究の数々
 2.5 温州ミカンの糖度選別機
 2.6 糖度選別機の測定データの活用状況および課題
 2.7 今後の課題
第3章 匂いは,はかれるの?
 3.1 はじめに
 3.2 GCで匂い成分を集める
 3.3 GCと質量分析の自動化
 3.4 試料の調製
 3.5 エッセンシャル・オイル
 3.6 カラムクロマトグラフィー
 3.7 匂いの閾値
 3.8 異性体のニオイ
 3.9 電気の鼻
 3.10 匂いははかられていた
第4章 美しい髪をつくるために
 4.1 商品の切り口を見出す
 4.2 開発研究の始まり
 4.3 毛髪の真ん中に穴があった
 4.4 毛髪の中で密かに進んでいたこと
 4.5 スクリーニングの始まり
 4.6 なぜ? に答える
 4.7 毛髪の真ん中に穴があく理由
 4.8 “ぶんせき”の役割
第5章 薬は飲んでどうなるの?
 5.1 はじめに
 5.2 LC―MSの前処理
 5.3 固相抽出法による前処理
 5.4 液体クロマトグラフィーでわける
 5.5 質量分析計ではかる
 5.6 おわりに
第6章 シャーロックホームズの世界へ ―“化学指紋”のささやき―
 6.1 はじめに
 6.2 酒にも指紋がある?!
 6.3 排水の“指紋”情報
 6.4 朱肉の“指紋”
 6.5 乱用薬物の“化学指紋”
 6.6 おわりに
第7章 ポリマーをはかる ―プラスチック,ゴム,樹脂…様々な顔をもつポリマーをはかってなんぼ
 7.1 はじめに
 7.2 ポリマーの組成を調べる
 7.3 ポリマー製品の特性を解釈する
 7.4 おわりに
第8章 たかがコンタミ,されどコンタミ ―顕微赤外分光による微小異物の分析―
 8.1 コンタミとは何でしょうか
 8.2 こんなにある異物のいろいろ
 8.3 小さくても実害があるのです
 8.4 異物の分析法―顕微赤外線が主役です―
 8.5 顕微赤外における測定モードのいりろ
 8.6 前処理には外科医なみの器用さが必要
 8.7 異物分析の実例―フィルムに発生する“フィッシュアイ”
 8.8 目に見えない異物
 8.9 プラスチックの変色
 8.10 コンタミではない外観異常
 8.11 異物分析の難しさ
 8.12 おわりに
第9章 目に見えないものをつかむ ―材料から発生する目に見えない有機物汚染を調べる―
 9.1 有機ガス汚染
 9.2 ガスクロマトグラフィー
 9.3 固体補集法
 9.4 熱脱離装置
 9.5 ウエハアナライザー
 9.6 加熱発生ガス分析
 9.7 部材評価法の統一
 9.8 おわりに
第10章 放射線にもいろいろある ―放射性核種濃度をはかるには―
 10.1 はじめに
 10.2 放射性核種と放射線の種類
 10.3 放射線をはかるには
 10.4 放射化学的手法を用いた分析方法による定量
 10.5 おわりに
第11章 分析センターはトラブルシューター?!
 11.1 分析センターの役割・仕事の内容
 11.2 分析センターで“はかる”とは
 11.3 本当に分析センターは“はかってなんぼ”か?
 11.4 はからなくてもわかる?
 11.5 おわりに
第12章 モレキュラーインプリンティングって何?
 12.1 はじめに
 12.2 MI法の概念
 12.3 MIPのつくり方
 12.4 固相抽出剤としての応用
 12.5 カラム分離への応用
 12.6 センサーとしての応用
 12.7 おわりに
第13章 質量分析法によるキラル識別 ―酒石酸アンチモニルカリウムは不思議な試薬―
 13.1 キラルな分子はどんなもの?
 13.2 質量分析でキラル識別ができる
 13.3 もっとも“ソフト”なイオン化法
 13.4 ESI質量スペクトル
 13.5 会合体の安定性
 13.6 Sb―S間の親和力は存在するか
 13.7 おわりに
第14章 生体高分子を質量分析法ではかる ―ソフトレーザー脱離飛行時間型・質量分析計の開発まで―
 14.1 田中耕一さんにノーベル化学賞?!
 14.2 レーザーを使った分析計をつくれ
 14.3 レーザーイオン化マイクロプロープ質量分析計の研究
 14.4 TOFMSの改良
 14.5 中研の研究環境
 14.6 金属微粒子による急速加熱法
 14.7 分子量測定装置をつくれ
 14.8 レーザーイオン化法による高質量イオン生成とその測定技術の研究
 14.9 ビタミンB12のピークが出た!
 14.10 チーム一丸となって
 14.11 トントン拍子!
 14.12 LD―TOFMS完成!
 14.13 内外の質量分析研究者の衝撃
 14.14 天の時,地の利,人の和

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