内容紹介
理学、薬学をはじめ医学周辺領域の多くの分野で活用でき、簡潔でわかりやすいと定評のある教科書の改訂版
生命科学研究において重要な役割を果たしている免疫学について、最低限身につけておくべき必要な知見を厳選し、簡潔に解説した。基本となる免疫のしくみを分子レベルで理解することにより、アレルギー・癌・HIVなどの免疫不全症、移植の拒絶などがどのようなしくみで生じるのか、また、それらを克服するための薬の開発・進展について知ることができる。
【改訂ポイント】
・ 感染免疫やがん免疫など、免疫と疾病の解説を充実
・ 半期講義に最適なボリュームはそのままに、重要な知見を厳選し、わかりやすく解説
・ 免疫学の最新知見、理学・薬学など医学周辺領域の学生が必要とする内容の補足と充実
・ 薬学生にとって必要な “コアカリ” の内容も網羅
・ 本文のみならず図表、コラムなど全体にわたって見直し更新
目次
1 序論
1.1 免疫学と予防接種
1.2 バーネットのクローン選択説
1.3 T細胞の抗原認識機構
1.4 細胞間相互作用
1.5 免疫系はなんのために存在するのか:自然免疫と獲得免疫(適応免疫)
1.6 アレルギー
1.7 免疫学ならびに関連領域のノーベル賞
2 抗体
2.1 どのような物質が抗原として作用するか
2.2 抗体の機能と種類
2.3 抗体の取得法
3 抗原抗体反応
3.1 凝集反応
3.2 沈殿反応
3.3 ウエスタンブロット分析
3.4 ELISA(酵素免疫測定法)
3.5 フローサイトメトリー
●COLUMN:3―1 ノザン,サザン,ウエスタンブロット
●COLUMN:3―2 抗体の特異性
4 補体
4.1 補体の活性化経路
4.2 貧食細胞による抗原の分解の促進機構
4.3 補体の活性化と炎症
4.4 補体系の制御
5 免疫を担う細胞と分化
5.1 リンパ球系細胞
5.2 骨髄球系細胞
●:COLUMN:5―1 T細胞の抗原認識におけるMHC拘束性
6 リンパ球の抗原認識分子
6.1 B細胞抗原レセプター
6.2 T細胞抗原レセプター
6.3 抗原レセプター遺伝子の構造
6.4 抗原認識の違い
6.5 膜結合型から分泌型への転換
6.7 クラススイッチ
7 主要組織適合遺伝子複合体
7.1 主要組織適合遺伝子複合体の遺伝子
7.2 構造
7.3 抗原提示
7.4 クラスI分子やクラスII分子の多様性
7.5 移植と拒絶
7.6 移植の法則
7.7 移植片拒絶機構
7.8 HLAタイピングの移植における意義
7.9 移植の臨床
8 T,B細胞の活性化機構
8.1 T,B細胞の抗原レセプターを介した細胞内シグナル伝達
8.2 リンパ球の活性化・分化にかかわるサイトカインのシグナル伝達
9 免疫応答の制御
9.1 免疫寛容
9.2 CD4+ヘルパーT細胞による免疫応答の制御
9.3 共刺激分子と刺激阻止レセプター
9.4 Tollレセプターを介した自然免疫系と獲得免疫系との機能連関
●COLUMN:9―1 アポトーシスのしくみ
10 細胞性免疫
10.1 体液性免疫と細胞性免疫
10.2 細胞障害性T細胞
10.3 細胞内寄生性細菌に対する免疫反応
10.4 IV型アレルギー(遅延型アレルギー)
●COLUMN:10―1 FasとFasL
11 炎症と接着分子・サイトカイン
11.1 炎症とはなにか
11.2 炎症にかかわる細胞群
11.3 炎症におけるPAMPとDAMPの役割
11.4 接着分子
11.5 自然免疫,炎症と接着分子のかかわり
11.6 炎症性サイトカイン
11.7 リンパ球のホーミングと接着分子,ケモカイン
11.8 炎症性サイトカインと炎症性疾患
●COLUMN:11―1 セレクチンのリガンド糖鎖の構造
●COLUMN:11―2 急性期タンパク質
●COLUMN:11―3 通風とインフラマソーム
12 免疫薬理学
12.1 免疫抑制薬
12.2 免疫賦活薬
12.3 アレルギー治療薬
12.4 抗体医薬の開発と臨床応用
●COLUMN:12―1 ヒト化抗体および完全ヒト抗体の作製技術
13 免疫と疾病I:アレルギー疾患と感染免疫
13.1 アレルギー反応(過敏症)の分類
13.2 アレルギー反応とアレルギー性疾患
13.3 アレルギー反応における免疫制御:とくに好酸球の役割
13.4 経口免疫と免疫寛容
13.5 感染免疫とワクチン
13.6 粘膜免疫と感染防御
●COLUMN:13―1 FcεRIの構造について
●COLUMN:13―2 アレルギー物質の表示制度
●COLUMN:13―3 好塩基球の役割
14 免疫と疾病II:がん(腫瘍)の免疫学
14.1 免疫監視機構とがん免疫のしくみ
14.2 がん抗原とがん免疫療法
14.3 がん免疫療法の新たな展開
15 免疫と疾病III:自己免疫と免疫不全
15.1 自己免疫疾患とはなにか
15.2 免疫不全症
15.3 後天性免疫不全症候群
●COLUMN:15―1 実験的アレルギー性脊髄炎(EAE)
●COLUMN:15―2 アデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損症の遺伝子治療
●COLUMN:15―3 HIV感染とケモカインレセプター
出版社からのメッセージ
本書は『第4版 スタンダード免疫学』(2013年3月刊)の改訂版です。
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(本体3,200円+税10%)
在庫:在庫あり
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