青木周蔵 ―渡独前の修学歴

青木周蔵 ―渡独前の修学歴(電子書籍)

著者名 森川 潤
発行元 丸善出版
発行年月日 2018年06月

内容紹介

青木周蔵(1844-1914)は、明治期の外交史・政治史の分野における重要人物として研究対象に掲げられてきた。本書は医者の後継者として生まれた周蔵が、青少年期にどのような学習をして自己形成をしてきたか、その修学履歴に着目する。周蔵の修学過程は四期に区分される。第一期は、寺子屋に通って読み書きを習う段階。第二期は、漢方医書を読むために漢学を学ぶ時期。第三期は、萩城下における蘭学の修業時代。第四期は、長崎での修学の時期である。周蔵は長崎遊学中に留学国としてドイツを選択し、ベルリン大学に学籍登録した最初の日本人留学生のひとりである。近代国家ドイツでの修学の基盤は、渡航する前の修学によって形成されたのであった。本書はこうした観点から、周蔵の渡独前の修学過程をあとづける。青木周蔵研究において、これまで未開拓であった一次史料を使用し、青木周蔵自伝に見られる虚構と空隙を補うために不可欠な研究資料である。

目次

まえがき            
第一章 読み書きの学習時代      
第一節 地下医三浦玄仲     
第二節 寺子屋         
第三節 種痘医玄仲      
第二章 漢学の修業時代       
第一節 郷学菁莪堂      
第二節 中津誠求堂      
第三節 福沢諭吉との邂逅  
第三章 蘭学の修業時代      
第一節 能美隆庵の学僕   
第二節 好生堂医生     
第三節 長崎遊学の藩命   
 第四章 長崎時代         
    第一節 野稿一章      
(一)吾道ノ墔廃     
     (二)蘭醫ノ教授スル病院 
     (三)万里異域      
第二節 修学        
(一)天領長崎      
(二)西洋医学      
(三)外国語      
(四)諸学術       
第三節 孛魯西行      
(一)萩原三圭      
(二)プロイセンの選択  
(三)渡航        
補 章 長崎のドイツ医学     
   はじめに          
第一節 原典主義と翻訳主義 
第二節 オランダ人教師      
第三節 ドイツ医学     
おわりに          
あとがき 

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