内容紹介
現代社会は、今や「ユビキタス社会」へと進展しようとしている。ITと結びついた医療情報の活用への大きな期待と同時に、さまざまな倫理的問題の発生も懸念されている。本巻は、「医療情報社会」のリアルな姿を浮き彫りにすることを目指した。そしてまた、単に電子ネットワーク上のものとしてのみ捉える立場からではなく、患者を中心に据えた医療での「医療情報」の持つ本質的意味について、哲学的・倫理学的観点から根本的に問い直すべく論じている。
目次
第1章 医療情報と生命倫理
第2章 医療における情報リテラシー
第3章 診療情報――法的観点から
第4章 診療情報――臨床現場の視点から
第5章 看護情報
第6章 薬害と医薬品情報
第7章 科学的根拠に基づく医療(EBM)と倫理的臨床判断
第8章 医療情報システム・電子カルテ
第9章 医療情報と医療過誤
第10章 医師―患者関係とインフォームド・コンセント
第11章 医療情報と権力
第12章 ヘルスコミュニケーションの生命倫理学