内容紹介
臨床倫理では、生命の始まりから終わりまでのあらゆる時期の問題を取り扱う。疾患横断的であり、安楽死や中絶など社会的に大きな注目を集める問題や、日常的に医療現場で起きている倫理問題を対象とする。同時にプロフェッショナリズム(専門職意識)や人間性の問題も守備範囲とし、職業倫理や徳倫理にも深く関わる。医療専門職・医療系学生に対する倫理教育活動も大きな役割のひとつになる。本書では、医療現場の比較的日常的な倫理問題と事例を取り上げつつ、現時点での臨床倫理関連領域の最前線について紹介・解説。
目次
第1章 臨床倫理―基礎と実践
第2章 倫理コンサルテーション
第3章 臨床倫理委員会の現状と課題
第4章 臨床倫理と適法性
第5章 倫理的判断に関わる関係者の心理とコミュニケーション
第6章 患者の意思決定能力
第7章 患者の利益と無益性
第8章 家族と代行判断
第9章 事前指示とDNR
第10章 人工呼吸器取り外し
第11章 エホバの証人信者の輸血拒否と他の治療拒否
第12章 最小意識状態の患者の医療に関する意思決定
第13章 医療専門職自身の悩み