遺伝子組換え食品

遺伝子組換え食品

どこが心配なのですか?
著者名 渡辺 正
久村 典子
発行元 丸善出版
発行年月日 2002年07月
判型 四六 188×128
ページ数 326ページ
ISBN 978-4-621-07063-5
Cコード 0040
NDCコード 498
ジャンル 科学一般

内容紹介

品種改良と遺伝子組換え開発、両方の経験豊かな著者がエピソードを豊富に交え、遺伝子組換え食品に対する不安や恐怖をあおるのではなく、その本質を理解することによって、食べても良い食品、危険な食品を読者に判断する力を与える。

目次

はじめに――コースにしますか、アラカルトですか?
 GM食品論争のいま
1章 前菜――遺伝子組換え食品は恐ろしい?
 遺伝子組換え(GM)、遺伝子組換え生物(GMO)とは?/レシピの比較/うわさ話の裏を知る
2章 料理学校のレッスン1――誰にもわかる分子遺伝学
 コトバの壁/分子遺伝学の第一歩/DNAとは?/DNAと遺伝子の違い/遺伝暗号――遺伝子とタンパク質の関係/遺伝子のつくり/メンデルの遺伝学はまだ必要?/優性遺伝子・劣性遺伝子?/遺伝子の入手ルート/ジーンバンク
 [コラム]遺伝子の四本柱/望みの遺伝子を見つける/PCR法
3章 お台所で腕だめし――自分でわかろう遺伝子組換え
 遺伝子組換えの歩み/バクテリアと植物は大違い/魔法の試薬――制限酵素/植物細胞に遺伝子を入れる/アグロバクテリウム法の成功/マーカー遺伝子/転移DNAの中身と心配/まとめ
4章 まだ修行中?――昔ながらの作物とGM作物を比べる
 伝統的な作物栽培――「許せる?」やりかた/きびしい品種登録/出荷・流通/どこに線を引く?/よくある誤解/まとめ
 [コラム]品種登録――メリット・システム/農家は種子をどうやって手に入れる?/品種開発物語
5章 食品に入っているもの
 どの成分があぶない?/口に入る組換えDNAの量/GMは残留薬品をふやす?/豚と「ブタの遺伝子」/古きよき時代
 [コラム]DNAを食べたくない?/rDNA摂取量の見積もり/新しいタンパク質の摂取量
6章 どれが肉なの?――核心に迫る
 ヨーロッパ対アメリカ、意識の差/GMの支持・不支持を決める/ホラー話の深層/同じ生物の遺伝子を入れたGM品と非GM品/GM作物づくりの略史/スーパー雑草は出現するか?/GM技術でつくる雑種
7章 数字のことを考える
 リスク/確率はいくら?/DNA鑑定と確率/聖書を打つサル
8章 「ワインを少しいかが?」――食品規制とサイエンス
 規制の目的/遺伝子組換え作物(GMO)規制のポイント/リスク評価:予防原則/科学のやりかた:追試と対照実験/国ごとの違い/GMO認可のお国柄/消費者の力/再びリスクを考える
9章 テーブルにのらないもの――ほんとの危険
 GMOのアレルゲン性/場所で異なる環境影響/巨大多国籍企業の支配/タテマエ主義と無駄/見当違いの規制/開発と規制の費用は誰が払う?/おわりに
10章 「ここのおすすめは?」――私たちのことを考えてくれるのは誰?
 誰も信用できない?/では何に頼る?
11章 ホラー話をもう少し
 GM技術はまだ若い?/病原菌に抗生物質が効かなくなる?/おなじみの問い「不測の事故は起きないのかね?」/遺伝子どろぼう?/ターミネーター技術は企業の陰謀?小企業や大学の成果は?/種の壁を超えるのは罪悪?/GM以外なら新製品も新技術もOKなのか?
12章 「ボーイさん、メニューわからないんだけど……」――表示の問題
 GM製品の表示/企業はGM製品の表示をいやがる?/GMの無差別表示は不可能/「含む可能性あり」のわな/どこで線を引く?/一時の妥協?/消費者の代表?/まとめ
13章 「このお店、組換えしていない料理はないの?」
 非GM食品はつくれるか/有機栽培食品を食べればいい?/健康食品のお値段/ハーブ薬や自然食品は安全?/どうしてもGM食品がいやなら……/まともな情報
14章 シェフはレシピを教えない――知的所有権の話
 新品種の保護/生物特許/UPOVと特許の関係/実用特許の実用性/混乱/技術使用契約
15章 デザート――これからどうなっていくの?
 近い将来/まだ心配ですか?/知識をいかそう/GM技術は新しい?/もう十分?/忘れちゃいけない……チップ
付録1
付録2

定価:2,310円
(本体2,100円+税10%)
在庫:絶版