内容紹介
金属材料の腐食にかかわる化学反応の基礎である電気化学とその測定法の解説書。腐食防食は産業の基盤といっても過言ではなく、近年のインフラストラクチャーの劣化にみるように建築から電子機器まで様々な産業分野において安全性にかかわる喫緊の課題であり、その対策にとって必須な概念である電機化学の理解は大変重要となる。本書では腐食の状況の判定、腐食速度の測定、腐食機構の解明および防食の研究に用いられる多種多様な腐食の電気化学的測定法について、測定法と測定結果の解析・解釈を含めてできるだけわかりやすく解説。これから腐食の電気化学的測定を使おうとする人たちにとって極めて有用な指針となるとともに、理論に基づいて、理論に裏打ちされた経験や勘を働かせることができるようになる一冊。
目次
1 章 腐食現象と電気化学
2 章 電極電位,電極反応と電位-pH図
3 章 電極反応の速度
4 章 腐食現象の電気化学的アプローチ
5 章 腐食評価のための基本的な電気化学測定
6 章 腐食反応の電気化学的解析例と測定法
付録 A ディジタル・フーリエ積分によるインピーダンスの演算
B 拡散が関与するインピーダンスの導出
C Kelvin法と寄生容量
D 水膜系のインピーダンス
E 金属中への水素の侵入
F 塗膜の劣化過程
G 媒質から導体に誘起される電流と導体から媒質への漏洩電流の分布