内容紹介
中東から多くの難民船がたどり着くギリシャの島からオーストリアまで、およそ2000キロを難民とともに移動して流入ルートを取材。まず訪ねたのはギリシャのコス島。ここにたどり着く難民の7割は戦火を逃れてきたシリア人で、小さなゴムボートによって命懸けで海を渡ってくる。数国を経てオーストリアを目指すがその道のりは厳しい。生き残るために“子どもや老人を連れている”と言い張って出入国を有利にしようとする者もいれば、シリア人を偽装する他国籍の者もいる。移動中に家族と離れてしまい悲しみにくれる女性にも会った。彼らは安全な地を追い求めて必死に進み続ける。終わりが見えない難民流入の現実に、ヨーロッパは解決の糸口をまだ見出せずにいる。