内容紹介
本書は、震災直後から土木学会および関連学会に所属する研究者・技術者・実務者が総力を結集して取り組んだ調査・研究の成果をまとめたものです。その基盤となったのは、東北地方太平洋沖地震津波合同調査グループによる成果です。特に、被災地での現地調査や解析により、津波の発生から伝播、遡上、被害にいたる物理過程と被害のメカニズムに着目し、結果を整理しました。 震災の被害実態の全てを網羅し、教訓として自分たちのものするには、3年という月日であっても足りないほどですが、地震・津波防災に携わる我々のこれまでの歩みを見直すとともに、得られた知見を体系化し、教訓として役立てていただければ幸いです。
目次
1章 はじめに
2章 東北地方の津波災害の歴史
3章 2011年東北地方太平洋沖地震津波の発生機構
4章 津波の伝播・観測状況
5章 陸上および河川に遡上した津波の調査・解析
6章 数値シミュレーションによる津波の再現
7章 津波災害による人的・社会的影響
8章 海岸堤防・防波堤の被災メカニズムと粘り強い構造の要件
9章 復旧・復興