20世紀の物理学 III 普及版

20世紀の物理学 III 普及版

著者名 「20世紀の物理学」編集委員会
発行元 丸善出版
発行年月日 2004年09月
判型 菊判 218×152
ページ数 994ページ
ISBN 978-4-621-07482-4
Cコード 3042
NDCコード 420
ジャンル 物理学 >  物理学_事典・便覧
物理学 >  物理学一般

内容紹介

原著は、アメリカ物理学会(AIP)とイギリス物理学会(IOP)との共同出版。現代物理学の全分野の発展と展望について、ノーベル賞受賞者を含めた超一流の執筆陣が記す。物理学各分野の歴史と入門的解説、初出文献4000以上の膨大なリスト、500点を越える貴重な図、写真、主な物理学者や、重要事項のコラムで構成。図書館や研究所の基礎文献として、また物理学に携わる全ての学生や研究者にとって座右の書。さらに日本版には各章の編者・訳者によって原著刊行以後の発展や業績が適宜補足。第III巻では20世紀後半の、物理学における重要なトピックスとして固体電子、光学、プラズマ物理、天体物理学などを取り上げる。また日本語版のみの書き下ろしとして「生物物理」の章を追加。

目次

第17章 固体電子
 1 高品質材料の必要性
 2 金属についての実験事実
 3 金属伝導の原始的モデル
 4 電子ガスの量子論
 5 ブロッホの定理とその瞬時の波及
 6 抵抗の機構
 7 ウムクラップ過程
 8 熱電効果
 9 間奏――ブリルアン・ゾーン
 10 一般から個別へ:固体物理学派の誕生
 11 バンド構造の初期の計算
 12 半導体――初期
 13 整流器とトランジスター
 14 光伝導
 15 半導体の物理
 16 ホットエレクトロン
 17 戦後の金属――液体ヘリウムの影響
 18 金属の個性――フェルミ面研究計画
 19 独立粒子モデルを超えて
 20 乱れをもつ物質
 21 干渉効果
 22 2次元電子ガス:量子ホール効果
 23 エピローグ
第18章 光学・量子光学・光学物性
 1 はじめに:1900年までの古典光学
 2 1900―30年,初期の量子光学
 3 1930―60年,嵐の前の静けさ
 4 1960―70年,レーザーと非線形光学
 5 1970―94年,実り豊かな成果とその応用
 6 1994年から2000年,21世紀に向けて
第19章 材料の物理
 1 材料科学の基礎の成立
 2 参考となる研究やデータベースの編集
 3 結晶構造
 4 物理冶金学の誕生
 5 物理冶金学における定量的理論の誕生
 6 点欠陥と非金属材料
 7 拡散
 8 電気的・電子――光学的セラミックスおよび液体
 9 相変態,微細組織,および近年の装置技術
 10 高分子の物理
 11 用語,概念,学会
第20章 電子線装置
 1 黎明期
 2 磁界型電子レンズ
 3 ブッシュの理論の立証
 4 初めての二段型電子顕微鏡
 5 光学顕微鏡の分解能を越える
 6 試料作りと照射損傷
 7 初めて連続生産された電子顕微鏡
 8 静電型電子顕微鏡
 9 アッベの光学理論と透過電子顕微鏡
 10 オフ・アクシス光ホログラフィー
 11 ホログラフィーを用いた無収差原子分解能
 12 走査電子顕微鏡
 13 結論
第21章 ソフトな物質:概念の誕生と成長
 1 “ソフト”の意味
 2 高分子
 3 液晶
 4 界面活性剤
 5 コロイド
 6 おわりに
第22章 プラズマ物理
 1 はじめに
 2 20世紀前半のプラズマ物理学
 3 ラングミュアとプラズマ振動,ランダウとプラズマ理論
 4 核融合,宇宙プラズマの時代:1950年代から現在まで
 5 1960年代以降の磁気核融合:nτTの坂を昇る長い行程
 6 増大していく理論と計算機シミュレーションの重要性
 7 スケールのもうひとつの極:慣性閉じ込め核融合
 8 画期的実験:基礎プラズマ物理学
 9 宇宙空間プラズマ物理:電離層そしてそのかなた
 10 おわりに
第23章 天体物理と宇宙論
 第1部 恒星とその進化――第二次世界大戦以前
  1 19世紀の遺産
  2 ヘルツシュプルング―ラッセル図の由来
  3 恒星の構造と進化
 第2部 宇宙の大規模構造の認識:1900―39年
  4 銀河系の構造
  5 大論争
  6 相対論的宇宙論の発展
 第3部 広がる電磁スペクトルの窓
  7 天文学的視野の変容
 第4部 天体物理学と宇宙論:1945年以降
  8 恒星とその進化:1945年以降
  9 星間媒質の物理学
  10 銀河と銀河団の物理
  11 高エネルギー天体物理学
  12 天体物理学に基づく宇宙論
  13 古典的宇宙論問題
  14 銀河の形成
  15 最初期の宇宙  
第24章 カオスの物理と計算機
第25章 生物物理
 1 はじめに
 2 相補性――物理学者による分子生物学の建設
 3 分子生物学構造学派から構造生物学へ
 4 分子機械の動作原理(ゆらぎと選択――その1)
 5 分子機械の創出原理(ゆらぎと選択――その2)
 6 おわりに
第26章 医学物理
 1 はじめに:歴史的発展
 2 X線診断:放射線診断学
 3 X線治療(放射線治療)
 4 治療における放射活性物質
 5 放射線量測定
 6 放射線生物物理:放射線生物学
 7 放射線防護
 8 医用電子工学
 9 医用機器
 10 診断学にける放射性物質:核医学
 11 医学超音波学
 12 コンピューター・トモグラフィー
 13 核磁気共鳴イメージング
 14 結論
第27章 地球物理
 1 はじめに
 2 地球の起源と年齢(1935年まで)
 3 地球の核と地磁気
 4 地球の起源と年齢(1935年以降)
 5 地球科学の革命
 6 地球の超高層大気圏と地球圏
 7 電離圏:初期の頃
 8 さらに外に,磁気圏そして太陽―地球系宇宙空間へ
第28章 20世紀の物理学
 20世紀の物理学についての概観
  はじめに
  “常識”から逸脱
  神の摂理つぃての創発性
  20世紀前半と第二次大戦:物理学の勝利
  巨大科学の時代
  「小さな科学」の開花
  「小さな科学」の飽和:権利の終焉
  まとめ
 自然それ自体
 社会的組織としての物理学
  地域の領域
  かけ離れた分野
  薄れていく枠組みと消えていく境界線
  浸透する研究技術
  分野横断型分野
  研究と教育
  最終化
  産学共同
  共同体化
  巨大物理学
  国際化
  境界条件

関連商品

定価:8,800円
(本体8,000円+税10%)
在庫:絶版