クリスチャン分析化学 原書7版

クリスチャン分析化学 原書7版

I.基礎編
著者名 今任 稔彦 監訳
角田 欣一 監訳
発行元 丸善出版
発行年月日 2016年12月
判型 B5 257×182
ページ数 496ページ
ISBN 978-4-621-30109-8
Cコード 3043
NDCコード 433
ジャンル 化学・化学工学 >  分析化学 >  基礎分析化学

内容紹介

分析化学の基礎から機器分析法、応用分野まで、丁寧に記述、解説した分析化学の教科書。多くの例題に加え、「発展」として、実際の分析事例をもとにした問題や例題を掲載しており、実際に分析を行う際のイメージも広げることができる。 基礎編では、「そもそも、どのような目的で分析を行うのか」という問いから、分析器具の取扱い方法、統計の基礎、平衡反応やそれを利用した滴定、電気化学的な分析について解説。 今版からB5判、2色刷りとなり、さらに学びやすくなった教科書。

目次

1 分析の目的――分析化学者は何をするのか
 1.1 分析化学とは何か
 1.2 定性分析と定量分析:それぞれで何がわかるのか
     [かこみ]分析化学はどのようにして始まったのか
 1.3 分析を始める:分析の手順
 1.4 分析法の妥当性確認:問題ないことを証明しなければならない
 1.5 分析と定量:意味が異なる
 1.6 有用なwebサイト
2 基本的な分析器具と操作
 2.1 実験ノート:あなたの重要な記録として
     [かこみ]実験ノートの書き方 
 2.2 実験で用いる器具と試薬
 2.3 分析てんびん:必要不可欠な装置
 2.4 定容ガラス器具:これも必要不可欠
 2.5 塩基標準液の調製
 2.6 酸標準液の調製
 2.7 ほかの器具:試料の取扱いと処理
 2.8 沈殿の強熱:重量分析
 2.9 試料の採取:固体・液体・気体の場合
 2.10 乾燥操作と分析成分溶液の調製
 2.11 実験室の安全  
3 分析化学におけるデータ処理
     [かこみ]訳者補遺:本章における用語について――“正確さ”と“不確かさ”
 3.1 正確さと精度:その違い
 3.2 確定誤差:系統的なもの
 3.3 不確定性誤差:偶然的なもの
 3.4 有効数字:桁数はいくつ必要か?
 3.5 四捨五入
 3.6 正確さの表現方法
 3.7 標準偏差:もっとも重要な統計指標
 3.8 誤差の伝播:たんなる加算ではない
 3.9 有効数字と誤差の伝播
 3.10 管理図
 3.11 信頼限界:どのくらい確かか?
 3.12 有意差検定:本当に違いがあるのか?
 3.13 結果の棄却:Q検定
 3.14 データ数が少ない場合の統計計算
 3.15 線形最小二乗法:正しい直線の引き方
 3.16 相関係数および決定係数
 3.17 堅守限界:ゼロはない
 3.18 サンプリングにおける統計処理:試料数とそのサイズ
 3.19 検定力分析 
4 優良試験所規範――分析の品質保証
     [かこみ]優良試験所規範はなぜ必要か?   
 4.1 優良試験所規範とは何か?
 4.2 分析方法の妥当性確認(バリデーション)
     [かこみ]研究所間の変動に関する実際
 4.3 品質保証:その方法は適切にはたらいているか?
 4.4 試験所(研究所)認定
 4.5 電子記録と電子署名:連邦規則集第21号,その11
     [かこみ]経費とは何か?
 4.6 いくつかの公的機関
5 化学量論計算――分析化学者の必需品
 5.1 定量分析の基礎
 5.2 溶液濃度の表示法
 5.3 分析結果の表し方:多くの方法
 5.4 容量分析:化学量論計算の方法
 5.5 容量分析の計算:モル濃度を使う
 5.6 力価:迅速なルーチン計算法
 5.7 重量の関係:重量分析の計算に必要    
6 化学平衡の一般概念
 6.1 化学反応:速度論的考え方
 6.2 平衡の種類
 6.3 ギブズの自由エネルギーと平衡定数
 6.4 ルシャトリエの原理
 6.5 平衡定数に対する温度効果
 6.6 平衡に対する圧力効果
 6.7 平衡に対する濃度効果
 6.8 触媒
 6.9 反応の完全さ
 6.10 解離または結合化学種の平衡定数:弱電解質と沈殿
 6.11 平衡定数を用いる計算:どの程度の平衡であるか
 6.12 共通イオン効果:平衡の移動
 6.13 平衡計算の系統的な方法論:平衡問題の解き方
 6.14 系統的方法論を平衡計算に応用するときのヒント
 6.15 不均一性の平衡:固体は計算に入れない
 6.16 活量と活量係数:濃度がすべてではない
 6.17 共存イオン効果:熱力学的平衡定数と活量係数
7 酸塩基平衡
 7.1 酸塩基の歴史
 7.2 酸塩基理論:異なる概念によりつくられたいくつかの説
 7.3 水溶液中の酸塩基平衡
 7.4 pHのスケール
 7.5 高い温度におけるpH:血液のpH
 7.6 弱酸と弱塩基:pHはいくらか
 7.7 弱酸の塩および弱塩基の塩:中性ではない塩
 7.8 緩衝液:pHを一定(あるいはほぼ一定)に保つ
 7.9 多塩基酸とその塩
 7.10 ラダー図
 7.11 任意のpHにおける解離化学種の存在分率:α値――各化学種の割合は?
 7.12 多塩基酸の塩:酸,塩基,もしくは両方?
 7.13 生理的緩衝液:君たちを生かしている
 7.14 生体関連の分析や臨床検査のための緩衝液
 7.15 酸と塩基に対する共存イオン効果:cKaとcKb――塩がpHを変える
 7.16 対数濃度図:log C―Ph図     
8 酸塩基滴定
 8.1 強酸と強塩基:容易な滴定
 8.2 電荷均衡法による強酸と強塩基の滴定曲線
 8.3 終点の検出:指示薬
 8.4 酸や塩基の標準液
 8.5 弱酸と強塩基:少し難しい滴定
 8.6 強酸による弱塩基の滴定
 8.7 炭酸ナトリウムの滴定:二塩基酸の滴定
 8.8 多塩基酸の滴定
 8.9 酸や塩基の混合物
 8.10 アミノ酸の滴定:アミノ酸は酸であり塩基でもある
 8.11 ケルダール分析:タンパク質の定量
 8.12 体積を測定しない滴定 
9 錯形成反応と滴定
 9.1 錯体とその生成定数:錯体の安定性
 9.2 キレート:金属の究極の滴定試薬――EDTA
 9.3 金属―EDTA滴定曲線
 9.4 終点の検出:指示薬もキレート試薬
 9.5 錯体のその他の用途
 9.6 全生成定数βと段階的に生成する錯体種の濃度
10 重量分析と沈殿平衡
 10.1 重量分析を成功させる手順
 10.2 重量分析計算:分析成分の存在量
 10.3 重量分析の例
 10.4 有機沈殿剤
 10.5 沈殿平衡:溶解度積
 10.6 溶解度に対する共存イオン効果:K○spと活量係数
11 沈殿反応と滴定
 11.1 沈殿の溶解度に対する酸性度の影響:条件つき溶解度積
 11.2 複数の平衡に対する物質収支計算
 11.3 溶解度に対する錯体形成の影響:条件つき溶解度積
 11.4 沈殿的滴定
12 電気化学セルと電極電位
 12.1 酸化還元反応
 12.2 電気化学セル
 12.3 ネルンストの式:電位に対する濃度の影響
 12.4 式量電位:標準状態でない場合の電位
 12.5 電極電位の限界
13 電位測定法とその電極
 13.1 金属イオン測定用の金属電極
 13.2 陰イオン測定用の金属―金属塩電極
 13.3 不活性な金属を用いる酸化還元電極
 13.4 一室型セル
 13.5 二室型セル
 13.6 参照電極
 13.7 電位測定
 13.8 電位測定による濃度の測定
 13.9 残余液間電位差
 13.10 電位測定の正確さ
 13.11 pHガラス電極
 13.12 pH標準液
 13.13 pH測定の正確さ
 13.14 pHメーターによる測定
 13.15 血液のpH測定
 13.16 非水溶液中のpH測定
 13.17 イオン選択性電極
 13.18 イオン選択性電極による火星の土質分析
14 酸化還元滴定と電位差滴定
 14.1 はじめに:酸化還元反応の化学量論
 14.2 反応の平衡定数の見積もり:当量点電位を計算するための物理量
 14.3 酸化還元滴定曲線の予測
 14.4 終点の目視検出法
 14.5 ヨウ素滴定:ヨウ素酸化滴定とヨウ素還元滴定
 14.6 ほかの酸化剤による滴定法
 14.7 その他の還元剤による滴定
 14.8 溶液の調製:滴定前に分析成分を正しい酸化状態にするには
 14.9 電位差滴定(間接測定法)
15 ボルタンメトリーと電気化学センサー
 15.1 ボルタンメトリー
 15.2 アンペロメトリー電極:酸素の測定
 15.3 電気化学センサー:化学修飾電極
 15.4 超微小電極
 15.5 微細加工電気化学センサー
 15.6 微小および超微小電極アレイ
付録A 分析化学関連の文献
付録B 数学的取扱いの復習:指数,対数,方程式
付録C 定数表  

出版社からのメッセージ

本書は『原書6版 クリスチャン分析化学I 基礎編』(2005年3月刊)の改訂版です。

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