科学の健全な発展のために

科学の健全な発展のために

誠実な科学者の心得
著者名 日本学術振興会「科学の健全な発展のために」編集委員会
発行元 丸善出版
発行年月日 2015年03月
判型 A5 210×148
ページ数 154ページ
ISBN 978-4-621-08914-9
Cコード 3040
NDCコード 407
ジャンル 科学一般 >  科学読み物

内容紹介

科学研究は、多くの先人たちの積み重ねによって発展してきたものであり、その成果が私たちの社会生活に及ぼす影響は極めて大きい。それは科学者にとって誇りであると同時に、大きな責任と期待を担っていることを意味するが、近年、科学の持つ根源的な価値観である「真理の探究」を疎かにする事例(捏造、改ざん、盗用等)が発生している。仮にこうした状況が続けば、科学への信頼は傷つき、科学の健全な発展が脅かされることにつながるだろう。本書では、人文・社会科学から自然科学までの全分野の科学者が、「どのようにして科学研究を進め、科学者コミュニティや社会に対して成果を発信していくのか」を命題に、研究を進めるにあたって知っておかなければならないルールや、倫理綱領、行動規範、成果の発表方法、研究費の適切な使用等、科学者にとって必要な心得について、エッセンスを整理しまとめる。

目次

Section I 責任ある研究活動とは
 1.今なぜ、責任ある研究活動なのか?
 2.社会における研究行為の責務
 3.今、科学者に求められていること
Section II 研究計画を立てる
 1.はじめに
 2.研究の価値と責任
 3.研究の自由と守るべきもの――人類の安全・健康・福祉および環境の保持――
 4.利益相反への適正な対応
 5.安全保障への配慮
 6.法令およびルールの遵守
Section III 研究を進める
 1.はじめに
 2.インフォームド・コンセント
 3.個人情報の保護
 4.データの収集・管理・処理
 5.研究不正行為とは何か
 6.好ましくない研究行為の回避
 7.守秘義務
 8.中心となる科学者の責任
Section IV 研究成果を発表する
 1.研究成果の発表
 2.オーサーシップ
 3.オーサーシップの偽り
 4.不適切な発表方法
 5.著作権
Section V 共同研究をどう進めるか
 1.共同研究の増加と背景
 2.国際共同研究での課題
 3.共同研究で配慮すべきこと
 4.大学院生と共同研究の位置
Section VI 研究費を適切に使用する
 1.はじめに
 2.科学者の責務について
 3.公的研究費における不正使用の事例について
 4.公的研究費の不正使用に対する措置等について
 5.まとめ
Section VII 科学研究の質の向上に寄与するために
 1.ピア・レビュー
 2.後進の指導
 3.研究不正防止に関する取組み
 4.研究倫理教育の重要性/
 5.研究不正の防止と告発
Section VIII 社会の発展のために
 1.科学者の役割
 2.科学者と社会の対話
 3.科学者とプロフェッショナリズム
Reference 資料
 研究公正に関するシンガポール宣言 
 科学者の行動規範
 研究公正の原則に関する宣言(仮訳)
 新たな「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」概要

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